目次 |
「傾向」 |
1、概要 |
(1)入試結果 |
(2)出題分野 |
(3)難易度 |
2、各論(大問1~4) |
「対策」 |
(1)入試結果
山脇中学2021年A・算数は、ほぼ例年通りでした。
受験者平均点 | 合格者平均点 | |
2021年 | 45.3 | 60.5 |
2020年 |
48.6 | 59.5 |
(山脇中学ホームページより引用・算数100点満点)
(2)出題分野
「平面図形」「速さ」「割合」「水そうグラフ」などを中心に、出題されています。
とりわけ、「平面図形」は、角度、面積、比と、念入りに出題されています。
大問1の小問群では、他にも「差集め算」「平均算」などが出題されています。
(3)難易度
全体的に標準的な問題が多いのですが、所々、難問も含まれています。
大問1の小問群では、他の問題に比べ、小問(7)の「平均算」が、やや難しいですし、大問3(2)、大問4(3)(4)など、応用問題の終盤に、かなりの難問も出題されています。
「出題分野&難易度マップ」を掲載致します。(難易度はレッツ算数教室の分析によります)
Aが最も易しく、BCDEの順に難しくなっていきます。
出題分野&難易度マップ | ||
大問1 | ||
(1) | 計算問題 | A |
(2) | 計算問題 | A |
(3) | 割合・食塩水 | B |
(4) | 割合・売買算 | B |
(5) | 和と差・差集め算 | C |
(6) | 速さ | B |
(7) | 和と差・平均算 | D |
(8) | 平面図形・角度 | C |
(9) | 平面図形・長さ | C |
大問2 | ||
(1) | 水そうグラフ | B |
(2) | 水そうグラフ | B |
(3) | 水そうグラフ | C |
大問3 | ||
(1) | 速さ・通過算 | B |
(2) | 速さ・通過算 | D |
大問4 | ||
(1) | 平面図形と比 | B |
(2) | 平面図形と比 | B |
(3) | 平面図形と比 | E |
(4) | 平面図形と比 | E |
それでは、順に見ていきましょう。
大問1(1)(2)「計算問題」
ウオーミングアップ問題です。
大問1(3)「割合・食塩水」
最終的な食塩水は、濃さだけでなく、重さもわかっています。
大問1(4)「割合・売買算」
2種類の売値、合計の個数、合計の売り上げがわかっています→つるかめ算です。
大問1(5)「和と差・差集め算」
はじめ、全員に8個ずつ配るには、2個×10人=20個さらに不足します。
つまり、
という、通常の差集め算になります。
大問1(6)「速さ」
2種類の速さ、合計時間、合計距離がわかっています→つるかめ算です。
大問1(7)「和と差・平均算」
Cさん1人と、他の3人の平均算ととらえます。
人数が1:3なので、差の4点を3:1に比例配分します。
よって、他の3人の平均点は78+1=79点です。
Aさん、Bさん、Dさんの差から、この3人の平均点はAさんの点数と等しく、これが79点です。
よって、79-9=70点(答)
大問1(8)「平面図形・角度」
角x(エックス)を含む三角形の他の2つの角を求めます。
一つは錯角で84度。
もう一つは、58-20=38度
よって、180-84-38=58度(答)
大問1(9)「平面図形・長さ」
角OAB=角OBA、角OCB=角OBC
よって、これら4つの角の和は108×2=216度
よって、角AOC=360-216=144度=360×2/5
よって、斜線部分は円の3/5になります。
大問2「水そうグラフ」
(1)(2)は、基本問題です。
(3)は、グラフが10分の時点で、ゆるやかな方向に折れている点に注目します。
ここで、排水せんが開いたことがわかります。
以後、1分間に何㎤ずつ水がたまっていくか計算すると、
50×30×18÷12=2250
よって、3600-2250=1350㎤/分(答)
大問3「速さ・通過算」
(1)(2000+250)÷2=1125m/分(答)
(2)「Bの長さ×2」の距離を進むのに30秒かかります。
よって、「Bの長さ」を進むのには、15秒かかります。
よって、2200m進むのに、2分45秒かかります。
2200÷(11/4)=800m/分(答)
大問4「平面図形と比」
本問は(1)(2)をヒントに、(3)を解き、(3)を使って(4)を解く、という構造になっています。
(1)(2)は、基本問題です。
(3)
前の小問(2)で、なぜFG:DEを求めるかというと、BAの上る角度と、CAの上る角度の比を求めるためです。
同じ高さに上るのに、BAは横に20cm進み、CAは横に8×2=16cm進みます。
20:16=5:4です。
よって、BI:IC=5:4です。(答)
(4)
BI+IC=20+26+8=54cm
よって、比例配分によって、
BI=54÷(5+4)×5=30cm
三角形BGFとBIAは相似で、相似比2:3。面積比4:9
三角形ABCの面積は、
220×9/4×9/5=891㎠(答)
全体的にオーソドックスな問題で、努力が大いに報われます。
すべて、「公式」通りです。
さらに、難問の大問4ですが、ここでも、算数の発想法の1つである、「等しいものに注目する」が用いられています。
「同じ高さ」に上るために、横に何cm移動するか?という部分です。
レッツ算数教室では、当ホームページ内
の中で、算数の発想法について、さらにくわしくご説明しています。
知識では解けない「初見の問題」では、算数の発想法が使いこなせるかどうかで、勝負が決まります。