サピックスの6年生・夏期講習は、全18回あります。
3年生、4年生から積み上げてきた勉強の総復習をするとともに、中学受験で最高レベルの解法テクニックをマスターすることが予定されています。
解法テクニックに関しては、6年夏期までに、ほぼすべてが出そろうことになります。
そのため、内容は高度で、それが18日間続きます。
毎回、前回の範囲のデイリーチェックが実施され、その点数が直ちにクラス昇降に反映するという、スーパーハードな仕組みになっています。
この仕組みにうまく適応できれば、波に乗って一気に実力がつきますが、歯車が狂うと、夏休み明けに大変なことになります。
まさに、天下分け目の夏期講習です。
では、波に乗るためには、どうすれば良いでしょうか?
結論から言うと、各回の難易度に応じた柔軟な対策をとることがポイントです。
未消化に終わった問題は、無理せず、あきらめず、夏期終了後も、復習の機会を探り続けます。
では、難易度マップを見てみましょう。
赤い背景の回が、難しくなっています。
回 | テーマ | 理論 | 計算 |
1 | 数の性質 | 難 | |
2 | 和と差 | ||
3 | 割合1 | ||
4 | 平面図形1 | ||
5 | 速さ1 | ||
6 | 規則性 | 難 | |
7 | 場合の数1 | ||
8 | 平面図形2 | やや難 | |
9 | 立体図形 | ||
10 | 数の性質3 | 難 | |
11 | 割合2 | 難 | 煩 |
12 | 速さ2 | 難 | 煩 |
13 | 図形の移動 | 煩 | |
14 | 平面図形3 | 難 | 煩 |
15 | 推理と論証 | 難 | |
16 | 文章題総合 | ||
17 | 場合の数2 | ||
18 | 表とグラフ | 煩 |
(難易度は、レッツ算数教室の分析と、生徒さん達の反応から推測しています。難易度の感じ方には、個人差があります。)
・大まかな傾向として、「数の性質」は理論的な難易度が高いです。
・「平面図形」は3回あり、3回目が特に難しくなっています。
・お盆休み直前の1週間ほどが、最もハードです。
このあたりを、どう乗り切るかが、ポイントです。
さて、
「テキストは、その日のうちにマスターする。少なくとも、翌日の授業までにマスターする。」
というのが理想です。
でも、実行できるのは、超恵まれているごく一部の人に限られるでしょう。
夏期テキストは、質、量ともに、それまでとは次元が違います。
毎回、A問題からE問題まですべてマスターしようとすると、結局、
「よくわからないところは解法丸暗記でしのごう」
という勉強に陥り、夏休み明けには、
「ほとんど何も身についていなかった」
ということになってしまいます。
手ごわい回については、
などの対策が重要です。
さらに、ここが最も大切なのですが、8月度マンスリーが終了した後も、夏期の復習を続けましょう。
夏期講習の期間中に消化しきれなかったものは、9月から10月半ばぐらいまでの間に、何とか消化すれば大丈夫です。
よって、
が大切です。
この色分けができていると、サピックスオープンやマンスリー・組分け実力テストなど、「範囲無制限」のテスト前に何を勉強すればよいか、おのずと見えてきます。
(6年生2学期からは、マンスリーも範囲無制限の実力テストになります)
夏期講習は、非常にハードです。
無理せず、あきらめず、上で述べたような「次につながる確実な手」を打っておきましょう。