海城2018年第1回算数は、ほぼ例年通りの出題傾向。難易度は、やや難し目でした。
順に見ていきましょう。
大問1
(1)「計算問題」
0.625=5/8です。
(2)「差集め算・基本」
(8+24)÷(16-12)=8人(答え)
(3)「おまけ算」
①40個買います。
40÷6=6あまり4。
(6+1)×6+4=46個(答え)
②108÷7=15あまり3。
6×15+3=93個。
930円(答え)
(4)「ベンツ切り」
①
三角形ABP:三角形ACP
=BE:EC=3:2(答え)
②
三角形ABPの面積と、三角形ACPの面積を、それぞれ3、2と置いて、小さい三角形の面積を表していきます。
くわしくは、授業で説明します。
大問2「速さと比」
(1)
AからBまでの道のりを3とすると、花子さんは5の道のりを、一郎君は3の道のりを進むことになります。
速さの比は、花子:一郎=4:3。
よって、時間の比は5/4:3/3=5:4。
この差の1が14分にあたるので、一郎君は14×4=56分かかりました。
90×56=5040m(答え)
(2)ここまでわかれば、海城の受験生にとっては、計算問題でしょう。
大問3「数の性質」
(1)
1/1+1/2+1/3+1/4+1/6+1/12
=(12+6+4+3+2+1)/12
=28/12
=7/3(2と3分の1)
(2)
(1)から、(約数の和)÷(X)=(約数の逆数の和)ということが、わかります。
6552/X=13/4より、X=2016(答え)
(3)
(108+Y)÷Y=2と5分の4
108÷Y+Y÷Y=14/5
108/Y+1=14/5
108/Y=9/5
Y=60(答え)
大問4「平面図形」
(1)円Pと円Qが接している点をS、QCが円Pと交わる点をTとします。
角CQS=45度。円Qの弧CSは中心角45度分なので、円Pにとっては、中心角90度分にあたります。
つまり、点Sは点Aと一致します。点Tは点Bと一致します。
(2)三角形PQTはPQ=PTの二等辺三角形なので、角SPT=角SQC×2の関係が成り立ちます。
したがって、点Bと点Tは一致します。
三角形PQBは正三角形になるので、60度(答え)。
(3)点Bは常にCQを含む円Qの直径上を移動するので、2×2×2=8cm(答え)
大問4の(2)(3)は、高校級の軌跡問題です。小学生には超難問です。
大問5「場合の数」
(1)
1番上(北)の橋を通って姫の所へ行き、帰りは、その橋を通らないで、お城へ帰る場合。
4通り(行き)×31通り(帰り)=124通り。
以下、同様。
2番目の橋を通る場合。
9通り×26通り=234通り。
3番目の橋を通る場合。
9×26=234通り。
4番目の橋を通る場合。
9×26=234通り。
5番目の橋を通る場合。
4×31=124通り
合計124×2+234×3=950通り(答え)
(2)
勇者がAに着くとき、そこには魔王がいます。
勇者がBに着くとき、そこには、魔王がいます。
結局、勇者は、Bを通らず、Cから姫の所へ行くしかありません。21通り。
帰りは…
勇者がCへ行くと、そこには魔王がいます。
よって、Aに行くしかありません。
勇者がAからBへ向かうと、途中で魔王に出会います。
よって、Aから西へ進むしかありません。
そこからお城までは、35通り。
21×35=735通り(答え)
大問6「立体図形」
(1)三角形の相似(砂時計)を利用した基本問題です。
(2)方針としては、立方体全体から、2つの三角すいBAFMとCBGNの体積を引けばよいのですが、このままだと、両者の重なり部分を引き過ぎてしまいます。
そこで、重なり部分を加えて調整します。
FMとBGの交点をQとすると、重なり部分は、三角すいPBMQになります。
PBMを底面と考えると、高さは4cmになります。(三角形QBMと三角形QGFが相似で、相似比は1:2だから)
学校公表の受験者平均点は、120点満点で、68.4点(57%)。合格者平均点は、83.2点(約69%)。
海城中学の算数としては、標準的な年でした。
難しかったのは、大問3(3)、大問4(2)(3)、大問5(1)(2)です。
これらをすべて落としても、合格者平均点をわずかに上回ると、推定されます。
逆に言うと、これら以外の問題は、多くの合格者が正解しているということです。
やはり、受験生のレベルは、相当に高いといえます。
対策としては、中学受験・算数の定番問題について、穴を作らないよう、万全の準備をすることです。
これだけで合格できるはずですが、多少、穴ができてしまうのは、やむを得ないところですし、多少のミスも仕方がないでしょう。
そこで、難問も少しはできた方が、安心です。
難問対策としては、見かけの難しさに圧倒されないことです。
大問4(3)のように、小学生の手に負えない難問は仕方がありませんが、たとえば、大問5は、見かけほど難しくありません。
勇者の動くことのできる方向について、「行きは北か東のみ」「帰りは南か西のみ」という条件があり、いかにも難しそうですが、確認すると、要するに、「最短距離」。いつもの道順の問題です。
「橋は1度通るとこわれてしまう」というのも、「行きに通った橋は、帰りは通れません」といっているだけで、これもよくある問題です。
(2)では、魔王がABCを動き、いかにも複雑そうに見えますが、確認すると、要するに、勇者は、Cから入って、Aから出るしかない、ということ。かえって場合分けの手間が省け、易しくなっています。
見かけの難しさ、目新しさに惑わされず、算数的な意味に翻訳していけば、いつもの問題とよく似ている、ということに気づくでしょう。
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