目次 |
「傾向」 |
1、概要 |
(1)出題分野 |
(2)難易度 |
2、各論(大問1~6) |
「対策」 |
(1)出題分野
本年度は、「割合」「平面図形」「数の性質」「速さ」を中心に出題されています。
(2)難易度
標準レベルの問題から、相当な難問まで、はば広く出題されています。
問題は、必ずしも易しい順に並んでいるわけではありません。
大問1、大問2は、標準的な問題ですが、大問3がかなりの難問。大問5も簡単ではありません。
その一方で、最後の大問6は、再び標準的な問題です。
なかなか一筋縄ではいかない構成となっています。
「出題分野&難易度マップ」を掲載致します。(難易度は、レッツ算数教室の分析によります)
Aが最も易しく、BCDEの順に難しくなっていきます。
出題分野&難易度マップ | ||
大問1 | ||
(1) | 計算問題 | A |
(2) | 計算問題 | B |
(3) | 計算問題 | A |
大問2 | ||
(1) | 数の性質 | C |
(2) | 数の性質 | B |
(3) | 立体図形 | B |
(4) | 平面図形 | B |
(5) | 割合 | C |
大問3 | ||
(1) | 割合・仕事算 | D |
(2) | 割合・仕事算 | E |
(3) | 割合・仕事算 | E |
大問4 | ||
(1) | 平面図形 | C |
(2) | 平面図形 | C |
(3) | 平面図形 | C |
大問5 | ||
(1) | 約束記号・数の性質 | A |
(2) | 約束記号・数の性質 | C |
(3) | 約束記号・数の性質 | D |
大問6 | ||
(1) | 速さと比・流水算 | C |
(2) | 速さと比・流水算 | C |
(3) | 速さと比・流水算 | C |
それでは、順に見ていきましょう。
大問1「計算問題」
(1)0.875=7/8は、必須知識です。
(2)2019の倍数が並んでいることに気づくと、計算の工夫ができます。
このあたりからも、かなりレベルの高い問題が出題されそうな予感がしますね。(この予感は、大問3で的中します)
です。よって、
与式
=2019×(42+109×5-109×3+105×2-105×4)
=2019×(42+109×2-105×2)
=2019×(4×2+42)
=2019×50
=100950(答)
109と105についても、分配法則を適用しています。
大問2(1)「数の性質」
一の位から0が並ぶということは、くり返し10で割り切れるということです。
すなわち素因数としての2と5のペアがあるということです。
ペアを作るにあたっては、5の方が不足していますから、5が何個あるか数えればよいことになります。
5の倍数ごとに1個、25の倍数ごとに、更に1個あります。
100÷5=20、100÷25=4、20+4=24個(答)
大問2(2)「数の性質」
2,3,5の最小公倍数までに、いずれでも割り切れない整数は、1,7,11,13,17,19,23,29の8個。
200÷30=6あまり20
8×6=48個
これに周期の最初の6個を加えるから、54個。
逆に、割り切れるのは、200-54=146個(答)
大問2(3)「立体図形」
向かい合う高さの平均が4cmだから、合計は8cm。
8-2=6cm(答)
大問2(4)「平面図形」
120:200=□:515
よって、515×3/5=309cm(答)
大問2(5)「割合」
残金が1/6から2倍の1/3になった、すなわち、商品は1/6分安くなった。
1/6÷2/3=0.25=25%(答)
大問3「割合・仕事算」
(1)A8+B2=B8+A4
よって、A4=B6、A:B=3:2(答)
(2)最終日、2時間の作業中に組み立てられる製品の個数は4個。4時間の作業中に組み立てられる製品の個数は8個。
差は4個。つまり、A2よりB4の方が4個多い。
A=③、B=②とすると、
③×2+4=②×4
⑥+4=⑧
よって、①=2、③=6個(答)
(3)396+16×7-100=408
408÷(8×7)=7.285……
問題文より、正解が1通りであることが明らかなので、7.2未満の最大の整数である7(答え)
大問4「平面図形」
(1)角ABD=角EBD=角EDB
(なぜならば、折り曲げと錯角)
よって、三角形EBDはEB=EDの二等辺三角形であり、DE=BE=AB=3cm。
よって、四角形ABEDはひし形。
よって、AD=BE=3cm(答)
(2)三角形CDFと三角形CABは相似で、相似比は2:5
よって、DF=3×2/5=1.2cm(答)
(3)FC=4×2/5=1.6cm、BF=4-1.6=2.4cm
1.2×1.6÷2+3×2.4÷2=4.56㎠(答)
大問5「約束記号・数の性質」
(1)1×2×3×4×5×6=720(答)
(2)100=2×2×5×5なので、連続する3つの整数の中に、素因数としての2が2個、5が2個、含まれている必要があります。
5は5の倍数の中にしか含まれないので、1つの整数に2個含まれる必要があり、すなわち25の倍数付近を探すことになります。
試しに23×24×25を考えると、24に素因数としての2が2個含まれていて、うまくいきます。
23(答)
(3)今度は素因数としての5が4個含まれていなければなりません。
ただし、連続する6個の整数なので、1つの整数に4個含まれている必要はなく、最初と最後が5の倍数の場合もOKです。
5×5×5=125の付近で探すと、C=120が見つかります。
120(答)
大問6「速さと比・流水算」
上りと下りの時間の比が3:1より、速さの比は1:3、静水時の速さは(1+3)÷2=2
これが時速10kmにあたるので、上りは時速5km、下りは時速15km、川の流速は時速5kmとわかります。
(1)15×2=30km(答)
(2)本来は2時間かかります。
ところが、荷物の積み直し時間を引くと、5時間ー36分=4時間24分かかりました。
差の2時間24分が、往復分の合計時間。
これを上りと下りで3:1で比例配分すると、144分×1/4=36分(下り)
15×36/60=9km(答)
(3)10÷15=2/3時間=40分
上りの静水時の速さは9割すなわち時速9kmなので、上りの時速は9-5=4km
10÷4=2.5時間=2時間30分
1:00+0:40+2:30=4:10(答)
・大問1(2)について
10095が2019の倍数であることに、ピンとくるには、どうすればよいでしょうか?
手がかりは、下2けたです。
19×5=95は、何度か計算しているうちに、覚えてしまう人もいるでしょう。
無理に暗記しなさいとは言いません。
19×5=(10+9)×5=50+45=95を何度もなぞっているうちに、高速で計算できるようになり、暗記したのと同じスピードで計算できるようになります。
もし、ここでピンとこなくても、4038を見たときに2019の2倍であることに気づけば、さかのぼって、10095や6057についても、2019の倍数になっていないか、確認してみようというアイデアが思い浮かぶでしょう。
計算の工夫は、日頃から、このような視点で問題を解いているかどうかにかかっています。
本番だけ実行しようとしても、工夫の仕方を考えるのに時間がかかってしまい、本末転倒の結果となります。
・大問4について
中学受験・算数の問題では、中学校の数学ほど厳密な証明は求められません。
図形の合同、相似などは、だいたいの見た目で解いても、多くの場合大丈夫です。
そこで、大問4の四角形ABEDが平行四辺形となること(従って、ひし形となること)も、何となく見た目で判断しても、結果的には大丈夫です。
でも……
やはり、平行四辺形の成立条件ぐらいは、簡単なのでマスターしておくべきではないでしょうか?
本問では、次の条件を満たしているので、平行四辺形と言えます。
「1組の向かい合う辺が平行かつ、長さが等しい」