東洋英和女学院中学の算数は、例年、大問9~10問ほどで、構成されています。小問単位で数えると、2018年度Aは、24問におよびます。出題数が非常に多い点に、特徴があります。
大問1は、計算問題が3問。それほど手間ではありません。
大問2は、様々な分野からの小問群。
大問3以降は、それぞれテーマをもった応用問題が並んでいます。
1、頻出分野について
問題数が多いため、出題分野も広くなっています。「平面図形」「立体図形」「速さ」「割合」「文章題」「場合の数」「規則性」「数の性質」「論理パズル」「グラフ読み取り」など、ほとんど全部です。
2、難易度について
全体的に、標準的な問題が多くを占めていますが、少数ながら、難問も出題されています。
大問1から順に見ていきましょう。
大問1は、計算問題。それほど手間ではなく、ウオーミングアップには、ちょうど良いでしょう。
大問2の小問群も、易しい問題が並んでいます。このような場合、1問だけ難問を混ぜて、受験生に精神的な揺さぶりをかける学校が多いのですが、そのようなことは、しない方針のようです。
大問3以降も、おおむね易しい問題が並んでいますが、途中、大問6あたりに、その年で最も難しい問題が配置されることが、多いようです。
その後は、グラフ読み取りや、手間のかかる問題、場合分けの必要な問題など、終盤にかけて、さすがに骨のある問題が出題されています。
大問6あたりの難問を除けば、だいたい易しい順に並んでいます。
大問3あたりの「面積を求める問題」は、毎年、いかにも「さんすう」という感じの、楽しい図柄が出題されています。
2017年Aは「ぼうしをかぶった小鳥さん」、2018年Aは「お目目ぱっちりの象さん」でした。
このあたりに、先生方のお考えが、よく表れているように思われます。
仮に算数の苦手な生徒さんであっても、威圧することなく、優しく、教え導いて下さることでしょう。
過去問の検討が、きわめて有効です。
序盤から中盤にかけて、易しい問題が並び、真ん中に、その年の最も難しい問題があり、その後は、少しずつ難しく、手間のかかる問題へ移っていきます。
そのような流れ、呼吸のようなものは、毎年受け継がれているので、過去問でペースをつかんでおくと、効果的です。
また、過去問と非常によく似た問題も、出題されます。
は、相当算。ほぼ、数字替え問題です。
2016年では、大問扱いで、配点も高かったものが、2017年では、小問扱いになっていますが。
も、数字替え問題。先ほどの、「小鳥さん」「象さん」です。
も、「進行グラフ」と「注水グラフ」の違いはありますが、グラフの縦軸が「差」になっている点が共通で、過去問を検討していた受験生が、有利です。
も、数字替え問題といってよいでしょう。いずれも、体積を求める問題で、「易しいけれども少々手間」という点まで、同じです。
以上、東洋英和・対策として、過去問の有効性を述べてきました。
あとは、「ミスしないこと」が大切です。
東洋英和では、何しろ問題数が多く、かなりのハイペースで解き進める必要があります。しかも、論理的に難しい問題よりも、手間がかかり、ミスしやすい問題の方が、配点の多くを占めているからです。
そのためには、日ごろから、「エラーノート」を作り、自分がミスしたことを、メモしておくとよいでしょう。
ある程度書きためたら、自分でミスするパターンを分析したり、先生にみてもらったりして、対策を立てるとよいでしょう。