目次 |
「傾向」 |
1、概要 |
(1)出題分野 |
(2)難易度 |
2、各論(大問1~4) |
「対策」 |
(1)出題分野
本年度は、「平面図形」「規則性」「速さ・時計算」「速さ・流水算」「論理パズル」から出題されています。
「速さ」が大問2問分を占め、配点的に重視されています。
また、問題文の微妙な言い回しについて、正確に把握する力が試されています。(大問1(3)、大問2(2)、大問4(2))
詳細は、「各論」の解説の中で、ご説明します。
(2)難易度
大問1~3は、基本的な問題で、あとはミスしないだけの競争です。
大問4「論理パズル」は難問です。問題文が何を言っているのか、題意の把握だけでも、かなり難しいと思われます。
題意が把握できても、そこには「図形パズル」「場合分け」「不定形のつるかめ算」「計算力」などの要素が混在しています。
これは、従来の出題分野・分類表では分類が難しい、最新傾向問題です。
出題分野&難易度マップを掲載致します。(難易度は、レッツ算数教室の分析によります)
Aが最も易しく、BCDEの順に難しくなっていきます。
出題分野&難易度マップ | ||
大問1 | ||
(1) | 計算問題 | A |
(2)① | 平面図形 | C |
(2)② | 平面図形 | C |
(3)① | 規則性・数列 | C |
(3)② | 規則性・数列 | D |
大問2 | ||
(1) | 速さ・時計算 | B |
(2) | 速さ・時計算 | C |
大問3 | ||
(1) | 速さ・流水算 | C |
(2) | 速さ・流水算 | C |
(3) | 速さ・流水算 | D |
大問4 | ||
(1)① | 論理パズル | C |
(1)② | 論理パズル | C |
(2)① | 論理パズル | E |
(2)② | 論理パズル | E |
それでは、順に見ていきましょう。
大問1(1)「計算問題」
ウオーミングアップ問題です。
0.375=3/8は、必須知識です。
大問1(2)「平面図形」
①
30度回転です。
8×2×3.14×30/360=4と14/75(答)
②
正六角形ARBPCQが1回転するのと同じことです。
4×6=24(答)
大問1(3)「規則性・数列」
①
よって、エ=(24-2)÷2=11(答)
②
同じ要領です。
オ | カ | |
1 つ目 | 1 | 0 |
2つ目 | 0 | 1 |
3つ目 | 1 | 1 |
4つ目 | 1 | 2 |
5つ目 | 2 | 3 |
6つ目 | 3 | 5 |
7つ目 | 5 | 8 |
8つ目 | 8 | 13 |
フィボナッチ数列です。
オ×8+カ×13=160
(オ、カ)=(20、0)(7、8)
不定形のつるかめ算なので、組み合わせが複数あります。
ここで、「2つ目は1つ目より大きい整数」という条件から、オ=7、カ=8(答)
大問2「速さ・時計算」
(1)
360÷(6-0.5)=720/11=65と5/11
よって、1時5と5/11分(答)
(2)
11時台以外は、1時間に1回重なります。
(11時台は、重なったと思った瞬間に、12時台になります)
よって、0時から24時直前までに、24-2=22回重なります。
ただし、本問では、「0時を過ぎてから」なので、さらに1引いて21回(答)
「過ぎてから」「なる前」という言い回しに注意しましょう。
大問3「速さ・流水算」
(1)
静水時の速さが川の速さの4倍ということは、上り3、静水時4、下り5になります。
25-5=20分で5000m下ったので、下りの速さは
5000÷20=250m/分
これが5にあたります。よって、静水時の速さは
250÷5×4=200m/分(答)
(2)
上りの速さは、250÷5×3=150m/分
出会い算に持ち込むためには、移動時間が等しくなければなりません。
よって、PがBでとまっていた5分の間に、Qが進んだ距離を、除いておきます。
5000-150×5=4250
4250÷(150+250)=85/8
250×85/8=2656と1/4m(答)
(3)
「Pはちょうど出発するところ」とあります。
出会い算に持ち込むためには、移動時間が等しくなければなりません。
よって、PがBではなく、Cで、さらに5分とまっていたことにします。
これにより、「PQは、同時に、Bに着きました」という問題に、改造できます。
5000÷150+5+5=130/3分後……QがAを出発
20+5+5+5=35分後……PがCを出発したと仮定
150×(130/3-35)=1250
5000-1250=3750……QがAを出発した時の、PQの距離
これを150:250=3:5に比例配分すると
3750÷(3+5)×5=2343.75m(答)
大問4「論理パズル」
(1)① ②
(2)①
問題文に「(1)と同じように」とあるため、円を正方形的に並べることをイメージすると、間違えます。
円は接していればよく、正三角形的に並べる方が、より、接する数が多くなります。
4個ならば、ひし形的に並べます。
このとき、10個の円柱、または円すいを積みます。
円柱1個の体積は3×3×3.14×3=84.78㎤
円すい1個の体積は3×3×3.14×3×1/3=28.26㎤
円柱が9個以上だと、750㎤を越えるので、円柱8個、円すい2個、体積734.76㎤(答)
(2)②
円すいは最大4個しか積めません。
よって、円すいの個数は4個です。
この時、円柱が最大6個。
合わせて、体積は621.72㎤(最大)
さて、最小の場合、円柱は最低何個必要でしょうか?
350-28.26×4=236.96
236.96÷84.78=2あまり67.4
よって、円柱は最低3個必要です。
ところで、円柱と円すいの個数合計が奇数個になることは、あり得ません。
なぜならば、ある円と他の円が接すると、ある円にとって1回、他の円にとっても1回、接したことになり、合計2回とカウントされるからです。
よって、円すいが4個なら、円柱は、最低4個、合計8個です。
そのような底面は、円を正方形的、すなわち田んぼの「田」の字に並べた時に達成できます。
並べ方は他にもありますが、とりあえず1種類見つかれば、OKです。
よって、円すい4個、円柱4個で、体積は452.16㎤(最小)
・例年通り、計算が大変です。
特に、大問3、大問4は、小数、分数の山で、正解しても自信が持てないかもしれません。
分数は、仮分数のまま計算して、最後に帯分数化するなど、工夫しましょう。
また、大問4(2)では、350と750の方を3.14で割り、円柱、円すいの体積は3.14倍を省略する、という手法も考えられます。
かけたり、足したりするのは、円柱、円すいの体積ですから、この方が効率的です。
本問では、効率化の効果はイマイチですが、今後に向けて、一つのアイデアです。
・「各論」の解説中で指摘した、「条件を表す微妙な言い回し」については、十分に確認しておきましょう。
今後も、同様な言い回しの出題可能性
があります。
・大問4は、ほとんど見たことがない問題のようでもあり、どこかで見たことがある問題のようでもあります。
どうすれば、このような問題に対処できるのでしょうか?
たとえば、次のような問題を見たことがあるかと思います。
「面積が一定の時、周囲の長さが最小の図形は円。最小の長方形は正方形」
「体積が一定の時、表面積が最小の図形は球。最小の直方体は立方体」
などです。
なるべく1つにギュッとまとまっている方が、外側が小さくなる➡内側で接している部分が増える
細長く伸びれば伸びるほど、外側が大きくなる➡内側で接している部分が減る
という連想が働くと、解法の糸口が見つかるでしょう。
算数では、単に解法を理解するだけでは不十分です。
解法の背後にある作戦、発想法まで、おさえておきましょう。
レッツ算数教室では、この「背後の作戦」「算数の発想法」を重視した授業を行っています。
算数の発想法については、当ホームページ内「算数の成績を上げるには?」の中で、更にくわしく、ご説明しています。
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