目次 |
「傾向」 |
1、概要 |
(1)入試結果 |
(2)出題分野 |
(3)難易度 |
2、各論(大問1~5) |
「対策」 |
(1)入試結果
白百合中学2021年・算数は、高得点の結果となりました。
受験者平均点 | 合格者平均点 | |
2021年 | 75.0 | 87.8 |
2020年 | 54.4 | 69.8 |
2019年 | 47.0 | 57.8 |
(白百合中学ホームページより引用・算数100点満点)
もともと得点上昇中でしたが、2021年は、社会状況に配慮して、難度控え目にしたことも加わっていると推察します。
(2)出題分野
「平面図形」「速さ」「分配算」「数の性質」から出題されています。
とりわけ「平面図形」は、大問を2問あてて、念入りに出題しています。
1問は、ほどほどの難度で、もう1問は難問という構成です。
勉強が極度に制限された状況で、小学生に求める最小限のテーマは、「平面図形」と「速さ」である、というのが、白百合中学の見解であると思われます。
(3)難易度
「入試結果」で述べた通り、かなり易し目の出題です。
大問1~4までは、それほど苦労しないで、正解できた受験生が多かったと思われます。
大問5の(1)は、理論的には難問ですが、見た目で解いても正解できる可能性が高く、正答率は結構高かったでしょう。
合格者の多くは、大問5(2)だけ不正解、それ以外は満点で、結果として合格者平均点87.8点だったと推察します。
「出題分野&難易度マップ」を掲載致します。(難易度はレッツ算数教室の分析によります)
Aが最も易しく、BCDEの順に難しくなっていきます。
出題分野&難易度マップ | ||
大問1 | ||
(1) | 速さと比 | C |
(2) | 速さと比 | C |
大問2 | 分配算 | C |
大問3 | ||
(1) | 平面図形 | D |
(2) | 平面図形 | D |
大問4 | ||
(1) | 数の性質 | C |
(2) | 数の性質・場合の数 | D |
大問5 | ||
(1) | 平面図形 | E |
(2) | 平面図形 | E |
それでは、順に見ていきましょう。
大問1「速さと比」
(1)姉が3500m歩く間に、妹は2800m歩きます。よって、5:4(答)
(2)姉は2900m歩くのに5×4=20分かかります。
2900÷20=145m/分(答)
大問2「分配算」
全体を⑯とします。
黄=⑤、赤=④ー3、青=②、緑=④+12より、⑮+9=⑯、➀=9、⑯=144人(答)
大問3「平面図形」
(1)6.28÷3.14=2、2-6.28÷4=0.43、0.43÷2=0.215㎠(答)
(2)円C1とC2を囲む外接正方形の面積を比べると、2:1。よって、円C2はC1の1/2倍で3.14㎠(答)
大問4「数の性質」
(1)11,13,17,19,23,29,31,37,41,43,47(答)
(2)43×47は、最大値です。よって、(1)の全11個の中から、2個選んで作った積から、43×47の1通りを除きます。
11×10÷2-1=54通り(答)
大問5「平面図形」
長方形を折り返すと、二等辺三角形ができる、というのは、基礎知識です。(錯角を利用)
また、3つの角が30度、60度、90度の直角三角形の60度をはさむ2辺の長さの比は2:1。これも基礎知識です。
さらに、折り返す前後では、対応する辺の長さは等しく、対応する角の大きさも等しくなります。
この3つを次々と組み合わせていくと、いもづる式に求めることができます。
本年度は例外的に易しい問題の年でした。
次年度以降、従来の難易度に戻る可能性がありますので、過去問演習の際は、この点を考慮しましょう。
なお、問題が易しかった点を差し引いても、合格者平均点87.8は高いです。
合格者は、1問もミスしていないといってよいでしょう。
このように、高い注意力を持っていないと合格できない学校である、ということを肝に銘じて、ふだんの勉強に取り組みましょう。