目次 |
「傾向」 |
1、概要 |
(1)入試結果 |
(2)出題分野 |
(3)難易度 |
2、各論(大問1~6) |
「対策」 |
(1)入試結果
共立女子中2021年(2月1日)・算数は、例年通りでした。
学校公表の受験者平均点は、100点満点中、56.8点です。
受験者平均点 | |
2021年 | 56.8/100 |
2020年 | 51.6/100 |
(共立女子中学ホームページより引用)
(2)出題分野
「平面図形」「立体図形」「点の移動」「規則性」を中心に、「割合・比」「速さ」なども出題されています。
計算問題では、共立らしい「計算の工夫」が出題されています。
大問3・定規で長さを測る問題も、ただ測るのではなく、「工夫して」測るようになっています。(後述)
(3)難易度
序盤(大問1、2)は基本的、中盤(大問3~5)は標準的、終盤(大問6)は発展的な問題です。
ほぼ易しい順なので、順番通り解き進めていくのが良いでしょう。
「出題分野&難易度マップ」を掲載致します。(難易度はレッツ算数教室の分析によります)
Aが最も易しく、BCDEの順に難しくなっていきます。
出題分野&難易度マップ | ||
大問1 | ||
① | 計算問題 | A |
② | 計算問題 | A |
③ | 計算の工夫 | B |
大問2 | ||
① | 計算の工夫 | B |
② | 割合・食塩水 | B |
③ | 立体図形・相似 | C |
④ | 速さ・比 | C |
⑤ | 速さ・時計算 | C |
⑥ | 割合・売買算 | B |
大問3 | 平面図形 | D |
大問4 | ||
① | 点の移動・立体図形 | B |
② | 点の移動・立体図形 | C |
③ | 点の移動・立体図形 | C |
④ | 点の移動・立体図形 | D |
大問5 | ||
① | 立体図形 | B |
② | 立体図形 | B |
③ | 立体図形 | C |
大問6 | ||
① | 規則性 | C |
② | 規則性 | C |
③ | 規則性 | D |
④ | 規則性 | E |
それでは、順に見ていきましょう。
大問1「計算問題・計算の工夫」
①②
0.125=1/8、0.375=3/8など、0.125の倍数は、必須知識です。
③
042という数字の並びが、各項で共通です。
4.2×(0.96-0.05+1.09)=4.2×2=8.4(答)
大問2①「計算の工夫」
51=17×3、28=7×4、などを利用して、上手に約分しましょう。
大問2②「割合・食塩水」
12-10:10-7=2:3 90÷2×3=135g(答)
大問2③「立体図形・相似」
相似比が1:2:3ならば、体積比は1:8:27です。
よって、(8-1)/(27-8)=7/19倍(答)
大問2④「速さ・比」
共ー立:共+立=2:7
よって、共:立=9:5
5が分速100mなので9は分速180m(答)
大問2⑤「速さ・時計算」
1分間に回る角度は、長針6度、短針0.25度。
現在は長針が45度うしろ。
よって、(45+90)/(6-0.25)=23と11/23分後(答)
大問2⑥「割合・売買算」
1.2×0.8=0.8×1.2=0.96<1
よって、Aの売上金が最も多い(ウ)
大問3「平面図形」
真ん中に正三角形、その各辺上に長方形、各頂点上に中心角120度のおうぎ形が組み合わさっています。
そこから円6個を引けば、影をつけた部分の面積です。
円の半径と、正三角形の高さを求めることができれば、後は計算するだけです。
工夫!
半径を最も正確に求めるには、正三角形の1辺を4で割るのがベストです。(半径1つ分や2つ分を測るよりも、誤差が小さくなります)
大問4「点の移動・立体図形」
① EFは、四角すいの体積が最大になったときの「高さ」を示しています。
②グラフが水平になっているのは、四角すいの体積が一定、すなわち、四角すいの高さが一定であることを、示しています。
この間、点PはFG上を移動しています。
③点Pの速さは、2倍、4倍になりますから、かかる時間は1/2倍、1/4倍になります。
5+2.5+1.25=8.75(答)
④進行グラフ上で、三角形の相似を利用します。
7.5+1.25÷5×3=8.25(答)
大問5「立体図形」
①②は基本問題です。
③の側面を展開図にすると長方形で、たて9cm、横は半径4cmの円の円周に等しくなります。
大問6「規則性」
各グループ内の整数の個数は、1,1,3,3,5,5,7,7……
①
1+1+3+3+5+5+7+2=27
よって、第8グループ2番目(答)
②
第10グループまでの個数は(1+3+5+7+9)×2=50
50+11+6=67(答)
③
第7グループは(19~25)、第8グループは(26~32)
第8グループの和ー第7グループの和
=第8グループの平均×7ー第7グループの平均×7
=(第8グループの平均ー第7グループの平均)×7
=(第8グループの真ん中ー第7グループの真ん中)
=7×7=49(答)
④
③の結果を利用します。
③において、第7グループも、第8グループも、グループ内の整数の個数は7個なので、第8グループの平均(真ん中の数)から第7グループの平均(真ん中の数)を引くと、差は7になります。
差の7と、グループ内の整数の個数7とが一致しているのは、偶然ではないわけです。
④においても、第「あ+1」グループの平均から、第「あ」グループの平均を引くと、「あ」になります。
あ×あ=121、あ=11(答)
計算の工夫(大問1)や、測定の工夫(大問2)など、ちょっとした工夫をすることで、効率を上げることができる問題が、多数出題されています。
様々な問題について、ただ解ければいい、ではなく、より効率的な解法を追究する姿勢が、合格への近道です。
たとえば、大問6④は、③をヒントにして、効率的に解くことができます。
大問6をお手本にして、共立女子中学の先生方が考えておられる「工夫の仕方」を学ぶこともできます。