慶應普通部2019年算数は、ほぼ例年通りの出題傾向、難易度でした。
計算問題では工夫が求められ、平面図形はユニーク、立体図形も、立体切断や、展開図が出題されました。
制限時間40分にしては、質、量ともかなりハードな内容でした。
順に見ていきましょう。
大問1「計算問題」
①ウオーミングアップ問題です。
②「計算の工夫」
3÷0.0375は、筆算でそのまま割っても解けますが、工夫しましょう。
0.375=3/8(8分の3)を利用します。
0.0375=3/80です。
これにより、3÷0.0375=80が暗算でも一発で求められます。
また、左辺の( )内の分数は、通分してもよいですが、右辺の4038も気になるところです。
673の1の位が3で、6倍すると3×6=
18となり、4038の1の位「8」と一致します。
そこで、試しに673×6を計算すると、4038になります。
4038は各位の数の和が15で、3の倍数でもあるので、結局、両辺を4038倍すると、分数が消えます。
(1346-6)÷10=80+□
134=80+□
□=54(答え)
大問2「数の性質」
「13でわっても17でわってもわりきれます」ということは、13と17の公倍数ということです。
13と17の最小公倍数は221。
□△67の1の位は7なので、221×7=1547、221×17=3757…と順に試していくと、221×27=5967(答え)
大問3「割合(食塩水)」
濃さが10%の食塩水A200gと、濃さのわからない食塩水B100gを混ぜたところ、濃さは9%になった、ということから、
(300×9-200×10)÷100=7%…Bの濃さ
濃さが7%の食塩水B250gと、濃さのわからない食塩水C200gを混ぜたところ、濃さは8.2%になった、ということから、
(450×8.2-250×7)÷200=9.7%…Cの濃さ(答え)
大問4「速さと比」
①2÷3=2/3時間=40分…A君が行きにかかった時間。
1÷5=1/5時間=12分…A君が帰りのちょうど真ん中の地点にきたときの時間。
40+20+12=72分=1時間12分後(答え)
②B君が展望台を出て、帰り道のちょうど真ん中に来るまでの時間を1とすると、行きにかかった時間は、4×2=8。
72-16-20=36分が9にあたるので、8にあたるのは36÷9×8=32分…B君の行きにかかった時間。
2÷32×60=3.75km/時(答え)
大問5「場合の数(図形)」
①たて方向の線を、3本のうちから2本選ぶ方法は、3通り。
横方向の線を、2本のうちから1本選ぶ方法は、2通り。
よって、3×2=6個(答え)
②①と同じ解き方をしようとすると、ややこしくなって、うまくいきません。
そこで、最も小さい1つ1つの三角形を
に分けて数えます。
それぞれ、6個、3個、6個、1個あるので、全部で16個(答え)
大問6「平面図形」
①「面積」
60×45÷75=36㎠(答え)
②「三角形の相似」
Eを通り、ADに垂直な線を引きます。AD、BCとの交点をG、H、とします。
①より、EG=36cm。
また、三角形AEGは、三角形ADEと相似なので、EG:GA=DE:EA=45:60=3:4。
よって、AG=36÷3×4=48cm。
よって、BH=48cm。
三角形BHEは、三角形BFCと相似なので、BH:HE=BF:FC=72:21=24:7。
よって、HE=48÷24×7=14cm。
よって、AB=GH=GE+EH=36+14=50cm(答え)
大問7「立体図形(切断)」
①
12-(12-9)÷3×2=10cm(答え)
②
3×2÷2×6÷3×26=156㎤(答え)
立体切断では、三角形の相似を利用します。
切断後の三角すい台の体積では、相似比と体積比の関係を利用します。
いずれも、授業でくわしく説明します。
大問8「場合の数」
1回サイコロをふると、目の出方は6通りあります。
3回ふると、6×6×6=216通りの目の出方があります。
全部試すのは、とても手間がかかります。
そこで、どうやって、調べる必要のある部分だけを、要領よくしぼりこむか?という工夫が問題となります。
まず、1回ふったとき、どこに移動するかを調べます。
次。最後にGに移動するには、2回ふり終わったとき、どこにいればよいか、調べます。
です。
あとは、ACDFからACEへ移動する方法を調べます。
よって、
1×1+1×1+2×2+1×1+1×2+2×1+2×1+2×1=15通り(答え)
大問9「立体図形(展開図)」
三角形、四角形、円の影それぞれが、2個ずつあるため、アイウエの影がどちらの影なのか、わかりづらくなっています。
難問です。
ここは、展開図を自分に都合よく改造するテクニックを使います。(授業でくわしく説明します)
大問6②、大問8、大問9などは、難しい問題でした。
大問1②、大問2、大問4②なども、それなりに難しいです。
その一方で、大問3、大問4①、大問6①などは、4、5年生の基本問題ともいえます。
制限時間が40分と短いので、解きやすい問題からどんどん解き、解けない問題があっても、あとに引きずらない精神力が必要です。
問題の解き方については、2つの傾向があります。
一つ目。
大問3(食塩水問題)や、大問4(速さ)の問題では、問題文に書かれている時間的順序に従って式を立てていけば、そのまま解けます。
前半の問題なので、易しいわけです。
二つ目。
大問8(場合の数)は、時間的順序に従って数えていくと、場合分けが膨大に膨れ上がってしまい、手に負えません。
上手に後ろから回り込む解き方が必要になります。
どちらにも対応できるように準備しておきましょう。
また、大問9の展開図については、慶應普通部2015年(平成27年)大問10と共通のテクニックが使えます。
やはり、過去問の検討は重要です。
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