目次 |
「傾向」 |
1、概要 |
(1)出題分野 |
(2)難易度 |
2、各論(大問1~5) |
「対策」 |
(1)出題分野
「速さと比」「平面図形」「立体図形」を中心に、「数の性質」「割合」「場合の数」なども出題されています。
本年度は、特に図形重視、作図重視の出題になっています。
(2)難易度
前半は、計算問題も多く、基本的ですが、後半はかなり難しい問題が出題されています。
大問4、5ともに、普段解き慣れていない問題で、特に大問5(2)②は、超難問といってよいでしょう。
「出題分野&難易度マップ」を掲載致します。(難易度はレッツ算数教室の分析によります)
Aが最も易しく、BCDEの順に難しくなっていきます。
出題分野&難易度マップ | ||
大問1 | ||
(1) | 計算問題 | A |
(2) | 計算問題 | A |
(3) | 計算問題 | B |
(4) | 計算問題 | A |
大問2 | ||
(1) | 数の性質 | C |
(2) | 割合・相当算 | B |
(3) | 割合・仕事算 | B |
(4) | 場合の数 | D |
大問3 | ||
(1) | 速さ | C |
(2) | 速さ | D |
(3) | 速さ | D |
大問4 | ||
(1) | 平面図形 | B |
(2)① | 平面図形 | E |
(2)② | 平面図形 | E |
大問5 | ||
(1) | 平面図形 | B |
(2)① | 平面図形 | D |
(2)② | 立体図形 | F |
それでは、順に見ていきましょう。
大問1「計算問題」
(3)は、387の並びがありますから、小数点の位置を調整して、分配法則でまとめます。
(4)の0.875=7/8は、必須知識です。
大問2(1)「数の性質」
1の位に注目します。2になるのは、7×6=42だけです。
よって、37円を6個。(16個は無理)あとは、つるかめ算です。
大問2(2)「割合・相当算」
基本問題です。
大問2(3)「割合・仕事算」
基本問題です。
大問2(4)「場合の数」
一の位の4は「000」4~「201」4の202個。
十の位の4は「00」4「0」~「19」4「9」の200個。
百の位の4は「0」4「00」~「1」4「99」の200個。
合計602個(答)
大問3「速さ」
(1)時速30kmで進んだ時間を1とします。
往復の距離は30×1×2=60なので、往復にかかった時間は60÷40=1.5
よって、帰りは0.5
30÷0.5=毎時60km(答)
(2)P→家→学校の距離:P→学校の距離=60:5=12:1
よって、家→P:P→学校=(12-1)÷2:1=11:2(答)
(3)太郎君について、家→Pの時間:P→学校の時間=11/30:2/5=11:12
92分が11+12=23にあたるので、1が4分
家→Pは30×(44/60)=22km
P→学校は5×(48/60)=4km
22+4=26km(答)
大問4「平面図形」
おうぎ形の中心角が60度などとわかっていれば、計算しやすいでしょう。
でも、本問で中心角を具体的に求めようとすると、分母に3.14を含む分数になり、大変です。
でも、答えを求めるのに必要なのは、「おうぎ形が円のどれだけの割合か?」なので、それならば、5÷(10×3.14)=1/6.28としておけば十分です。
あとは、それぞれの問題で、分子に3.14が来て、うまく約分できます。
大問5「平面図形・立体図形」
(1)基本問題ですが、のちに重要な意味を持ってきます。
(2)①円を右へ6cm平行移動した円をかくと、それがQの通り道です。
真ん中に1辺6cmの正方形、両端に半円がついた形になります。
(2)②直角三角形PQRが動いてできた立体の見取り図をかこうとすると、ドツボにはまります。
最終的に高さ2cmの平面で切断するのであれば、最初から直角三角形PQRを下から2cmのところで切断しておき、この「底辺」を動かせば、同じことです。
そうすると、動いたあとは、中央に正三角形に図1の網目部分を2個つけ加えた図形が2個くり抜かれた図形になります。
ここで、(1)の出番となります。
科目ごとの受験者平均点、合格者平均点は公表されていないようですが、4教科合計の合格最低点は約6割です。
算数も6割得点するには、大問4、5の難しさから逆算して、大問3までを、ほぼ満点で乗り切る必要があります。
ここで問題なのが、大問2(4)です。
小粒ながら、なかなか手ごわい問題で、上手に解けるかどうかで、時間に大きな差がつきます。
これが、合否を分けた問題ではないかと推察します。
効率的な解法を「傾向」の各論中でご紹介しておきました。