目次 |
「傾向」 |
1、概要 |
(1)入試結果 |
(2)出題分野 |
(3)難易度 |
2、各論(大問1~5) |
「対策」 |
1、概要
(1)入試結果
浅野中2021年度・算数は、昨年に引き続き、長文でした。
学校公表の受験者平均点は、60.6%、
合格者平均点は71.2%でした。
(2)出題分野
「仕事算」「規則性」「数の性質(2進法)」「速さ・進行グラフ」「立体図形」が中心です。
小問として「過不足算」「植木算」「割合(食塩水)」「円周率の定義」「場合の数」「平面図形」など、広く出題されています。
全体的に、図面を使う問題が多く、それが試験問題のページ数を増やす要因にもなっています。
(3)難易度
大問4「速さ・進行グラフ」が難問ですが、それ以外は、中~中の上くらいのレベルの問題が、大部分を占めています。
図面が多く、ページ数が多くなっていて、初めは制限時間50分はきついのではないかと思いますが、解いてみると、それほど無茶ではありません。
「出題分野&難易度マップ」を掲載致します。(難易度はレッツ算数教室の分析によります)
Aが最も易しく、BCDEの順に難しくなっていきます。
出題分野&難易度マップ | ||
大問1 | ||
(1) | 計算問題 | A |
(2) | 過不足算・植木算 | C |
(3) | 割合・食塩水 | C |
(4) | 円周率の定義 | C |
(5) | 場合の数・数の性質 | D |
(6) | 平面図形・面積 | D |
大問2 | ||
(1) | 仕事算 | B |
(2) | 仕事算・規則性 | B |
(3) | 仕事算・規則性 | C |
大問3 | ||
(1) | 数の性質・2進法 | B |
(2) | 数の性質・2進法 | C |
(3) | 数の性質・2進法 | C |
(4) | 数の性質・2進法 | D |
大問4 | ||
(1) | 速さ・進行グラフ | B |
(2) | 速さ・進行グラフ | E |
(3) | 速さ・進行グラフ | E |
(4) | 速さ・進行グラフ | E |
大問5 | ||
(1) | 立体図形 | B |
(2) | 立体図形 | C |
(3) | 立体図形 | D |
(4) | 立体図形 | E |
それでは、順に見ていきましょう。
2、各論(大問1~5)
大問1
(1)「計算問題」
ウオーミングアップ問題です。
2021=43×47を利用します。
(2)「過不足算・植木算」
20m間隔のときも、すべて植えると、何mオーバーするか、計算します。
過不足の合計を、間隔の差で割れば、「間の個数」が求まります。
(3)「割合・食塩水」
砂糖水Aを、まとめて「A何g」と扱い、これに水105gを加えて、12%にすると考えます。
(4)「円周率の定義」
2000年頃、教育指導要領で円周率を3とした時、不都合を指摘する声があがりました。
それが、本問。円周率3では、円周の長さと、内接正六角形の周囲の長さが、等しくなってしまいます。
逆に、本問が、円周率が3より大きい理由になっています。
円周率が4より小さい理由も、考えてみると、力がつきます。(円に外接する正方形を考えます)
(5)「場合の数・数の性質」
4ケタの整数をABBAとおきます。
これが3の倍数になるには、A+B+B+A=(A+B)×2が3の倍数。
よって、A+Bが3の倍数。(Aは0を除くすべての数。Bは0も含むすべての数)
12、15、18……と書き出していきます。
11の倍数の方は、Aが0以外であれば、何でもOKです。なぜならば
ABBA=A×1001+B×110=A×11×91+B×11×10=11×(A×91+B×10)
つまり、ABBAの形そのものが、11の倍数になっているからです。
(6)「平面図形・面積」
回転の中心と、E、Fそれぞれを結び、180度回転させます。
半径がわからなくても、半径×半径がわかれば良いという問題で、ケがコのヒントになっています。
大問2「仕事算」
(1)は、AB、AC、BCと、それぞれが2回ずつ登場するので、すべて合計すれば、ABCの2倍がわかります。
(3)は、それぞれの周期を求め、その最小公倍数を1周期と考えますが、それが12日で、すなわち、(2)です。
(2)が(3)の準備になっているわけです。
周期からはずれる分は、根性で書き出して、微調整します。
大問3「数の性質・2進法」
(1)は、特に2進法を使わなくてもできます。サービス問題。
(2)は、2進法の仕組みから考えます。
たとえば、2進法で4ケタの数があるとします。AAAAとしましょう。
それぞれのAは、1か0です。
よって、AAAAとなるのは2×2×2×2=16通りあります。
よって、2進法の1111は16番目の数です。
ただし、これは、0000を1番目として、数えています。
よって、2進法の1111は10進法の15
この仕組みを使って考えると、(2)は256×2ー1=511と求められます。
(3)10進法の432を、2進法で表す問題。
逆向き割り算で求める、基本問題です。
(4)それぞれを10進法で表して、足し算して、その結果を再び2進法に直してもよいのですが、ここは、「2進法の足し算」に挑戦してみましょう。
ポイントは、
です。
011011111+001001101=100101100
大問4「速さ・進行グラフ」
(1)
A君の速さを①、電車の速さを④とします。
③÷(④ー①)=1分後
よって、3+1=4分後(答え)
(2)
ここから難しくなります。
グラフから、A君がQ駅にたどり着いたとき、電車はちょうどP駅➡Q駅➡P駅➡Q駅と、A君の3倍移動しています。
電車が片道にかかる時間を①分とすると、A君は④分かかります。
④分=③分+3分+5分+5分
よって、①=13分、④=52分(答え)
(3)(4)は、(2)がわかれば、自動的に求められます。
逆に言うと、(2)がわからなければ、(3)(4)も連動して、落とすことになります。
大問5「立体図形」
本問は、基本問題といえますが、作業量が多いため、時間不足でできなかった人も多かったのではないでしょうか?
まず、大きな立方体を6階建てのビルと考え、各階を横にスライスします。
これを真上から見た図面を6枚書くわけですが、すでに問題用紙に書いてあるので、これを利用します。
そして、それぞれのくり抜きによってなくなった小立方体に×をつけていきます。
これで(1)~(3)は、時間はかかっても、必ずできます。
(4)は、くり抜かずに切断したとして、図面を書き、×がついている部分は、カウントしない、という方法で、求められます。
・算数の中学入試問題は、大学入試改革の影響から、長文化が進み、さらに、図表の読み取り問題も増加しています。
浅野中学も、この流れの中、昨年度から長文化が進んでいます。
このため、「時間との戦い」と感じている受験生が多いかと思われます。
でも、実際に解いてみると、必ずしも「長いから時間がかかる」というものでもない、ということが、わかります。
むしろ、図面が派手にかさばっている問題の方が、早く解ける!
大問1の(5)(6)のように、地味で短い問題の方が、かえって時間がかかる!
という現象が起きています。
大問1の小問一つ一つよりは、各大問の(1)(2)あたりの方が、よほど簡単である、ということを、頭の片隅において、時間配分を考えるのがよろしいかと思われます。
・また、「図表の読み取り問題」の増加についても、特徴的な流れがあります。
大問4の進行グラフは、縦軸が出発点からの距離ではなく、A君と電車の距離を表すという、特殊なグラフです。
さらに、縦軸、横軸とも、数値がほとんどわかっていません。(3分だけです)
この2つの特徴を備えたグラフが、現在、流行中です。
グラフの数値ではなく、「形から読み取れる意味」を問題にしています。
この点に注意して、類似の過去問(他校も含む)で練習すると、効果的です。
進行グラフのほかにも、水そうグラフなども、さかんに出題されています。
こちらも、準備しておきましょう。
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