算数で、もっとも有名な問題といえば、「つるかめ算」ではないでしょうか。
中学受験の関係者ではない人でも、「つるかめ」ときけば、
「ああ、何か、算数の問題の一種だよね。よく知らないけど」
ぐらいの反応はありそうです。
ところが、どっこい。
この「つるかめ算」ほど、受験生を悩ませる問題はありません。
なにしろ、神出鬼没(しんしゅつきぼつ)。
いつ、どこに現れるかわかりません。
しかも、無色透明。
他の問題の一部にまぎれこみ、決して自身の姿は見せません。
解説をきいて、はじめて
「そうか。本問は、つるかめ算であったか……」
と、つぶやくことになります。
よって、出題者にとって、受験生の能力を測定するのに、これほど適切な問題はありません。
超難関校でも、隠し味のように、つるかめ算が愛用されています。
なぜ、こんなことになっているのか?
原因は、「つるかめ算」という名前、ネーミングの「不適切さ」にあります。
ふつう、「○○算」というときには、問題の名前と実態が、ある程度一致しています。
「和差算」といえば、和と差を使って解く問題です。
「旅人算」といえば、太郎君と花子さんが、学校と公園の間を行ったり来たりします。「旅」というには、大げさすぎですが。
「差集め算」といえば、差を集めて解きます。
「砂時計の相似」といえば、最初は何のことかと思いますが、砂時計の形をした「三角形の相似」のことを指します。
名前と実態が一致している。
だから、おぼえやすいし、解きやすい。
でも、「つるかめ算」で「つる」と「かめ」が登場するのは、つるかめ算を最初に勉強する4年生の時だけ。
それ以後は、たとえば、こんな感じになります。
あとは、自転車と歩きの速さ、駅までの距離、かかった時間が設定されています。
「つるはどこ?かめはどこ?どうして、これが、つるかめ算なの?旅人算でしょ?」
ということになります。
難しいですね。
では、「つるかめ算」に代えて、何と名付ければよいでしょうか?
……もっと難しいですね。(笑)
だから仕方なく、「つるかめ算」と呼んでいるのでしょう。
もし、あなたが「つるかめ算」に代わる名前を発明できれば、圧倒的に有利な立場になります。
レッツ算数教室では、
と教えています。
あなたも自分なりの識別法をあみ出してみましょう。
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