目次 |
「傾向」 |
1、概要 |
(1)出題分野 |
(2)難易度 |
2、各論(大問1~9) |
「対策」 |
(1)出題分野
「平面図形」「立体図形」「速さ」「場合の数」「論理パズル」などを中心に、出題されています。
本年度は、特に、「場合の数」「場合分け」を重視した出題となっています。
(2)難易度
極端に易しい問題、極端に難しい問題はなく、それなりに手ごたえのある問題が多数出題されています。
理論的に難しい問題(大問5、7、8、9)と、計算が大変な問題(大問4)、両方を含む問題(大問6)などがあり、バランスも考えられています。
「出題分野&難易度マップ」を掲載致します。(難易度はレッツ算数教室の分析によります)
Aが最も易しく、BCDEの順に難しくなっていきます。
出題分野&難易度マップ | ||
大問1 | ||
① | キセル算 | C |
② | 計算 | A |
大問2 | 集合 | D |
大問3 | 平面図形と比 | D |
大問4 | ||
① | 速さ・流水算 | C |
② | 速さ・流水算 | C |
大問5 | 論理パズル | D |
大問6 | ||
① | 平面図形と比 | D |
② | 平面図形と比 | E |
大問7 | 立体図形・場合の数 | D |
大問8 | 場合の数 | D |
大問9 | ||
① | 場合の数・トリボナッチ | D |
② | 場合の数・トリボナッチ | D |
それでは、順に見ていきましょう。
大問1「キセル算・計算問題」
①は、分母が15、35、63……となっています。これらは、3×5、5×7、7×9……となっているので、中間部分が相殺できるキセル算です。
②は、少数を分数に直しましょう。0.625=5/8などは、必須知識です。
大問2「集合」
電車○ | 電車× | ||
バス○ | 100 | ⑥-100 | ⑥ |
バス× | ⑦-100 | 0 | ② |
⑦ | ① |
⑦ー100=②
よって、⑤=100、⑧=160人(答)
大問3「平面図形と比」
いわゆる「比合わせ」です。
三角形の相似(砂時計の相似)を利用して、HP:PDとHQ:QDを求めます。
本問は、やや複雑ですが、定番問題です。
特に、応用の要素はないので、手堅く得点しましょう。
大問4「速さ・流水算」
理論的には基本問題ですが、計算がけっこう大変です。
通分に次ぐ通分となります。
大問5「論理パズル」
なるべく大きくするには、
と、大きな数の奪い合いになります。
エースの6をどこへ投入するか?
それぞれの□に5を投入した場合と、6を投入した場合とで、比べてみると、2×□や、60÷□の場合は、差が2なのに対し、□□の十の位の場合は、差が10にもなります。
よって、□□の十の位は6で決まり。
他の□は、4と5の比較で決めていきます。
大問6「平面図形と比」
本問は、かなりの難問です。
すべての三角形は、相似になり、直角をはさむ2辺の長さの比は、AB:DC=3:5になります。
小さい直角三角形5個は合同。
小さい直角三角形と大きい直角三角形の相似比は、3:5。
これらに気づけば、あとは計算力です。
上手に約分を用いながら、効率的に計算しましょう。
大問7「立体図形・場合の数」
まず、この展開図を組み立てると、どのような立体になるのでしょうか?
下にとび出ている正方形を、底面と考えます。
この周りに、びょうぶのように、4枚の正方形をぐるっと立てます。
これで、天井のない立方体になります。
ここに4枚の正三角形を屋根のように立てると、出来上がり。
家のような立体ができます。
さて、ここから2つの頂点を結ぶ直線を引くわけですが、まず注意しなければならないのは、同じ直線を2回数えてしまうこと。
もう一つ注意しなければならないのは、数え落とし。
これらを防ぐための自分なりの工夫を、準備しておきましょう。
大問8「場合の数」
1がたくさんあって、すぐとなり合ってしまいます。
そこで、まず、1の場所を決めます。
大きく分けると、1がすべて1つ置きになるパターンと、1か所だけ2つ置きになるパターンに分類できます。
それぞれについて、3の置き場所を数えれば、求められます。
大問9「場合の数・トリボナッチ」
階段を上る問題で、1歩で1段または2段上るときの上り方は、フィボナッチ数列です。
これは有名です。
1歩で1段、2段または3段上るときの上り方は、トリボナッチ数列です。
本問も、トリボナッチ数列になります。
フィボナッチ数列や、トリボナッチ数列は、実際に書き出して調べれば、気づくこともあります。
でも、書き出すのは大変で、途中1個でも間違えると、アウトです。
なぜ、フィボナッチ数列やトリボナッチ数列が成立するのか?
その原理を確認しておくと、ルールを見たときに、実際に書き出さなくても、
「これはフィボナッチだ!トリボナッチだ!」
と、気づくようになります。
慶應普通部2020年・算数で、最も際立っているのは、「場合の数」「場合分け能力」の重視です。
大問5、7、8、9が、徹頭徹尾、場合分けを求めています。
場合の数、場合分けで重要なのは、モレなく重複なく数え上げること。
そのためには、一定の視点を持って、一定の順序で、数えることが、大切です。
そのための「視点」は、1問ごとに確認する中で、徐々に身についていきます。
解説を読むときに、「なぜ、このような順序で並べたのか?」という発想を確認するようにしましょう。
(青い文字をタップ、クリック) |
慶應普通部の算数・トップ |
慶應普通部 算数 対策 2023年 |
慶應普通部 算数 対策 2022年 |
慶應普通部 算数 対策 2021年 |
慶應普通部 算数 対策 2019年 |