概要
海城2021年第1回の算数は、例年通りの出題傾向、難易度でした。
学校公表の受験者平均点は、120点満点で66.1点、合格者平均点は83.0点。
算数だけで、17点ほどの大差がつきました。
大問1は、多くの分野からの小問群。(4)の平面図形(角度)は、この位置の問題としては、例外的に難しく、今回の最難問かもしれません。
大問2の「濃さ」「約束記号」、大問3の「平面図形と比」、大問4の「速さと比」、大問5の「場合の数」は、いずれも、典型的な中学入試問題です。
塾のテキストで、何回も解いた問題がそのまま出題されている感じで、合格のためには、満点近く取りたいところです。
もっとも、大問5は、時間不足であせっていると、ミスしやすいです。
大問6は、「立体図形(表面積)」。小問(1)(2)は、落ち着いて取りたい問題です。
小問(3)は、厳しいでしょう。
全体は、小問が18問。13問取れれば、合格者平均点をクリヤできますが、12問だと微妙、といったところです。
「出題分野&難易度マップ」を掲載致します。(難易度はレッツ算数教室の分析によります)
Aが最も易しく、BCDEの順に難しくなっていきます。
出題分野&難易度マップ |
||
大問1 |
||
(1) |
計算 | A |
(2) |
場合の数 | B |
(3) |
数の性質 | C |
(4) |
平面図形(角度) | E |
(5) |
平面図形(面積) | C |
大問2 |
||
(1) |
濃さ・約束記号 | C |
(2) |
濃さ・約束記号 | C |
(3) |
濃さ・約束記号 | D |
大問3 |
||
(1) | 平面図形と比 | C |
(2) | 平面図形と比 | C |
大問4 | ||
(1) | 速さと比 | C |
(2) | 速さと比 | C |
大問5 | ||
(1) | 場合の数 | C |
(2) | 場合の数 | C |
(3) | 場合の数 | D |
大問6 | ||
(1) | 立体図形(表面積) | D |
(2) | 立体図形(表面積) | D |
(3) | 立体図形(表面積) | E |
それでは、順に見ていきましょう。
大問1
(1)計算
カッコが右に寄っていることから、右側から計算します。
これが、ワナなのだ!
ここで、「3÷」とやるとアウト!
「÷3」ゆえ、3は、分母にきます。
引っかかった人、要注意です。
(2)場合の数
(3)数の性質
いずれも、海城の受験生には、今さら説明の必要はないでしょう。
(4)平面図形(角度)
アは、3種類の方法で表せます。
「ア=60+●●+○○」…①
「ア=110+●」…②
「ア=130+○」…③
です。
これで、単純な消去算になりました。
(②+③)×2を計算すると、
「ア×4=480+●●○○」
これから、①を引いて、
ア×3=420
ア=140度……答え
(5)平面図形(面積)
正三角形の半分の直角三角形ですね。60度の角をはさむ辺の長さの比が1:2になることを、利用します。
皆さん、何百回も解いたでしょう。
大問2「濃さ・約束記号」
小問(1)(2)
水だけ加えると、濃さは100/120倍になります。
小問(3)は、(1)(2)を利用します。(1)(2)を通じて、規則性に気がつくと、簡単。カギかっこをはずすには、逆の演算、すなわち、120/100倍すればよい。
大問3 「平面図形と比」
これも、定番中の定番問題。「連比」を使います。
三角形HAE:三角形HEG:三角形HGA=1:2:2
小問(1)DH:HG=三角形HAE:四角形AHEG=1:4……答え
小問(2)三角形ABCー四角形AEHGより、五角形HEBCGを求めます。
三角形ABCは、三角形AEGを(3/2)×(4/3)倍すればよい。
大問4「速さと比」
本問も、定番中の定番問題。
2回目のすれ違いは、1回目の3倍になっています。
大問5「場合の数」
本問も定番中の定番問題。
よくある問題です。
ただし、五角すいの形の山は、初めて見ました。
木は生えていないのか?
ツルツルの斜面をどうやって登るのか?
普通、展望台は、茶屋と同じ場所にあるのではないか?
どうでもいい疑問は尽きませんが、問題を解くのは簡単です。
ただし、あわてて解くと、思わぬミスをします。
ミスしそうなポイントをまとめておくと、
ということでしょう。
大問6「立体図形・表面積」
小問(1)(2)
黙々と数えます。
小問(3)
黙々と数えているうちに、「規則性」がつかめます。(1)(2)利用です。
「規則性」とは、こういうことです。
たとえば、
です。(ただし、底面積は除く)
それでも、「720㎠」という数字を見ると、
「ヒエ~っ」
と思いますね。
大丈夫!本番では、時間切れ、捨て問です(笑)
でも、時間をかけて、過去問として勉強する価値はあります。
立方体の面は6個ありますから、720÷6=120個分の表面積にすぎません。
しかも、三角数は雪だるま式に増えていくことを考えると、非現実的な根性は必要ありません。
たとえば、上から3段目の白い立方体は6個。
面の数の合計は36個。
そのうち、黒に塗られるのは、3×5の15面。
よって、白く残る面は36ー15=21個=21㎠
この要領で、1段ずつ根気よくやっていけば、意外と早く答えに到達します。
対策は、
です。
大問1(4)に、難問が配置されています。
ここで、引っかからないこと、あわてないこと。
その後、大問6(2)まで、定番問題が連続13問、ズラリと並んでいます。
あとは、「定番問題って何?」ということを、明確にしておくことでしょう。
あくまでも、「海城中学の受験生にとっての定番問題」です。
必ずしも、「簡単な問題」というわけでもありません。
過去問演習で、定番問題ができなかったとき、何を復習すればよいか?
ふだんからの準備が大切です。
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