2019年麻布中学の算数は、麻布にしては、易し目でした。超難問は、出題されていません。
大問4の(4)、大問5の(4)が、やや難しく、後は大問3の立体切断に、少々手間がかかるくらいです。
順に見ていきましょう。
大問1 数の性質・組み合わせ・融合
(1)Bの室温が最も高くなる➡Bの人数が最も多い➡ACの人数が最も少ない、ということです。
(2)前問の結果を利用して、ACを少しずつ増やし、その分Bを減らし、室温が同じになるときを探る。規則性が見つかります。
いずれも、麻布の受験生であれば、易しいでしょう。
大問2 速さと比
(1)太郎君が何秒で行くところを、バスは何秒で行く、という関係が見つかります。
(2)720mが唯一の手がかりです。ここにかかった時間がわかれば、OKです。
多少、複雑ではありますが、中学受験・算数の「速さと比」の応用問題としては、定番中の定番でしょう。
しっかり準備してあれば、十分、対処できます。
大問3 立体切断
以前の麻布中学は、あまり立体切断を出題しなかったのですが、2013年、2015年に続く出題です。
出題方針の明確な変更です。
今後は、立体切断対策も、必修となります。
本問は、切り口の作図だけなら容易ですが、具体的な長さを求めることなく、複数の「比」だけで処理する必要があり、しかも、比の数字のキリが悪い、という点が、やっかいです。
落ち着いて解きましょう。
大問4 数の性質・規則性
このあたりから、ようやく麻布らしいセンスの問題が始まります。
(1)と(2)の変化をよく観察すれば、(3)と(4)の変化も、同じことなので、簡単に計算できます。
気がつかないと、計算地獄にはまります。
大問4 ルール指定・規則性
近年、超難関校で流行している、「ルール指定➡規則性発見➡計算」のパターンです。
(1)は、練習。
(2)は、矢印の位置を固定した時の「定点観測」。偶数と奇数が、それぞれ反対向きの動きをすることに気づけば、簡単です。
(3)は、周期の最小公倍数を取るだけ。
ここまでが、小規模実験となります。
(4)は、1~99ですから、実演するのはナシ。(3)までの実験結果をふまえて、推論することになります。
本年度の問題の中では、最も難しい問題でした。
まとめると、大問1~3は、中学受験・算数の定番問題で、麻布受験生にとっては、易しい問題。
大問4、5が、麻布らしいセンスの求められる問題で、発想に気づけばあっさり解けますが、気づかないとお手上げです。
4教科合計で、5割強得点できれば、合格です。
この点、2019年の算数は、稼ぎどころでした。
大問1~3は、特にオリジナルの応用要素がありません。塾のテキストの応用問題で練習していれば、対処できます。
問題なのは、大問4と大問5。いずれも、「規則性」を発見できるかが勝負です。
でも、その「規則性」の見つけ方を、小問形式で「誘導」して下さっていますから、その誘導に素直に乗れば、自然に気がつくでしょう。
まるで、「規則性の発見方法」の教科書みたいな問題です。
大問4と大問5の思考過程は、今後の麻布算数に役立つことはもちろん、他の超難関校の「規則性」の問題にも、大いに役立ちます。
よく味わって、身につけておきましょう。
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