大妻中学の算数は、例年、大問10問で構成されています。
大問1は、計算問題2問と、小問2問。大問2以降は、中ぐらいの重さの問題から、重たい応用問題まで、様々な分野の問題が並んでいます。
多くの大問は、小問に分かれていない点に、特徴があります。
つまり、小問1をヒントに小問2を解き、小問2をヒントに小問3を解き・・・といった解き方はできません。
ヒントなしで、解き切る必要があります。
大問としては易し目でも、ヒントなしだと、難しく感じるかもしれません。
1、頻出分野について
問題数が多く、はば広い分野から出題されています。「平面図形」「立体図形」「速さ」「割合」「規則性」「数の性質」「場合の数」と、一通り全ての分野を網羅しています。
「平面図形」で、「角度」の問題は、必須のようです。
「速さ」で、「進行グラフ」も、くり返し出題されています。
「割合」では「相当算」が、「立体図形」では「切断」が頻出です。
また、様々な分野で、「つるかめ算」を取り入れた出題が、目に止まります。「速さのつるかめ算」「仕事算のつるかめ算」「売買のつるかめ算」などです。
「3段つるかめ」など、手ごわい問題も出題されています。
2、難易度について
全体的に、標準的な問題から、かなりの難問まで、出題されます。「非常に易しい問題」は、ほとんど出題しないようです。
前半は易しい問題、終盤は難しい問題ですが、必ずしも易しい順ではありません。大問8、9あたりに、その回の最も難しい問題が配置されていることが多いようです。
また、全問について、「式、計算、考え方」を記入するスペースが設けられています。
答えを出すのが易しい問題でも、きちんと説明するのは、意外と難しいものです。
3、以上まとめると、大妻の算数は、パッと見の印象以上に手ごわい、と考えておきましょう。
1、標準的な問題が多数出題されますから、ここでしっかり得点することが、合格への条件です。
塾のテキストで、基本問題を、まんべんなくマスターしましょう。
2、過去問については、特定の問題が、くり返し出題されていますが、全体的に見ると、過去問からドバドバ出題されるわけではありません。
過去問に、過剰な期待はできません。
ご参考までに、過去問で繰り返されている問題について、年度と問題番号を挙げておきます。
「角度」
「進行グラフ・水そうグラフ」
などです。
それぞれ、まとめて解くと、コツがつかみやすいでしょう。
3、式、計算、考え方について
ひごろ、「解き方暗記」の勉強に走っていると、考え方の説明ができません。そのような人は、大妻には向いていません。
ぜひ、理解のともなった勉強をこころがけて下さい。
たとえば、2018年第1回大問10。
糸を巻きつける問題はよくあります。ACFで立体切断する問題もよくあります。
どちらも、基本的で、一見すると、暗記で対処できそうにも見えます。
でも、この二つを組み合わせた問題は、かなり珍しいです。
日ごろ、理解をともなう勉強をしていれば、何ということのない問題ですが、パターン暗記に走っていると、「こんな問題、教わっていません。知りません。」ということになってしまうでしょう。
このような、ちょっとしたひねりが、大妻らしさであり、意外と手ごわいところです。