目次 |
「傾向」 |
1、概要 |
(1)入試結果 |
(2)出題分野 |
(3)難易度 |
2、各論(大問1~6) |
「対策」 |
1、概要
(1)入試結果
海城2021年第1回算数は、例年通りの出題傾向、難易度でした。
学校公表の受験者平均点は、120点満点中73.4点(61%)、合格者平均点は88.5(73%)でした。
約15点の大差がついています。
(2)出題分野
「割合と比」「場合の数」「平面図形と比」「速さと比」「時計算」「立体切断」と、例年通り、まんべんなく出題されています。
いずれも、典型的な中学入試問題です。
(3)難易度
定番問題が大部分を占めています。
応用力が必要な問題は、ほとんどありません。
ただし、これは初見の問題がほとんどない、という意味であって、大して準備する必要がないかというと、そうではありません。
定番問題の中では、最も複雑な問題が、集結しています。
受験者平均点が73.4点(61%)ということは、それなりに難しいということです。
「出題分野&難易度マップ」を掲載致します。(難易度はレッツ算数教室の分析によります)
Aが最も易しく、BCDの順に難しくなっていきます。
出題分野&難易度マップ | ||
大問1 | ||
(1) | 計算問題 | A |
(2) | 割合・つるかめ算 | C |
(3) | 平面図形・角度 | C |
(4) | 比 | C |
(5) | 平面図形・面積 | C |
大問2 | ||
(1) | 場合の数 | B |
(2) | 場合の数 | C |
(3) | 場合の数 | D |
大問3 | ||
(1) | 平面図形と比 | C |
(2) | 平面図形と比 | D |
(3) | 平面図形と比 | D |
大問4 | ||
(1) | 速さと比 | C |
(2) | 速さと比 | D |
(3) | 速さと比 | D |
大問5 | ||
(1) | 時計算 | C |
(2) | 時計算 | D |
(3) | 時計算 | D |
大問6 | ||
(1) | 立体切断 | B |
(2) | 立体切断 | D |
(3) | 立体切断 | D |
それでは、順に見ていきましょう。
2、各論(大問1~6)
大問1(1)~(5)
ここは、ウオーミングアップ問題です。塾のテキストに、同じような問題が掲載されているはずです。
大問2「場合の数」
(1)(2)は易しい問題ですが、(3)は、少々大変です。
「3の倍数」とは、「各位の数の和が3の倍数」ですから、足して3になる3つの数の組み合わせを書き出す必要があります。
思いついた順に書き出していては、モレが生じます。
「小さい順」「大きい順」など、順番をつけて書き出しましょう。
大問3「平面図形と比」
本問も定番問題ですが、複雑です。
最終目標は(3)で、そのための手続きが(1)(2)です。
そこが見えていれば、(3)も簡単です。
三角形HEFから三角形HPQを求め、三角形RFGから三角形RHSを求め、引き算すれば、四角形PQRSの面積が求められます。
相似の三角形を見つける練習をしましょう。
大問4「速さと比」
2人合わせて100mを40秒。
2人の速さの比は、800:750
これで、2人の秒速がわかり、すべてがわかります。
2人が同じ地点間を往復し続ける問題では、スタートの位置が重要です。
同じ地点からスタートするのか?向かい合った地点からスタートするのか?
しっかり区別しましょう。
大問5「時計算」
(1)
ある星の時計。1日が8時間で、1時間が40分。
初めて見た!と思うかもしれませんが、考え方は、地球上の時計算とまったく同じ。
長針は、1分間に360度÷40=9度進み、短針は1分間に45度÷40=9/8度進みます。
時計算で、長針は6度、短針は0.5度と暗記している人(かなりいます)は、この計算ができません。
さらには、÷(6-0.5)=×2/11と暗記している人(かなりいます)は、ある星の時計算は解けません。
これを機会に、マスターしましょう。
(2)
長針と短針のつくる角の大きさが90度になるのは、原則1時間に2回ですが、この星の1時台と5時台は、「あっ、2回目だ!」と思った瞬間には2時、6時になっているので、1回です。
ここは引っかかりやすいので、注意しましょう。
(3)
4時ちょうどからはかり始めて、180+128=308度追いついて前に出る、と考えると、計算が簡単になります。
これは、式を立てる要領の問題で、一般的に言われている「計算力」とは異なります。
当ホームページ内「使える計算力、使えない計算力」(タップ・クリックできます)
で、くわしく説明しています。
大問6「立体切断」
海城中学定番の立体切断です。「平行面上に表れる切り口線は平行」という定理に従って切っていけば、大丈夫です。
(3)が少し難しいかもしれません。
辺EFをFの方向へ延長していくと、巨大な三角すいができます。
これを相似比10:8で切断し、三角すい台にしたと考えます。
以上、全問、どこかで見たことのある問題ではないでしょうか?
それでも、かなり難しい問題もありました。
対策は、塾のテキストの定番問題をまんべんなくマスターすること。
もちろん、理解していなければ「ある星の時計算」など、解けるわけがありません。
また、大問2の「足して3の倍数になる組み合わせ」について。
塾のテキストでは、5つの数から3つ選ぶ問題が多かったと思います。
本問のように6つから3つ選ぶとなると、かなり作業量が多く、ミスもしやすくなります。
どのように書き出せばよいか。基本をしっかり身に着けておきましょう。
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