目次 |
「傾向」 |
1、概要 |
(1)入試結果 |
(2)出題分野 |
(3)難易度 |
2、各論(大問1~5) |
「対策」 |
(1)入試結果
白百合2023年度・算数は、難化しました。
平均点は、ここ数年で最も低くなりました。
年度 | 受験者平均点 | 合格者平均点 |
2023 | 40.8 | 53.6 |
2022 | 48.7 | 62.5 |
2021 | 75.0 | 87.8 |
2020 | 54.4 | 69.8 |
(学校ホームページより。算数100点満点)
(2)出題分野
「割合」「速さ」「平面図形」「立体図形」という、中学受験・算数の最もオーソドックスな分野から、出題されています。
(3)難易度
大問1と大問2は、定番問題でもあり、比較的得点しやすい問題ですが、大問3以降が手ごわくなっています。
また、大問4、5は、分数の計算力も必要な問題です。
出題分野&難易度マップを掲載いたします。(難易度はレッツ算数教室の分析によります)
Aが最も易しく、BCDEの順に難しくなっていきます。
出題分野&難易度マップ | ||
大問1 | ||
(1) | 割合・売買算 | B |
(2) | 割合・売買算 | C |
大問2 | ||
(1) | 速さ・比 | C |
(2) | 速さ・比 | C |
大問3 | ||
(1) | 平面図形・比 | B |
(2) | 平面図形・比 | D |
(3) | 平面図形・比 | D |
大問4 | ||
(1) | 時計算 | C |
(2) | 時計算・シャドー | D |
大問5 | 立体図形 | D |
それでは順に見ていきましょう。
大問1「割合・売買算」
売買算の基本問題です。
大問2「速さ・比」
定番問題です。
A地点側の方が長い分、帰りは下りが長くなり、結果として28-8=16分早く到着したわけです。
上りと、下りの速さの比は
2.7:4.5=3:5
時間の比は逆比で5:3
差の2が16分にあたります。
ここが突破口になります。
大問3「平面図形・比」
正六角形の中心を書き込みましょう。
また、図は、Bを真上の頂点と見て、左右対称に注目すると、わかりやすくなります。
BH:HI:IE=2:3:3が見えれば、すべて解決です。
大問4「時計算」
(1)は基本問題ですが、計算力が必要です。
(2)は、長針と短針の平均速度で進む針(シャドー)を利用します。
シャドーは、はじめ、長針と短針の真ん中、すなわち「2」を指していて、長針と短針の作る角度を、常に2等分しています。
シャドーと針Aが出会う時刻を求めます。
計算力も必要です。
大問5「立体図形」
三角形の相似(ピラミッド)を利用すれば、理論的には簡単です。
あとは、計算力の問題です。
ただ、敏感な受験生は、直方体Bがちょうど真ん中をくり抜いているのかどうか、見た目で判断することを嫌い、迷うかもしれません。
まず、左右真ん中である点は、「この立体を右から見た図と左から見た図は同じ」という条件によって、保証されています。
また、上下真ん中かどうかは、問題文の条件からは、確定できません。
真ん中かもしれないし、上に寄っているかもしれないし、下に寄っているかもしれません。
ただ、いずれであれ、表面積は同じなので、不確定のまま、答えが決まります。
大問1、2は、基本的な問題、有名な定番問題なので、満点をめざしましょう。
大問2は、有名な解法が2通りありますが、問題文が、そのうちの一つで解くことを求めています。
つまり、解法が複数ある場合、一つで解ければ良しとせず、どちらについても熟知しておく必要があります。
他の定番問題についても、なるべく多くの解法を身につけておきましょう。
大問4の時計算は、針Aという普通の時計にはない針が設定されています。
「時計算は2/11倍で決まり!以上」
といったパターン暗記は通用しない学校です。
また、シャドーのテクニックはかなり高度ですし、これを使えたとしても、その後の計算を実行するには、かなりの計算力が必要です。
計算問題は出題しない学校ですが、計算練習も必要です。