目次 |
「傾向」 |
1、概要 |
(1)出題分野 |
(2)難易度 |
2、各論(大問1~4) |
「対策」 |
(1)出題分野
2022年度は、「数の性質」「論理パズル」「速さ・点の移動」「規則性」から出題されています。
もっとも、それぞれの問題に「場合分け」が必要であり、これが隠れた出題分野となっていること、例年通りです。
(2)難易度
本年度の問題が難しかったかどうかは、大問1の準備ができていたかどうかにより、かなり変わってきます。
大問1「(連続する整数による)和分解」は、近年、難関校で流行の兆しが見られ、レッツ算数教室では、万全の上にも万全の体制を敷いて準備していました。
くわしくは、当ホームページ内
算数の成績を上げるには?>和分解の話(タップ・クリック可能)
で、ご説明しています。
準備できていれば、大問1は2~3分で完答でき、大問2~4に大部分の時間を使えますから、かなり有利だったでしょう。
準備なしにその場で考えても解けますが、かなりの時間を取られ、例年通りの難しさとなります。
出題分野&難易度マップを掲載致します。(難易度はレッツ算数教室の分析によります)
Aが最も易しく、BCDEの順に難しくなっていきます。
なお、大問1の難易度は、
です。
出題分野&難易度マップ | ||
大問1 | ||
(1) | 数の性質・和分解 | B(D) |
(2) | 数の性質・和分解 | B(D) |
(3) | 数の性質・和分解 | B(E) |
大問2 | ||
(1) | 論理パズル | B |
(2) | 論理パズル | C |
(3) | 論理パズル | E |
大問3 | ||
(1) | 速さ・点の移動 | B |
(2) | 速さ・点の移動 | C |
(3) | 速さ・点の移動 | E |
大問4 | ||
(1) | 規則性 | C |
(2) | 規則性 | D |
(3) | 規則性 | E |
それでは、順に見ていきましょう。
大問1「数の性質・和分解」
くわしくは、前述
算数の成績を上げるには?>和分解の話(タップ・クリック可能)
をご覧ください。
(1)
50=2×5×5より、50の約数のうち、奇数(1を除く)は、5、25
50÷5=10より、個数5、平均10
よって、50=8+9+10+11+12
50÷25=2より、反転して、
個数2×2=4、平均25÷2=12.5
よって、50=11+12+13+14
以上より、<8~12><11~14>(答)
(2)
1000=2×2×2×5×5×5より、1000の約数のうち、奇数(1を除く)は、5、25、125
1000÷5=200より、個数5、平均200
よって、1000=198+199+200+201+202
1000÷25=40より、個数25、平均40
よって、1000=28+29+30+……+50+51+52
1000÷125=8より、反転して、個数8×2=16個、平均125÷2=62.5
よって、1000=55+56+57+……68+69+70
以上より
<28~52><55~70><198~202>(答)
(3)
2022=2×3×337
この素因数分解は、2022年度の6年生にとっては、必修ですが、他年度の6年生にとっては、そうでもありません。
皆さん、自分の受験年の素因数分解を準備なさっています。
過去問演習では、この点を考慮しましょう。
2022の約数のうち、奇数(1を除く)は、3、337、1011
2022÷3=674より、個数3、平均674
よって、2022=673+674+675
2022÷337=6より、反転して、個数6×2=12、平均337÷2=168.5
よって、2022=163+164+……+173+174
2022÷1011=2より、反転して、個数2×2=4個、平均1011÷2=505.5
よって、2022=504+505+506+507
以上より<163~174><504~507><673~675>(答)
大問2「論理パズル」
(1)1人目の警察官ではカバーできない点は、4-ア、4-ウです。
両者を同時にカバーできる点は、4-ア、3-イ、4-イ、4-ウの4か所(答)
(2)警察官が2km以内の移動距離でかけつけられる範囲は、警察官を中心として、対角線の長さが4kmの正方形(傾き45度)です。
このことに気づくと、正方形の紙で全ての点をおおうのに、紙が何枚必要か?という問題に置きかえて考えることができます。
3枚です。よって、3人(答)
(3)同様に、1辺14kmのごばんの目(街)を、対角線□kmの正方形(傾き45度)4枚でおおうことを考えます。
正方形の置き方として、1枚の正方形でおおうときに、ごばんの角を残してしまうと、そこをカバーするのに、余分な正方形が必要になることが、(1)(2)の経験から、わかります。
「正方形の紙同士の重なりをなるべく減らし、ごばん(街)からはみ出る面積もなるべく小さくする」と言ってもよいでしょう。
そこで、ごばんを2本の対角線で仕切り、それぞれのスペースを警察官1人でカバーすることを考えます。
この場合、警察官の配置場所は、ごばんの各辺の真ん中、□=7です。
さて、これより小さい数で、ごばん(街)をおおえるでしょうか?
やってみれば、どうしても角が残ってしまうことがわかります。
よって、7(答)
ポイントは、とりあえず「7」で試しておいて、見当をつけてから、それより少し小さい正方形を試す、という点です。
大問3「速さ・点の移動」
(1)AとPを結ぶ直線がイと交わる点をP’(Pダッシュ)とします。
P’をシャドー(影)と言います。
P’が壁の区間を移動する時間を求めればOKです。
三角形の相似(相似比2:1)よりP'の速さは
1÷2=0.5m/秒
5÷0.5=10秒(答)
(2)今度は、壁がP'を追い越す時間です。
これは、通過算。電車が人を追い越すと考えればOKです。
5÷(2-0.5)=3と1/3秒(答)
(3)イ上のシャドーP'の速さは2/3m/秒、エ上のシャドーP"(Pツーダッシュ)の速さは1/3m/秒
イ上のシャドーP'を壁が追い越すのにかかる時間は、
5÷(2-2/3)=15/4秒
エ上のシャドーP"と壁がすれ違うのにかかる時間は、
5÷(2+1/3)=15/7秒
最短は、両者が完全に重なる場合で、15/4=3と3/4秒(答)
最長は、両者が重ならずに、連続する場合で、15/4+15/7=165/28=5と25/28秒(答)
シャドー(影)に置き換えて考えるのが、コツです。
大問4「規則性」
(1)
10×30=300秒後
300÷13=23あまり1
300÷15=20
30+23+20=73(答)
(2)
まず、大まかな見当をつけましょう。
165÷73=2あまり19
よって、300秒の2倍よりも少し長い時間がかかると考えられます。
あきら君の10秒と、たかし君の15秒の最小公倍数30秒が、キリが良いので、
300×2+30=630秒後の様子を調べてみます。
630÷10=63
630÷13=48あまり6
630÷15=42
63+48+42=153
あと12人です。
さらに30秒追加して、660秒後を調べ、ちょこちょこっと根性で書き出すと、680秒後、あきら君とわかります(答)
(3)
ゆたか君がいない場合の、2022秒後の様子を調べてみます。
全員、2022秒後は、受付の途中です。
ということは、2022秒後に整理番号545のお客さんの受付を終えたのは、ゆたか君です。
では、545のお客さんは、545番目に受付が終わった人でしょうか?
ゆたか君が、あきら君か、さとし君と交代した場合、2022秒後にたかし君が担当している最中のお客さんは、544なので、545のお客さんは、544番目に受付が終わった人です。
545のお客さんは、仕事の早いゆたか君によって、544のお客さんを追い越したことになります。
ここが本問のミソです。
これに対し、ゆたか君が、たかし君と交代した場合、545のお客さんは545番目に受付が終わった人です。
この点に注意して、あとは「つるかめ算」です。
・ゆたか君が、あきら君と交代した場合
544-(155+134)=255……あきら君とゆたか君が受け付けた人数合計
仮に、すべてゆたか君が受け付けたとしても8×255=2040>2022
よって、矛盾
・ゆたか君がさとし君と交代した場合
544-(202+134)=208……さとし君とゆたか君が受け付けた人数合計
(2022-8×208)÷(13-8)=71.6人……人数は整数なので、不適
・ゆたか君がたかし君と交代した場合
545-(202+155)=188……たかし君とゆたか君が受け付けた人数合計
(2022-8×188)÷(15-8)=74人……たかし君が受け付けた人数合計
15×74=1110秒後
よって、1110秒後、たかし君と交代(答)
・大問1「連続する整数による和分解」そのものについては、概要にもリンクを貼っておいた通り、当ホームページ内の記事を参照していただければ、解決です。
ところで、この手の問題、すなわち、
「上手な解法があるが、最新傾向であるため、あまり一般に知られていない問題」
について、どのように準備すれば良いでしょうか?
この解法を知っていた受験生にとっては、何も考える必要のない、ただの「数字替え問題」ですが、知らないと、とても時間がかかります。
合否を決定的に分けるでしょう。
何としても、マスターしておきたいところです。
でも、最新傾向だと、大手塾のテキストの改訂も、間に合いません。
どのように勉強すればいいのでしょうか?
結局、自分で過去問研究をするか、信頼できる指導者を見つけるか、ということになります。
レッツ算数教室では、膨大な過去問研究によって、最新傾向を把握し、オリジナルの解法を開発して、対応しています。
・問題を解く際には、小問相互間の関係を利用することは、広く知られています。
でも、大問相互間にも、間接的にヒントが隠されていることがあります。
なぜならば、同じ出題者が問題を作成すると、その出題者の個性、発想が、強く反映するからです。
本年度は、以下の2点が重要です。
[第1点……置き換えて考える]
大問2は、警察官のカバーできる範囲を、正方形の紙に置き換え、本問を図形問題に改造すると、簡単に解けます。
大問3は、点Pを動かす代わりに、シャドー(影)を動かすと、簡単に解けます。
点Pをシャドーに置き換えるわけです。
このような発想は、大切にしましょう。
[第2点……大まかな見当をつける]
大問2(3)では、とりあえず、□=7の場合を確認し、それとの比較で、正解を割り出しました。
ゼロから考えるのは、難しいでしょう。
まず、わかりやすい例で、見当をつけるのがコツです。
大問4でも、小問(1)の数字を利用して、(2)をざっくりと予想しました。
筑駒では、
「小規模実験→大規模展開」
という公式があります。
でも、逆に、本問のような
「大きく当たりをつけて、余りの半端な部分は根性で書き出す」
という公式もあります。
ち密な計算で、きっちりと数字を追いかける能力も大切ですが、全体をながめながら、何となくおおざっぱに見当をつける「伸びやかなカン」も求められています。
これら、算数の発想法については、当ホームページ内
で、さらにくわしくご説明しています。
(青い文字をタップ・クリック) |
筑駒の算数・トップ |
筑駒 算数 対策 2024年 |
筑駒 算数 対策 2023年 |
筑駒 算数 対策 2021年 |
筑駒 算数 対策 2020年 |
筑駒 算数 対策 2019年 |
筑駒 算数 対策 2018年 |