渋幕 算数 対策 2021年

目次
「傾向」
1、概要
(1)入試結果
(2)出題分野
(3)難易度
2、各論(大問1~5)
「対策」

傾向(第1回)

1、概要

 

渋幕2021年第1回算数は、例年通りの出題傾向、難易度でした。

 

(1)入試結果

 

学校公表の受験者平均点は、100点満点中41.9点、合格者平均点は52.1点です。

 

合格者平均点が52.1%というのは、難関校の中ではかなり低い方です。

 

(2)出題分野

 

「場合の数」「平面図形」「立体図形(切断)」など、渋幕の頻出分野が、本年度もしっかり出題されています。

 

また、例年通り「最大・最小問題」「全検索問題」も出題されています。

 

特に、大問1は、高校数学の「極限値」の考え方を知っていると有利な問題です。

 

(3)難易度

 

合格者平均点を見れば明らかですが、難問が多数出題されています。

 

大問2(3)は、手間がかかり、大問3、大問5(3)は、理論的に難解です。ただし、大問5(3)は、一部の受験生にとっては、定番問題となりつつあります。

 

「出題分野&難易度マップ」を掲載致します。(難易度はレッツ算数教室の分析によります)

 

Aが最も易しく、BCDEの順に、難しくなっていきます。

 

   出題分野&難易度マップ
大問1    
(1)  約束記号 A
(2) 約束記号 D
(3) 約束記号 E
大問2    
(1) 場合の数・最小 B
(2) 場合の数 D
(3) 場合の数・最大 E
大問3    
(1) 点の移動 E
(2) 点の移動 E
(3) 点の移動 E
大問4    
(1) 平面図形・回転 D
(2) 平面図形・回転 D
大問5    
(1) 立体図形 C
(2) 立体図形・切断 D
(3) 立体図形・切断 E

 

E問題以外が満点であれば、ほぼ合格者平均点です。

 

それでは、順に見ていきましょう。

 

2、各論(大問1~5)

 

大問1「約束記号」

 

(1)は練習。感じをつかみます。

 

(2)は(8×c)÷(8+c)の商(整数)を求める問題。

 

Cが小さいうちは、+8の影響が大きく、商は0、1、2…と推移しますが、Cが大きくなるにつれて、8の影響はほとんど無視できるようになり、商は限りなく8に近づいていきますが、決して8には届きません。

 

よって、正解は7。極限値の考え方が含まれています。

 

(3)は、(2)をヒントに解きます。

 

商は最大でも2。よって、商が0、1、2の場合で、場合分けします。

 

このあたりが、渋幕・算数の高校数学的な部分です。

 

大問2「場合の数」

 

大問1は約束記号とはいえ、場合分けを含む問題でしたが、大問2も、場合分けです。

 

いかに場合分け能力を重視しているかの表れです。

 

(1)は、図3を見ながら、それぞれの数字を表示するのに必要なライトの本数をメモしておき、なるべく0、8、9を使うという方針を立てます。

 

(2)も、(1)のメモを見ながら、和が12になる組み合わせを書き出して、解いていきます。

 

ここでも、場合分けが必要です。

 

(3)も場合分けですが、場合分けするポイントが多く、かなり時間がかかります。正答率は低かったと推測します。

 

特徴的な部分を見抜いて、検索の手間を省いていくのですが、省けば省くほど、考え落ち、抜けが生じるリスクが上がるので、実戦的には、捨て問でしょう。

 

大問3「点の移動」

 

本問は、「速さとグラフ」と言ってもよい内容です。

 

(1)がかなり難しく、(1)が解けなければ、(2)(3)も連動して解けません。厳しい問題です。

 

(1)を解くには、ここでも「場合分け」。

 

唯一わかっている12.8秒がPに関する数字か、Qに関する数字か?見抜かなければなりません。

 

Pだとすると24+20+24=68cm

 

Qだとすると20+24+20=64cm

 

12.8と相性のよい数は64なので(64×2=128)、Qに関する数字だろうという見当をつけ、こちらから先に検討していきます。

 

大学入試問題であれば、両者を検討しなければならないのですが、中学入試問題なので、先に検討してうまくいけば、答えが一つということを前提に、結果オーライです。

 

このあたり、先にPの可能性を検討した受験生はドツボにはまったと考えられます。

 

もし、Pに関しても、12.8と相性のよい数で、でも、答えではない、という問題設定だったとすると、PとQどちらを先に検討するかは「完全に運まかせ」となり、不公平感が残りますが、本問は、正解にアクセスする嗅覚がモノをいう設定となっています。

 

ここさえ切り抜ければ、あとは定番問題です。よって、大きく(20点ぐらい)差がついたことでしょう。

 

大問3が合否を分けたと思われます。

 

大問4「平面図形・回転」

 

本問は、図をかくのに時間がかかりますが、それ以外は、定番問題です。

 

とてもきりの良い数字設定なので、計算はラクです。

 

小問も2問にとどめているので、慎重に図をかいて、ゲットしたい問題です。

 

大問5「立体図形・切断」

 

(1)(2)は、定番問題。ここは落とせません。

 

逆に(3)は難問。ポイントは、立体(3次元)を平面(2次元)に置き換えて考える点にあります。

 

ただし、本問は渋幕オリジナルの難問ではなく、立体切断をよく出題する学校では、しばしば見かけます。

 

出るとわかっていても、準備するのが難しい。

 

準備していても、本番で実行するのは難しい。

 

そのような問題です。正答率は低かったと推測します。

 

「3次元を2次元に置き換える」というのは、算数の発想法「次数を下げる」というものです。当ホームページ内

 

「算数の成績を上げるには?」(タップ・クリックできます)

 

で、算数の発想法について、さらに説明しています。

 

対策(第1回)

2021年度の出題傾向、難易度とも、例年通りでしたので、対策も例年通りといえます。

 

渋幕は、1にも2にも「場合分け能力」が大切です。高校数学並みの高い水準の問題が出題されています。

 

もっとも、小学生にそこまで求めるのはほとんど無理で、その結果、合格者平均点が、低くなっています。

 

でも、本番では無理でも、練習用にはすぐれた教材です。

 

日頃、過去問演習で、場合分けのトレーニングをしていれば、徐々に力がつき、それが何らかの形で報われることでしょう。

 

場合分けは、自分で手を動かして考えることが重要です。

 

解説を一方的に読む、聴く、視るでは、力がつきません。

 

教わるとしても、状況に応じて、適切なヒントをもらうのにとどめて、少しずつ前進していく勉強が効果的です。

 



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