目次 |
「傾向」 |
1、概要 |
(1)入試結果 |
(2)出題分野 |
(3)難易度 |
2、各論(大問1~6) |
「対策」 |
(1)入試結果
学習院中等科2020年第1回・算数は、例年通りでした。
受験者平均点 | 合格者平均点 | |
2020年 | 58.1 | 69.3 |
2019年 | 57.9 | 68.2 |
2018年 | 57.9 | 71.3 |
2017年 | 55.7 | 64.2 |
(学習院中等科ホームページより引用・算数100点満点)
(2)出題分野
「平面図形」「速さ」「規則性」を中心に出題されています。
大問2の小問群では、「和差算」「時計算」「食塩水」「売買算」も出題されています。
これらのうち、「速さ」は、大問4、大問6と、2問出題されていて、最も重要な分野となっています。
いずれも「進行グラフ」ですが、縦軸の取り方が異なっていて、深い理解が求められます。
(3)難易度
大問1~3は、基本問題が並んでいますが、大問4から徐々にレベルアップして、最後の大問6は、かなりの難問となっています。
「出題分野&難易度マップ」を掲載致します。(難易度はレッツ算数教室の分析によります)
Aが最も易しく、BCDEの順に難しくなっていきます。
出題分野&難易度マップ | ||
大問1 | ||
(1) | 計算問題 | A |
(2) | 計算問題 | A |
(3) | 計算問題 | A |
(4) | 計算問題 | A |
大問2 | ||
(1) | 和差算 | B |
(2) | 速さ・時計算 | B |
(3) | 割合・食塩水 | B |
(4) | 割合・売買算 | B |
大問3 | ||
(1) | 平面図形 | B |
(2) | 平面図形 | B |
(3) | 平面図形 | B |
大問4 | ||
(1) | 速さ・進行グラフ | C |
(2) | 速さ・進行グラフ | C |
(3) | 速さ・進行グラフ | C |
大問5 | ||
(1) | 規則性 | C |
(2) | 規則性 | C |
(3) | 規則性 | D |
大問6 | ||
(1) | 速さ・進行グラフ | D |
(2) | 速さ・進行グラフ | E |
(3) | 速さ・進行グラフ | E |
それでは、順に見ていきましょう。
大問1「計算問題」
ウオーミングアップ問題です。
大問2
引き続き、ウオーミングアップ問題です。
(1)は、和差算。
(2)は、時計算。
(3)は、食塩水問題。
いずれも、それぞれの分野で最初に勉強する基本形です。
(4)は、売買算。「利益」=「売上」ー「仕入れ合計」の式から求めます。
大問3「平面図形」
(1)小さいおうぎ形の半径は2cm、中心角合計は180度。大きいおうぎ形の半径は3cm、中心角合計は180度です。
(2)おうぎ形の半径は(1)と同じ。中心角合計は、いずれも360度です。
ここで、「正六角形の面積がわからない!」とあわてないように、気をつけましょう。(2)は、「周の長さ」が問われています。
(3)おうぎ形の半径は(1)と同じ。中心角合計は540度です。(円の3/2倍)
大問4「速さ・流水算」
川の流速を1とすると、Pの上りは2、Qの下りは8となります。
(1)2×(8.4-1)-1=13.8……AB間の距離
13.8÷2=6.9時間(答)
(2)13.8-2×3.3=7.2
7.2÷8=0.9、3.3-0.9=2.4時間(答)
(3)12.8÷8+1=2.6時間(答)
オーソドックスな進行グラフの問題です。
大問5「規則性」
3の倍数と5の倍数が問題となっていますから、周期は15です。
(1)30÷7=4あまり2
5周期目の2番目です。
15×4+5=65(答)
(2)150÷15=10、10周期目の最後です。
7×10=70番目(答)
(3)50÷7=7あまり1
7周期目の最後は15×7=105、8周期目の最初は108
よって、(0+105)×50÷2=2625
2625+108=2733
大問6「速さ・進行グラフ」
(1)1つ目の●は、Pが信号で止まったことを示しています。すなわち、Pは6kmを5分で走ります。
6÷5=1.2km/分(答)
(2)4つ目の●は、Qが信号で止まったことを示しています。でも、止まっていた時間がわかりません。
他方、Pは、ちょうど信号が赤になったとき信号にさしかかったので、1分間止まっていたことがわかります。
よって、PがB地点に着くのは、5+1+5=11分後。これが6つ目の●になります。
よって、Qの速さは
(12-8.4)÷(15.5-11)=0.8km/分(答)
(3)
0.8×6=4.8、(6-4.8)÷(1.2+0.8)=0.6
6+0.6=6.6……ア
6÷0.8=7.5分……Qが信号にさしかかった時刻
1.2×(7.5-6)=1.8……Pが信号を出発してから移動した距離
よってイは1.8(答)
「進行グラフ」が大問で2問出題されています。かなりの重要分野でしょう。
特に、大問6の進行グラフは、縦軸の取り方が「PとQの間の距離」という特殊なものであり、練習しておかないと、混乱します。
そこで、対策となります。
グラフの傾きには、4通りの場合があり得ます。
問題の進行グラフがどのケースなのか、よく考えてみましょう。