武蔵 算数 対策 2021年


速報! 武蔵 2022年

傾向

概要

 

2021年の武蔵の算数も、例年通りの出題傾向でした。

 

武蔵では定番の「速さと比(大問2)」「三角形の相似(大問3」「ルール指定問題(大問4)」が出題されました。

 

難易度も、易しい問題から難しい問題へと、ほぼ順番に並んでいます。

 

このあたり、受験テクニックに走ることなく、素朴な出題を心がけている、武蔵らしさが表れています。

 

どこの学校の問題か、ブラインドにしていても、武蔵の算数であることが、推測されるのではないかと思います。

 

さらに特筆すべきは、「立方体の展開図」が、出題されたことです。

 

レッツ算数教室では、従来より、武蔵対策として、立方体の展開図11種類を、

 

暗記ではなく、「論理的な順序に従って」

 

自力で書き出せるようにしておくことの重要性を指摘してきました。

 

そのような文面のレッツのチラシを受け取られた方も、多数いらっしゃることと思います。

 

まさに、その通り、絵に描いたような出題でした。

 

この出題には、武蔵中学からの強いメッセージを感じます。

 

どのようなメッセージか?

 

大問4の解説中で、くわしくご説明します。

 

さて、出題傾向は例年通りでしたが、難易度は、やや高めだったかもしれません。

 

学校公表の合格者平均点は、100点満点で58.4点、受験者平均点は42点。

 

算数だけで、16.4点もの大差がつきました。

 

他教科と比べ、圧倒的です。

 

「出題分野&難易度マップ」を掲載致します。(難易度はレッツ算数教室の分析によります)

 

Aが最も易しく、BCDEの順に難しくなっていきます。

 

   出題分野&難易度マップ

大問1

   
(1)  計算
(2) 仕事算・比 B
大問2    
(1) 速さと比・峠の問題 B
(2) 速さと比・峠の問題 B
(3) 速さと比・峠の問題 B
(4) 速さと比・峠の問題 B
大問3    
(1) 平面図形と比・正六角形 B
(2) 平面図形と比・正六角形 D
(3) 平面図形と比・正六角形 D
大問4    
(1) 展開図 B
(2)ア 展開図・場合の数 C
   イ 展開図・場合の数 E
   ウ 展開図・場合の数 E

大問3の(2)(3)、大問4の(2)イウは、かなり難しく、これをすべて落としても、合格者平均点には達するものと推測されます。

 

それでは、各問題を順に見ていきましょう。

 

大問1

(1)計算

(2)仕事算・比

 

武蔵の受験生にとっては、簡単な定番問題です。

 

大問2 速さと比・峠の問題

(1)(2)(3)(4)

 

本問も、定番問題。塾のテキストに、ほぼ、そのまま、掲載されているでしょう。

 

大問3 平面図形と比・正六角形

 

(1)定番問題。冒頭からここまで、合格するには、1問も落とせません。

 

ここから先、急に難化するからです。

 

ところが、受験者平均点は42点。

 

ということは、不合格者平均点は、さらに低いわけで、不合格者は、ここまでで、ポロポロ落としたことになります。

 

武蔵の受験生たるもの、定番問題ぐらい、きっちりマスターしておかなければ、願書を提出する意味はない!と、肝に銘じておきましょう。

 

(2)(3)

 

さて、問題文に、GI:IC=2:3とあります。

 

2辺の長さの比が2:3の有名三角形はありませんから、三角形GICをいくらながめていても、話が先に進まない、と気づくべきです。

 

ここで、正六角形の中心をOとします。

 

三角形BCIと三角形BOIが合同であることに気づけば、(2)は解けます。ICがIOに移るからです。

 

すると、三角形IBGと三角形IODは相似で、相似比は2:3

 

よって、BG:GC=EH:HF=2:1

 

よって、三角形JODと三角形JHFも相似で、相似比は3:1

 

ここまでわかれば、武蔵の受験生であれば、解けるでしょう。

 

結局、使っている技術は、

  • 正六角形の中心を書き込むこと
  • BDを線対称の軸にすること

という、基本だけですが、「GI:ICの比」という、盲点を突いてきた点、見事な出題です。

 

 

次は、難問の大問4。

 

マニアックな説明が続きます。

 

この記事を過去問演習と合わせてお読みいただいている方以外は、ほどほどに読み流していただいても大丈夫です。

 

重要部分は、「赤い文字」にしておきます。

 

 

大問4 展開図・場合の数

 

(1)定番問題です。これは、ぜひ、取りたい問題です。

 

(2)(ア)(イ)(ウ)をどのような順番で解くか?

 

とりあえず、無我夢中で探すと、3つぐらいは、すぐ見つかって、(ア)が解けます。

 

ここで、完全にコツをつかんで、ルールに合う全ての展開図を書き出せれば、(イ)がわかり、その中から、Aが最も大きい展開図を選べば、(ウ)の答えが出ます。

 

これが、出題者の予定した解き方なのでしょう。

 

でも、私は、完全にコツをつかむ前に、16を含む展開図は正解になりえないこと、15を含む展開図が見つかったことから、先に(ウ)がわかってしまいました。

 

(イ)のように、「全部で何通りあるか」を確信をもって証明するのは、非常にハードルが高いので、一般的には、後回しにした方が、得策でしょう。

 

さて、このルール指定問題を解くコツは、どこにあるか?ポイントは2つ。

  1. 和が12になる組み合わせが何か?
  2. 「展開図の軸」をどのラインに取るか?

です。

 

1について。

 

和が12の組み合わせは(1,11)(2,10)(3,9)(4,8)(5,7)ですが、(4,8)は、どうやっても、となり合う面ですから、脱落します。

 

 

2について。

 

立方体の展開図は、面が1列に4個並ぶものと、1列に3個並ぶものが基本となります。

 

この、4個または3個に並んだ線を、「展開図の軸」とよぶことにします。

 

4個に並ぶ方が扱いが簡単で、3個の方は、4個の一部分を変形させた「派生物」と考えればよいので、まず、4個に並ぶ方から考えていきます。

 

この軸を「5,6,7,8」のラインに取るか、「2,6,10,14」のラインに取るのが、展開図を大量生産するコツらしい、ということが、問題文の「図2」からわかります。

 

「図2」が、何とも絶妙なヒントになっているのです。

 

あとは、和が12になる組み合わせを確認しながら、このラインの両側に1つずつ「耳」をつけ足していけばよいのです。

 

このあたりのことは、レッツ算数教室で、立方体の展開図を「論理的」に書き出すトレーニングをした人であれば、すぐ理解できます。

 

そのような目で、(1)の①~➅の図を見ると、②の展開図が、1列に4個並んだ展開図の代表、➅の展開図が、1列に3個並んだ展開図の代表で、これもまた、絶妙なヒントになっています。

 

こうして、ここまで10通りの展開図がすぐ見つかります。

 

それらの中で、Aが最も大きいのは、Aが15の場合で、これが(ウ)の正解の「有力候補」となります。

 

では、16を使う展開図はあるかというと、ありません。

 

なぜならば、16を使うと、必然的に12または15も使うことになりますが、そうすると、和が12の組み合わせが2組作れません。

 

よって、15を使う展開図が(ウ)の正解となります。

 

さて、まだ、宿題が残っています。

 

(イ)で10種類の展開図が見つかり、結局、これが答えなのですが、これ以上ない、ということの証明をするには、(1)④の展開図も含めて、色々と確認しなければなりません。

 

この手の問題を解くには、一般的には、11種類の展開図を書き出して、使えるものが何か、縦横様々な向きで、確認するのです。

 

それはちょっと、厳しいなあ……

 

ただ、手間と時間がかかるだけの、満点阻止問題だよなあ……

 

と思ってしまいます。

 

ところが。

 

本問は、その他凡百の満点阻止問題とは、決定的に異なります。

 

「6」に注目することで、先の10種類がすべてであるということが、証明できるのです。

 

和が12の組み合わせは、(1,11)(2,10)(3,9)(5,7)ですが、これらは、すべて、「6」をはさんで、点対称の位置にあります。

 

これら4つの組から、2つを選ぶのですが、その際、仮に「6」を経由しないで選ぶと、たとえば

 

「1,2,3,7,11,10」

 

のように、「6」をぐるっと取り囲むようになり、和が12になる2つの面は、向かい合わず、重なってしまいます。

 

つまり、立方体の展開図になりません。

 

「2,3,7,11,10,9」についても、同様。

 

しかも、「図形の対称性」より、これ以外もすべてボツということが、具体的に確認しなくても、わかります。

 

よって、「6」は必ず使う、ということが、証明できました。

 

つまり、「5,6,7」のラインと、「2,6,10」のラインは、少なくともどちらか1つが絶対に必要。

 

よって、先に検討した10種類が全てとなります。

 

さらにつけ加えると、この2本のラインと、和が12になる2数の配置は、対角線「1,6,11,16」を軸として、「線対称」なので、一方のラインについて書き出した5つの展開図は、他方のラインについて書き出した5つの展開図と、すべて1:1対応で、ピッタリ重なります。

 

つまり、本問は、対称性に関する数学、「群論入門」だったのです。

 

「群論」「群・環・体」は、大学以上で学ぶ数学の分野の一つです。

 

数学を、基礎の部分で支えるだけでなく、化学の分子構造、、暗号理論(インターネットのセキュリティー)など、様々な分野に応用されています。

 

それを、足し算さえできれば、小学生にも考えることができるようにしたのが、大問4です。

 

本問は、立方体の展開図を「理解」するための最高の教材であるとともに、「群論入門」、「自分の頭で考える=アクティブラーニング」の教材としても、素晴らしいと思います。

 

ここに、武蔵のメッセージが込められています。

  • 中学受験勉強を、受験テクニックの習得で終わらせない
  • アクティブラーニングの一環とする
  • 大学入学後も役立つ、社会人になってからも役立つ、本物の知識と思考力を中学受験段階から育てる
  • ただし、思考の準備に必要な基礎知識のハードルは下げ、過剰な負担を強いない
  • 武蔵入学後も、そのような教育を実施する意欲と能力が、武蔵にはある

私は、大問4から、そのようなメッセージを読み解きました。

 

対策

合格だけを考えるならば、大問1(1)から大問3(1)までと、大問4(1)を満点にすることが、最短コースです。

 

そのためには、塾のテキストで、定番問題を固めることです。

 

でも、これは、おそらく、武蔵中学の本意ではありません。

 

塾で一生懸命がんばってきた受験生が、「がんばってきて、よかった」と思えるよう、一定の配慮をしたものかもしれませんが、武蔵側が、塾で頑張らざるを得ない社会的風潮を、好ましく思っていないことは、明らかです。

 

もしかすると、配点が思考力系の問題へ、傾斜しているかもしれません。

 

よって、合格に万全を期すならば、定番問題プラスアルファの勉強が望まれます。

 

それが、「自分の頭で考える=アクティブラーニング」です。

 

そのための最適な教材の一つが、大問4「立方体の展開図」「対称性の問題」です。

 

「対称性」は、大問2「峠の問題」、大問3「正六角形の問題」とも関連します。

 

2021年度は、「対称性」が全体を流れる重要テーマでした。

 

「対称性」関連の問題を、自分の頭で考えるトレーニングが、武蔵中学が求める、理想の勉強の一つと思われます。

 

たとえば、本年度大問4は、「向かい合う面の和」 が、「14の場合」「20の場合」「22の場合」に作り替えることができます。

 

「対称性」を鍛えるトレーニングになります。



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