目次 |
「傾向」 |
1、概要 |
(1)入試結果 |
(2)出題分野 |
(3)難易度 |
2、各論(大問1~5) |
「対策」 |
(1)入試結果
サレジオ2023年A・算数は、平均点高めの結果となりました。
年度 | 受験者平均点 | 合格者平均点 |
2023 |
68.7 | 81.0 |
2022 |
59.8 | 69.4 |
2021 |
68.4 | 77.1 |
2020 | 51.8 | 64.8 |
(学校ホームページより。算数100点満点)
(2)出題分野
「約束記号」「平面図形」「点の移動」を中心に出題されています。
「会話形式」の問題も出題されています。
(3)難易度
本年度も、難しい問題は何問か出題されていますが、昨年に比べ、ページ数が減ったため、受験生の負担は軽くなったようです。
出題分野&難易度マップを掲載いたします。(難易度はレッツ算数教室の分析によります)
Aが最も易しく、BCDEの順に難しくなっていきます。
出題分野&難易度マップ | ||
大問1 | ||
(1) | 計算の工夫 | B |
(2) | 計算 | A |
大問2 | ||
(1) | 立体図形 | B |
(2) | 選挙 | B |
(3) | 割合・濃さ | C |
(4) | 速さ | B |
(5) | 文章題 | D |
大問3 | ||
(1) | 約束記号 | C |
(2) | 約束記号 | C |
(3) | 約束記号 | E |
大問4 | ||
(1) | 平面図形・会話形式 | C |
(2) | 平面図形・会話形式 | D |
(3) | 平面図形・会話形式 | D |
大問5 | ||
(1) | 点の移動・グラフ | B |
(2) | 点の移動・グラフ | C |
(3) | 点の移動・グラフ | E |
それでは順に見ていきましょう。
大問1「計算の工夫」
(1)
と考えます。
大問2
基本~標準レベルの問題ですが、(5)がやや高度です。
2/3÷10:1/3÷15=3:1
よって、1日あたりの平均は
(10×3+15×1)÷(1+3)=45/4問
9:45/4=4:5で、差の1が7日間にあたるので、夏休みは7×5=35日間
9×35=315問(答え)
大問3「約束記号」
「3乗の和」は高校数学の「数列」で勉強する基本公式で、証明はなかなか自分で思いつけるようなものではありません。
ただ、規則性を見つけるだけなら、気づくことも可能でしょう……か?
大問4「平面図形・会話形式」
本問は、相似の三角形の候補が、選択肢で示されているので、比較的見つけやすいでしょう。
(2)でAHの長さをきいているのは、AH×DO÷2=三角形AODの面積だからです。
三角形AODの面積を2倍すると、正方形ABCDの面積になります。
大問5「点の移動・グラフ」
本問は、点A、B、Cそれぞれが、1秒間に回る角度(角速度)を求めると、解きやすくなります。
(3)では、「回数」だけ答えればよいので、何秒後かは求める必要がありません。
よって、3点A、B、Cの並び順に注目して、たとえば、
「AとCが出会ってからBとCが出会うまでの間のどこかで、CA=CBの二等辺三角形ができるはずである」
と考えることで足ります。
また、グラフの前半と後半が線対象なので、前半だけ調べて2倍すればOKです。
昨年度の問題文が非常に長文だったのに比べ、本年度はやや短くなりました。
そのためか、難しい問題も出題されていながら、平均点はかなり上昇しました。
昨年度の平均点が下がったのは、やはり、時間配分の問題と、精神的な動揺が、主な原因ではないかと思われます。
今後も、予期せぬ事態が起きる可能性はありますが、落ち着いて対処できれば、逆にチャンスとなるでしょう。
大問3「約束記号」の出題元は、高校数学の「数列」になります。
高校数学の「数列」「場合の数」は、中学受験・算数ととても相性が良く、先取り問題が出題されやすい分野です。
有名なところでは、「フィボナッチ数列」や「じゅず順列」があります。
大学受験にも直接役立つ分野なので、勉強する価値が大いにあります。
「各論」の解説中でも述べましたが、大問5(3)は、「回数」だけが問題なので、「時間」を求めることなく速攻で答えを出しましょう。
長文化が進む中、なるべく効率的に答えを求める工夫が大切です。