目次 |
「傾向」 |
1、概要 |
(1)出題分野 |
(2)難易度 |
2、各論(大問1~9) |
「対策」 |
1、概要
慶應普通部2021年度・算数は、例年通りの出題傾向、難易度でした。
(1)出題分野
「平面図形」「速さ」「場合の数」「比」などから出題されています。
場合の数以外にも、「場合分け」を必要とする問題が出題されています。(大問6)
慶應普通部らしい出題です。
(2)難易度
ほぼ例年通りと言えますが、多少易し目だった感があります。
大問7、8、9など、終盤の応用問題にしては、パターン通りの定番問題に近いものが出題されています。
社会状況への配慮と思われます。
「出題分野&難易度マップ」を掲載致します。(難易度はレッツ算数教室の分析によります)
Aが最も易しく、BCDEの順に難しくなっていきます。
出題分野&難易度マップ | ||
大問1 | ||
① | 計算問題 | A |
② | 計算問題 | A |
大問2 | ||
① | 平面図形・角度 | B |
② | 平面図形・角度 | C |
大問3 | 比 | C |
大問4 | 場合の数 | C |
大問5 | 不等式 | E |
大問6 | 和差算 | D |
大問7 | ||
① | 立体図形と比 | B |
② | 立体図形と比 | E |
大問8 | ||
① | 速さ・峠の問題 | C |
② | 速さ・峠の問題 | D |
大問9 | 平面図形と比 | D |
それでは、順に見ていきましょう。
2、各論(大問1~9)
大問1「計算問題」
①は通分が大変そうですが、2021=43×47は事前に準備してあるはずなので、188=47×4も容易に見つかるでしょう。
大問2「平面図形・角度」
等しい辺に注目すると、二等辺三角形ができます。
あとは、いもづる式に求められます。
大問3「比」
残りの所持金が同じになったので、
A×(3/10)=B×(1/5)=C×(3/17)
と式を立てれば、比が出ます。
大問4「場合の数」
3の倍数の性質は、各位の数の和が3の倍数。
よって、和が3になる組み合わせを書き出し、その後、並べ替えの方法を数えます。
もれなく、重複なく、数え上げる練習を積んでおきましょう。
以上、大問4までは、満点を目指しましょう。
大問5「不等式」
問題文の言い回しからは、「差集め算(過不足算)」のように見えますが、差集め算として解こうとすると、解きにくくなります。
「1人3個ずつ配ると500個以上余ります」から、不等式を立て、666人以下とわかります。
1人減らすと、「もらえない生徒が何人減るか」を書き出して、規則性を見つけると、スムーズに解けるでしょう。
本年度中、最も難しい問題の一つと思われます。
大問6「和差算」
「最も小さい数をAとする」ので、ABの大小関係は決まりますが、BC間、CD間は場合分けです。
2×2=4通りについて調べれば、そのうちの一つが答えです。
大問7「立体図形と比」
①は、相似比と面積比の関係です。
②は、大問5と並び、本年度中、最も難しい問題です。
円柱Bの底面の半径をr、高さをhとして、式を立てます。(ほとんど方程式です)
14×r×r=8×r×h
これより、r:h=4:7
大問8「速さ・峠の問題」
本問は、初めて出題されたときは、相当な難問でしたが、現在はすっかり有名な定番問題となっています。
どの塾のテキストにも収録されています。
大問9「平面図形と比」
正六角形の問題は、内部に6個の正三角形をかくことが多いのですが、本問は外付けタイプです。
辺BC、EFの外側に、正三角形を貼り付けて、三角形の相似比を利用します。
連比(比合わせ)のテクニックも使います。
やや複雑ですが、定番問題の範囲内です。
大問6「和差算」は、「場合の数」には分類しませんが、実質的には、場合分け能力で決まります。
このように、慶應普通部の算数には、隠れたテーマとして、「場合分け」が存在しています。
対策の一つとして、実際に場合分けする前に、「場合分けしたら何通りになるか?」ということを予測する練習も大切です。
本問では、2×2=4通りとわかるので、このくらいならば、全検索してもそれほど時間はかからないと、判断します。
もし、場合分けが非現実的なほど多岐にわたるようであれば、他の方法を考えます。
(青い文字をタップ、クリック) |
慶應普通部の算数・トップ |
慶應普通部 算数 対策 2023年 |
慶應普通部 算数 対策 2022年 |
慶應普通部 算数 対策 2020年 |
慶應普通部 算数 対策 2019年 |