目次 |
「傾向」 |
1、概要 |
(1)入試結果 |
(2)出題分野 |
(3)難易度 |
2、各論(大問1~5) |
「対策」 |
(1)入試結果
受験者平均点 | 合格者平均点 | |
2020年 | 54.4 | 69.8 |
2019年 | 47.0 | 57.8 |
(白百合中学ホームページより引用・算数100点満点)
(2)出題分野
「倍数算」「場合の数」「時計算」「平面図形」から出題されています。(平面図形は大問2問分の出題です)
大問は合計5問ですが、計算問題や小問群はなく、すべて応用問題となっています。
とりわけ、平面図形は「移動」と「比」の2問が出題されていて、重視されています。
また、大問5の平面図形は、計算が大変で、計算問題が出題されていない分を、ここで補っていると推察されます。
(3)難易度
大問1、2は比較的易しい問題ですが、大問3から難しくなっていきます。
特に、大問3「場合の数」の(3)は、自分で数え落としがないか確認するのが困難であり、自信をもって解答するのは難しいでしょう。
このあたり、すぐれた場合分け能力なみならず、精神的な強さも必要です。
「出題分野&難易度マップ」を掲載致します。(難易度は、レッツ算数教室の分析によります)
Aが最も易しく、BCDEの順に難しくなっていきます。
出題分野&難易度マップ | ||
大問1 | ||
(1) | 倍数算 | B |
(2) | 倍数算 | C |
大問2 | 平面図形 | C |
大問3 | ||
(1) | 場合の数 | C |
(2) | 場合の数 | D |
(3) | 場合の数 | E |
大問4 | ||
(1) | 時計算 | B |
(2) | 時計算 | D |
大問5 | ||
(1) | 平面図形と比 | C |
(2) | 平面図形と比 | D |
(3) | 平面図形と比 | D |
それでは、順に見ていきましょう。
大問1「倍数算」
(1)AとBの合計が180個。これを2:1に比例配分すると、120個と60個。
144-120=24個(答)
(2)CがAとBに⑤個ずつあげたとすると、
A=⑤+120、B=⑤+60
AがDに1/5をあげると、自分の分は4/5になるからA=④+96
④+96:⑤+60=6:5
よって、④+96=⑥+72、②=24、⑤=60個(答)
ポイント:CがAとBにあげた個数を⑤とおくことによって、計算がラクになります。
大問2「平面図形」
円「あ」が円「い」を2/5周したとき、再び点Aが「い」の円周上にきます。
(9×9-5×5)×2/5×3.14+2×2×3.14
=82.826㎠(答)
大問3「場合の数」
(1)
1ケタ→9個
2ケタ→2×90=180個
3ケタ→3×900=2700個
4ケタ→4×(2020-999)=4084個
合計6973個(答)
(2)
1の位の9→202個
10の位の9→200個
100の位の9→200個
合計602個(答)
(3)
3つの整数→[1,2,3]
2つの整数→[231,232][312,313]
1つの整数→[123][1123][1230][1231][1232][1233][1234][1235][1236][1237][1238][1239]
以上15か所(答)
大問4「時計算」
(1)360÷60=6……長針、360÷80=4.5……短針
90÷(6-4.5)=60分後(答)
(2)長針と同じ速さで、逆向きに回る針(シャドー)を考えます。
シャドーと短針が合わせて720度進んだときなので、720÷(6+4.5)=68と4/7分後(答)
大問5「平面図形と比」
(1)FG:GI=FC:CD=5:6(答)
(2)(3)
GHとBEの交点をJとします。
三角形GFC、GJB、IJEは相似。三角形HJEと三角形HIAも相似。
これらを利用します。
ただし、(3)の答えの分母が44であることからも明らかなように、計算が煩雑です。
大問1から、いきなり応用問題で、「計算問題」や「小問群」がありません。
その分、計算や場合分けに時間のかかる問題が出題されています。
理論的には、すぐに解法を思いついたとしても、やみくもに計算していくと、ドツボにはまる危険があります。
これを回避するには、どうすれば良いでしょうか?
個別の問題の「計算の工夫」については、「傾向」の中の「各論」でご説明しています。
例えば、大問1では、CがAとBにあげた個数を⑤に設定しました。
大問4では、「シャドー」を用いました。
このような「計算の工夫」は、計算ドリルでは身につきません。
なぜならば、計算ドリルでは、あらかじめ式が与えられているのに対し、白百合の応用問題では、自分で式の立て方を工夫する必要があるからです。
この点については、当ホームページ内
算数の成績を上げるには?>使える計算力、使えない計算力(タップ・クリックできます)
の中で、くわしくご説明しています。