攻玉社の国際学級入試2019年算数について、ご説明します。
大問は全4問。
大問1は、計算問題中心に、小問が4問。
大問2は、様々な分野の一行題が10問。難易度は、中ぐらいですが、中学受験・算数に特有のテクニックや工夫が含まれています。
大問3は「規則性」。定番問題ですがかなり難しいテクニックも用います。
大問4は、「規則性」「立体図形」。難しく、特に(2)は、あまり見かけない難問です(気がつけば、簡単です)。
全体的に、ただ点数を取らせるだけの、簡単な問題はありませんが、超難問もありません。
中ぐらいから、中の上、やや難し目の問題が多くを占めています。(特に、大問2)
一般入試での合格も目指している受験生にとっては、取り組みやすい問題が多いといえますが、短期間の勉強で受験するには、おさえるべき基本的テクニックが多く、結構大変です。
順に見ていきましょう。
大問1
(1)「計算問題」
ウオーミングアップ問題です。逆算の順序は、よく慣れておきましょう。
143=130+13=13×(10+1)=13×11です。これで、約分しやすくなります。
(2)「計算の工夫(部分分数分解)」
1/2×3=1/2-1/3です。
結局、1-(1/2-1/6)になります。
1-1/3=2/3(答え)
定番のテクニックです。
(3)「計算の工夫」
9+99+999を計算するのは、少々骨が折れます。
右辺に9があるので、9で割ってしまいましょう。
1+11+111=123
よって、9+9×9+□=123
□=123-90=33(答え)
(4)「計算の工夫」「約束記号」
約分すると、分母は1になります。
分子は16×15-15=15×(16-1)=225(答え)
以上、大問1から、それなりに手ごたえのある問題でした。
細かいテクニックを知っているかどうかで、解き終わるまでの時間に、大きな差がつきます。
大問2
(1)「場合の数」
千の位の数字は3または4の2通り。
百、十、一の位の数字は、残りの数字なので、順に、3、2、1通り。
よって、2×3×2×1=12通り(答え)
(2)「売買算」
500×1.2=600円…定価
600×(1-0.1)=540円
よって、利益はそれぞれ100円、40円。
100×12÷40=30個(答え)
(3)「方陣算」
縦、横とも1列ずつ増やすには、9+4=13枚必要です。
角の1個を除くと、12個。2で割って6個。これが、もとの正方形の1辺に並ぶ、硬貨の枚数。
6×6+9=45枚(答え)
(4)「規則性(群数列)」
分母が同じ分数を、同じグループとして、グループ分けします。
すると、分子は、(1)(21)(321)(4321)…となります。
各グループの先頭の分子は、グループ番号を表しています。
99=1+2+3…12+13+8
よって、99番目の分数は、第14グループの8番目です。
分母は16。分子は、14-8+1=7。
よって7/16(16分の7)(答え)
14から数え始めて、13、12、と降りていき、8番目の数は何か?
計算で(スマートに)求めるには、上記のようになります。
でも、この考え方は、結構難しく、「1ズレてしまう」というミスが、よく起きます。
記述式ではなく、答えだけ書けばよい試験で、しかも8番目ぐらいならば、
「14、13、12、……」と、指で数えた方が、安全です。
(5)「仕事算」
6×24=144…全仕事量
144-6×8=96
96÷(6+10)=6…9日目以降の日数
8+6=14日(答え)
(6)「相当算」
32ページが2/3にあたるので、1日目に読んだ残りは、32÷2×3=48ページ
全体の2/7が16+48=64ページだから、全体は64÷2×7=224(答え)
(7)「速さと比」
毎分80mと毎分110mでは、速さの比は8:11。
よって、かかる時間の比は11:8
差の3が6分だから、1は2分。8は16分
8時14分の16分前は、7時58分(答え)
中学受験・算数に特有の、基本的なテクニックです。
しっかり、マスターしましょう。
(8)「集合」
国語が70点以上だった生徒が、全員、算数も70点以上だった場合が、最も多くなります。ウは125人。
仮に、両方とも70点以上の生徒が0人だとすると、158+125=283人で、250人を33人オーバーします。
よって、最も少なくても、33人は、両方とも70点以上にする必要があります。エは33人。
(9)「平面図形(角度)」
Xの上隣りの角も38度です。(平行線が2組だから)
Xの下隣りの角は、折る前は、Xと重なっていたので、等しくなります。
よって、(180-38)÷2=71度(答え)
(10)「平面図形(面積)」
FEをEの先へ延長し、AFをFの先へ延長します。
糸が通る部分は、3つのおうぎ形(いずれも中心角は60度)に、分割されます。
(3×3+6×6+9×9)×3.14÷6=65.94
(答え)
大問3「規則性」
(1)一番左の列には、平方数が並んでいます。(なぜならば、正方形の最後の数だから)
13×13=169(答え)
(2)20×20の正方形の左下は400、右上は19×19+1=362。
上から20番目、左から20番目のマス目(正方形の右下)は、両者の平均だから、
(400+362)÷2=381(答え)
(3)2019を平方数ではさむことを考えます。
40×40=1600、50×50=2500なので、試しに45×45を計算してみると、2025。
つまり、上から45番目、左から1番目の数は、2025。
2019は、25-18=7番目。
よって、ア=45、イ=7(答え)
(4)2019÷3=673…真ん中
よって、3つの数は、674,673,672。
25×25=625は、有名。よって、
26×26=676…上から26番目、左から1番目は676
よって、カ=26、キ=3、ク=5(答え)
この回の問題では、難しい問題の一つです。
規則性の問題では、平方数を使うことがよくあります。
平方数は、20×20まで覚えておくと、便利です。
大問4「数の性質」「立体図形」
(1)81=9×9より、底面の1辺には、正方形が9個並んでいます。
よって、側面の一番下の段には、上向きの正三角形が9個、並んでいます。
ということは、側面の正三角形は9段です。
上の段から、
1+3+5+7+9+11+13+15+17=9×9=81
…1つの側面の正三角形の数。
81×4=324(答え)
「1から始まる奇数の和」は、平方数になります。
上では、9番目の奇数までの和なので、9×9です。
これは、中学受験・算数では、重要なテクニックです。
(2)OA、OBとも、底面の正方形の一辺と、長さが等しい。
ABは底面の正方形の対角線。
よって、三角形OABは、底面の正方形を対角線で切ったときの、直角二等辺三角形と、合同です。
よって、90度(答え)
(3)(2)から、底面の正方形の対角線は、90cmとわかります。
90×90÷2÷81=50㎠(答え)
(4)四角すいの体積は「底面積×高さ÷3」です。
50×81×45÷3=60750㎤(答え)
(2)は、思いつかないと、難しい問題です。
「3辺の長さが等しい三角形」は、合同になります。(三角形の合同条件)
ほかにも、
に、2つの三角形は、合同になります。
くわしくは、中学校で学びます。
大問1、大問2については、基本的な知識で解けます。
塾のテキストの基本問題レベルを、しっかりマスターしておきましょう。
もし、塾に通える環境にいなくても、一般の書店で販売している中学受験用の問題集に収録されているレベルですから、自分で勉強すれば、何とかなるかもしれません。
大問3、4は、さすがに少々難しいです。
大問3は、(1)が重要なヒントになっています。このような問題を「誘導問題」といいます。
ここで、
ということに気がつくと、その後の展開が楽になります。
また、与えられた数に近い平方数に、素早く近づくには、ある程度、平方数を覚えておくのもいいでしょう。
などは、必修です。
大問4は、(2)が難しく、ここがわからなければ、(3)(4)もわかりません。
三角形の合同条件は、中学受験・算数では、あまり厳密に勉強しませんが、本当は、必要です。
とくに、攻玉社は、算数特別選抜がある学校です。
このくらいは、マスターしておきましょう。
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