開成 算数 対策 2018年


目次
「傾向」 
1、概要
(1)入試結果
(2)出題範囲
(3)難易度
2、各論(大問1~3)
「対策」

傾向

1、概要

(1)入試結果

 

開成が、2020年大学入試改革に向けた、実験的な出題を試み始めて、3年目になります。

 

2018年・算数は、前年までとうって変わって、易しい出題となりました。

 

  受験者平均点 合格者平均点
2018年  62.0 73.9
2017年 40.1 54.8
2016年 39.7 53.7

(開成中学ホームページより引用・算数85点満点)

 

(2)「出題分野」

 

「平面図形」「立体図形」「速さ」「割合」「場合の数」「数の性質」などから、幅広く出題されています。

 

大問1の小問群は、小問が(7)にまで及び、出題分野も細かく分かれています。

 

(3)難易度

 

全体的に易しく、平均点が前年比20点ほど上がりました。

 

もっとも、易しいといっても、終盤は作業量の多い問題が出題されていて、ミスが許されない難しさはあります。

 

「出題分野&難易度マップ」を掲載致します。(難易度はレッツ算数教室の分析によります)

 

Aが最も易しく、BCDEの順に難しくなっていきます。

 

   出題分野&難易度マップ
大問1    
(1) 計算の工夫 D
(2) 場合の数 C
(3) 速さ・流水算 B
(4) 割合・食塩水 C
(5) 立体切断・展開図 C
(6) 平面図形と比 C
(7) 平面図形と比 D
大問2    
(1) 平面図形 B
(2) 平面図形・規則性 D
大問3    
(1) 数の性質 D
(2) 数の性質 D
(3) 数の性質 E

 

それでは、順に見ていきましょう。

2、各論(大問1~3)

 

大問1

 

(1)「計算の工夫」

 

バリバリ方程式のようにも見えますが、左辺の( )と右辺の( )の比が求められるので、そうすると、ふつうの相当算で処理できます。

 

0.1875=(1と7/8)×1/10がポイントです。

 

(2)「場合の数」

 

赤、青、黄という漢字を書くのは、時間がかかるので、〇、×、△で表します。

 

そのあとは、対称性を目いっぱい利用しましょう。

 

左端は、〇、×、△の3通りあり、それぞれが対等な立場なので、〇の場合についてすべて調べて、3倍すれば、答えが求められます。

 

では、左端が〇の場合について、次は、×、△の2通りあり、それぞれが対等な立場なので、×の場合についてすべて調べて、2倍(初めからだと、3×2で6倍)すればOKです。

 

左端から順に〇×の場合、次は〇と△ですが、これらは対等ではありません。なぜならば、〇は1回使ったのに対し、△は初登場だからです。

 

そこで、このあたりから、樹形図をコツコツ書き始めます。

 

書いてみると、5通りあるので、結局5×6=30通り(答え)

 

(3)「速さ・流水算」

 

上りと下りの時間の比は42:112=3:8。

 

速さの比は3:8。

 

静水での速さは(3+8)÷2=5.5。

 

川の流れる速さは、5.5-3=2.5。

 

5.5÷2.5=2.2倍(答え)

 

(4)「割合・食塩水」

 

Nグラムを求めよう、と考え始めると、混乱します。

 

最終的に、容器Aは1.88%600グラム、容器Bは2.04%400グラムなので、食塩の合計量がわかります。

 

容器Aの最初の食塩の量も、1.62%600グラムから、計算できます。

 

よって、容器Bの最初の食塩の量もわかり、400で割れば、最初の濃度もわかります。

 

(5)「立体切断・展開図」

 

Dを底面と考え、BCEFをおこすと、立方体が切断された図形であることが、わかります。

 

(6)「平面図形と比」

 

Oから、新しい正六角形の各頂点に向かって、補助線を引きます。

 

6等分された正三角形の面積は、隙間の三角形の面積の3倍。

 

よって、新しい正六角形の面積は、外側の正六角形の面積の4分の3倍です。

 

(7)「平面図形と比」

 

1、三角形AIJの面積は、三角形ABGの面積をBI:IJ:JGで比例配分することによって、求められます。

 

BI:IJ:JGは、三角形の相似を使うことで、求められます。

 

三角形の相似比を求めるには、Gを通り、ADに平行な線を引くとよいでしょう。AB、AE、AFとの交点をL、M、Nとすると、相似が見つかります。

 

2、四角形HIJKの面積は、三角形AIJの面積から、三角形AHKの面積を引くことで、求められます。

 

三角形AHKの面積は、三角形ABDの面積をBH:HK:KDで比例配分することによって、求められます。

 

BH:HK:KDは、三角形の相似を使うことで、求められます。

 

 

以上、大問1(1)~(7)は、すべて易しい定番問題でした。

 

大問2

 

(1)「平面図形」

 

分配法則で要領よく計算しましょう。

 

(3.45+4.21+2.34)×2×3.14÷2=10×3.14=31.4(答え)

 

(2)「平面図形・規則性」

 

1÷7=0.142857142857……

 

よって、142857が周期です。

 

(1+4+2+8+5+7)×2×3.14÷2=27×3.14=84.78m

 

これが、1周期分の長さ。よって、

 

2018÷84.78=23あまり68.06

 

周期の最後の半径は7なので、3.14×7=21.98。これは、明らかに84.78-68.06より大きいので、24周期めの6番目の半円上です。

 

6×23+6=144番目(答え)

 

大問2も、易しい定番問題でした。

 

強いて言えば、計算の工夫をしないと、ミスが出るかもしれない、という点があります。

 

あと、「2018÷84.78を、商は整数で、あまりも求めなさい」という問題を解くわけですが、この問題は4年生の時に勉強して、それきり勉強していない、ド忘れした、という人もいたかもしれません。(あまりの小数点をどこに打つか?)

 

基本的すぎて、難しかったかもしれません。

 

大問3「数の性質」

 

「連続する整数による和分解」の問題です。

 

裏技については、当ホームページ内の特設ページで、くわしく解説しています。

 

「算数の成績を上げるには?」>「和分解の話」(タップ・クリックできます)

 

(1)7マス四方の正方形には、49マスあります。

 

□種類の整数を使うとすると、

  • □が奇数の時は、49÷□の商が、ちょうど真ん中の整数の個数になります。
  • □が偶数の時は、49÷□の商は小数部分が0.5になり、その前後の整数が中央部分の整数になります。

□は3以上なので、3から順に試していきます。

 

49÷7=7より、真ん中の数は7とわかります。あとは、上に3個、下に3個なので、上は6、5、4。下は8、9、10。答えは、4~10。

 

(2)100マスあります。

 

100÷5=20より、真ん中が20。上に2個(19、18)、下に2個(21、22)。

 

よって、18~22(答え)

 

100÷8=12.5より、中央部分は、12と13。上に3個、下に3個なので、上は11、10、9、下は14、15、16。

 

よって、9~16(答え)

 

(3)30×30=900より、900マスあります。

 

900÷□を□=3、4、5、6……と試していきます。

 

すると、3、5、8、9、15、24、25……の場合にうまくいくことがわかりますが、さて、この先どこまで調べればよいのでしょうか?

 

まさか、900まで試し続けるわけにもいきませんし……。

 

900÷40=22.5の場合もうまくいきますが、中央部分が22、23で、上に19個、下に19個取るのは、結構ギリギリです。22-19=3より、最も下が3。もう少しで、0に届いてしまいます。

 

900÷45=20より、真ん中は20。上に22個は、取れません。つまり、これより大きい□はないことが、確定です。

 

答えは3、5、8、9、15、24、25、40。

 

ちなみに、「正方形のマス」は、どうでもいい条件です。「たて10マス、横90マスの長方形」でも同じことです。

 

さらに、「nはn個」も関係ありません。何種類の整数を何個ずつ並べるかが問題なのであって、並べる個数と並べる整数の数が一致している必要性は、まったくありません。

 

でも、何か、「n×nは平方数。正方形のマスの個数も平方数。関係あるのか?」と考え込んでしまうかもしれません。

 

個数が決まったときに、書き込む数が自動的に決まるように、「n個のものはn」と決めただけです。

対策

大問2(2)、大問3(3)に多少手間がかかる以外は、ありえないほど易しい定番問題ばかりでした。

 

この年の傾向を、開成算数の一般的な傾向と考えるのは、危険です。

 

あくまでも、実験的な出題にとどまるものと心得ておきましょう。

 

ただし、計算や操作に手間がかかるのは、開成の特徴なので、計算練習や、ミスをなくす練習などは、重要です。



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