目次 |
「傾向」 |
1、概要 |
(1)入試結果 |
(2)出題分野 |
(3)難易度 |
2、各論 |
「対策」 |
サレジオ中学2020年A・算数は、ほぼ例年通りでした。
(1)入試結果
受験者平均点 | 合格者平均点 | |
2020年 | 51.8 | 64.8 |
2019年 | 51.5 | 62.4 |
(サレジオ中学ホームページより引用・算数100点満点)
(2)出題分野
本年度は、「平面図形」「規則性」「統計」を中心に出題されています。
小問群では、「倍数算」「速さ」「比」「場合の数」「論理推理」なども出題されています。
これらの中で、とりわけ「統計」は、長文会話形式で、本格的な出題となっています。計算を必要とする他の問題とは異質な、統計リテラシーが求められます。
また、大問4(3)は、記述式の理由説明問題、大問5(4)(5)は、選択式問題で、特徴的な出題となっています。
(3)難易度
大問1~3は基本的な問題、大問4、5は、難問を含む応用問題です。
理由説明問題や、選択式問題は、標準的な算数の問題とはやや趣(おもむき)が異なるので、練習して慣れておく必要があります。
「出題分野&難易度マップ」を掲載致します。(難易度は、レッツ算数教室の分析によります)
Aが最も易しく、BCDEの順に難しくなっていきます。
出題分野&難易度マップ | ||
大問1 | ||
(1) | 計算の工夫 | B |
(2) | 計算問題 | A |
大問2 | ||
(1) | 倍数算 | B |
(2) | 速さ・通過算 | C |
(3) | 比 | C |
(4) | 場合の数 | C |
(5) | 論理推理 | C |
大問3 | ||
(1) | 平面図形 | B |
(2) | 平面図形 | C |
大問4 | ||
(1) | 規則性 | B |
(2) | 規則性 | C |
(3) | 規則性 | E |
大問5 | ||
(1) | 統計 | B |
(2) | 統計 | C |
(3) | 統計 | C |
(4) | 統計 | E |
(5) | 統計 | E |
それでは、順に見ていきましょう。
大問1「計算の工夫・計算問題」
(1)2020という数字の並びが目に止まります。
そこで、工夫!
2.02×(1000-100-(10-1))÷2020
=2.02×891÷2020=0.891(答)
(2)( )の中に( )があるパターンが続きます。練習しておきましょう。
大問2(1)「倍数算」
⑦-1650=「11」、④+1000=「12」
通常、⑦と④の最小公倍数㉘に合わせるところです。
でも、本問では、後の式が4で割り切れるので、
①+250=「3」
として、さらに7倍して
⑦+1750=「21」
とするのが、効率的です。
1650+1750=「10」、「1」=340
340×11+1650=5390円(答)
大問2(2)「速さ・通過算」
自転車は3秒で15m、列車は5秒で75m進みます。
この差を列車は5-3=2秒で進みます。
(75-15)÷2=30m/秒……列車の秒速
30×3-15=75m(答)
大問2(3)「比」
分子を4で通分します。2/5=4/10
分母に5をたすと⑩、分母から13をひくと⑦
5+13=18が、⑩-⑦=③にあたります。
①=6、⑩=60、
60×2/5=24……分子
60-5=55……分母
24/55(答)
大問2(4)「場合の数」
50円玉の使い方は、0枚、1枚、2枚。
このうち、0枚と2枚については、100円玉1枚と両替しても同じこと。
よって、「50円玉が0枚、100円玉が4枚」と考えると、5×5×2-1=49通り(1を引くのは、0円の場合を除くため)
50円玉を必ず1枚使う場合は、5×1×4×2=40通り(1を引かないのは、50円玉を必ず1枚使うから)
49+40=89通り(答)
大問2(5)「論理推理」
角(かど)のさいころは、6と5が見えるように、間のさいころは、6が見えるようにします。98(答)
大問3「平面図形」
(1)それぞれの円の中心と交点を結ぶと、正三角形が2つできます。
中心角240度のおうぎ形2枚と、正三角形2枚に分割されます。
(2)それぞれの円の中心と交点を結ぶと、正三角形が6枚、半円が2枚、中心角120度のおうぎ形が2枚に分割されます。
大問4「規則性」
(1)(1+20)×20÷2=210(答)
(2)(1+5+9+……+77)=780(答)
(1+□)×□÷2=780
(1+□)×□=1560=40×39
□=39番目(答)
(3)六角数1+5+9+13……は、三角数1+(2+3)+(4+5)+(6+7)……に分解できるから。
大問5「統計」
(1)~(3)は、「四捨五入」や「割合」に関する塾のテキストで対応できるでしょう。
(4)は、表の数字をすべてグラフに写せば、いずれ解けますが、大変時間がかかります。
そこで、工夫!
外国人の前年比増減率の大きな数字をチェックすると、10.27と15.42が目に止まります。
①~④の中で、15.42付近があるのは①と②だけ。
さらに、10.27付近が1つだけなのは②なので、これが正解。
(5)グラフは、散らばっているので、③が正解。
・大問1、2の小問群には、難問というほどの問題は出題されていませんが、工夫次第でコスパが全く異なる問題が、多数出題されています。
それぞれ、各論の中で指摘しておきました。
・大問5の統計問題は、最近の中学受験・算数で流行している、新傾向問題です。
塾のテキストでカバーされているのは部分的にとどまり、現場で機転をきかせる必要があります。
このような統計問題を初見で解くには、どうすれば良いのでしょうか?
それは、「極端な部分に注目する」ことです。
最大値、最小値などにヒントが隠されています。
逆に、あまり厳密に考えると、ドツボにはまる危険があります。
多少の誤差には目をつぶって、傾向を大きくとらえる練習をしましょう。
この、「極端な部分に注目する」というのは、算数の発想法の1つです。
レッツ算数教室では、初見の問題に対応できるように、他の発想法についても、指導しています。
当ホームページ内
算数の成績を上げるには?算数の発想法一覧(タップ・クリックできます)
の中で、ご紹介しています。