明治大学付属中野中学の算数は、例年、大問5問で構成されています。
大問1は、計算問題3問プラス小問1問。大問2は、様々な分野からの小問群。大問3以降は、それぞれテーマをもった応用問題が並んでいます。
1、頻出分野
大問1の計算問題は、「計算の工夫」「計算の知識」が求められます。
大問2以降では、「平面図形」「速さ」「割合と比」「約束記号」から、よく出題されます。もちろん、他の分野からも、広く出題されますが、とりわけ「平面図形」からの出題が多いです。
「平面図形」は、「三角形の相似」など、静止した図形問題もよく出ますが、「転がる問題」「点の移動と速さ、面積」など、動きのある平面図形の問題も、よく出ます。
「割合と比」は、「食塩水の濃さ」「売買損益算」から、よく出題されます。
「立体図形」は「平面図形」ほどには、出題されません。中学受験で流行の「立体切断」はあまり見られず、「回転体の体積」や、「注水問題」として、出題される傾向にあります。こちらも「動きのある立体図形」といえます。
全体的な傾向として、「平面図形」に重点が置かれていますが、出題される問題自体は、オーソドックスです。
過去問との関連も、けっこうあります。
たとえば、
は、数字替え問題。配置場所も同じです。そして、これらの応用問題が
となります。
2、難易度について
易しい問題から、やや難し目の問題が出題されます。
全体的に、易しい問題から、難しい問題へと、難易度順にならんでいますが、各大問の最後の小問だけは、それなりに難しい、あるいは、手間がかかる、というパターンが見られます。
たとえば、大問1の(4)は、計算問題と並べられている小問ですが、手間のかかる問題が出題されることがあります。
大問2(6)は、小問群の最後をかざる問題で、やはり難しいことが多いです。
3、明治大学の付属3校の比較
明治大学の付属中学には、明大中野(系属校)、明大明治(直属校)、明大中野八王子(系属校)があります。いずれも明治大学への進学率が高い学校ですが、その中でも、明大明治が、最も高いようです。
これら3校の算数入試問題を比較してみましょう。
難易度的には、中野と明治が難しく、八王子は、2校に比べると易し目です。
中野と明治が、思考力、応用力を求められる傾向が強いのに対し、八王子は「定番知識化した難問」を出題する傾向にあります。
過去問から、あえて違いを強調すると、中野と明治が「思考力型」の生徒を求めているのに対し、八王子は「コツコツ型」の生徒を求めている、と言えます。
答案形式としては、明治が「記述式」なので、最も「説明能力」を求められます。明治は、解法暗記が通用しない学校です。
学校間の問題の類似性はあるでしょうか?
は類似問題。
は類似問題。
は、類似問題。
などなど、多少、似た問題は出題されています。
ただし、合否に重大な影響を及ぼすほどではないでしょう。
地域的に、早稲田大学の付属校3校の動向などもチェックする必要があります。
明大中野の話に戻ります。
オーソドックスな問題が出題されるので、塾のテキストに掲載されている定番問題をマスターするのが、対策として有効です。
中でも、「平面図形」は、「面積・角度」「多角形・円」「静止図形・移動回転図形」すべて出題されているので、まんべんなく準備しましょう。
塾のテキストでは、「点の移動」などは、「速さ」の問題として分類されているかもしれません。でも、面積とからめれば、これも「平面図形」の問題に含まれます。形式的な分類にとらわれることなく、「発想」を大切にしましょう。
明大中野の過去問の検討も、有効です。前述の食塩水問題などは、2年続けて簡単な数字替え問題が出たあと、翌年、応用問題として出題されました。大問2の小問群は、翌年以降の予想問題として、利用できるかもしれません。
早稲田中学との併願をお考えの方もいらっしゃるかと思います。早稲田中学も、「平面図形」に力を入れていますから、対策には、共通するところもあるでしょう。
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