ここのところ、問題の難化が進んでいる女子学院。
2019年も、かなりの難問ぞろいでした。
合格最低点、受験者平均点などが公表されていませんが、算数の得点が5割でも、他教科の得点次第で、十分合格できると、推測します。
また、あまり早い時期に、過去問演習をすると、戦意喪失するかもしれません。慎重に取り組みましょう。
大問1
(1)計算
(2)面積
(3)繁分数
決して易しい問題ではありませんが、どこかで見たことのある問題でしょう。ここまでは、落とせません。
(4)角度
図面が複雑で、難しそうです。正方形は、対角線BDに対して線対称であることに気づけば、合同な三角形が見つかり、解けます。
(5)相当算
場合分けが必要で、やや難しいでしょう。が、ここもふんばりどころです。
大問2 転がる問題
(1)は簡単です。問題なのは(2)です。
円の内側を小さい円が転がる場合、小さい円自身の回転する方向と、地面の向きの変わる方向が逆になり、回転数は「引き算」になります。難しいですが、定番問題です。
この問題を連想できれば、解けたでしょう。
本問は、難易度的に、2019年女子学院の中ぐらいであり、これが解けるかどうかは、合否を分けます。
大問3 立方体の展開図
立方体の展開図は、全部で11種類あります。
このことは、3年間~4年間、中学受験の勉強をしていれば、どこかで1回は、触れているはずです。
でも、2回は触れていないでしょう。
従って、11種類すべてを「暗記」している人はほとんどいませんし、暗記する必要もありません。
立方体の展開図を書き出したときに、一定の規則、方針で書き出すことまで考えていれば、本番中に、自分で、再現できます。
でも、思いつくままに書き出し、答え合わせをして、「ああ、これとこれが、抜けていたね。なるほど」で済ませていると、再現できません。
日ごろの勉強しだいで、大きく差がつきました。
正答率は、かなり低いと推測します。
大問4 覆面時計算
算数オリンピックばりの難問ですが、すでに中学受験界では、有名な定番問題です。
これくらいはできないと、女子学院を受験する意味はありません。
大問5 数の性質・規則性・組み合わせ・融合問題
「12で割ると6あまり、15で割ると9あまる数」というのは、規則的に現れます。12と15の最小公倍数60ごとに、現れます。初めの穴は、比較的簡単に求められます。
残りの穴は「最大」なので、可能性のありそうな組み合わせをいくつか試すことになります。
残り時間が少なくなっている時間帯ですから、十分試すことなく答えると、間違えます。
これも、合否を分ける問題です。
大問6 集合・論理パズル
2019年女子学院の最後の1問であり、最も難しい問題でした。
正答率はきわめて低かったと推測されます。
本番では、捨て問筆頭ですが、頭の訓練としては、すばらしい問題です。
時間無制限で取り組む価値があります。
一般的には、ベン図で解く問題です。
ただし、ベン図は、輪が3つまでは書けますが、本問のように輪が4つだと、本来は書けません。
頭が悪くて書けないのではなく、論理的に書けないことが、数学的に証明できます。
では、本問はどうかというと
という条件によって、例外的に、きれいなベン図が書けます。
それでも、ベン図を書くのは難しいでしょうし、書けても、そのあとが難しいでしょう。
では、方程式はどうか?
こちらも、まともに式を立てると、「9元1次連立方程式」になります。
ところが、問題文の条件からは、式が6本しか立ちません。
従って、この方程式は、「解けない」ということになります。
でも、本問は、9個の変数すべてを求める必要はありません。そこまではきいていない。
いくつかの変数の「和」が求められれば、十分。
だから、解けるわけです。
中学受験を方程式で乗り切ろうとすると、墓穴を掘ることがあります。
本問も、その一例です。
2019年の問題であれば、まずは5割を目指しましょう。
それが、学校側の求めている、最低限の学力達成レベルです。
問題番号でいうと、大問1全問、大問2全問、大問4全問、大問5最初の穴、です。
これで、ほぼ5割です。
大問3と、大問6は、相当に難しいので、本番では捨て問にするのも、やむを得ません。
では、2019年の問題で5割を達成するのに、どのような勉強が必要でしょうか?
大問2(2)(転がる問題)と、大問4(覆面時計算)が、ポイントです。
どちらも、中学入試問題として、初めて出題されたときは、超難問でした。
でも、今では、有名な定番問題になっています。
このような問題を、確実にマスターすることが、合否を分けます。
もちろん、もっと基本的な問題をマスターしていることは、当然の前提です。
後は、大問3(立方体の展開図)です。難問で、正答率は低かったはずですが、対策は立てられる問題です。
展開図11種類を、暗記ではなく、その場で再現する能力は、「場合分け能力」であり、とても重要です。
難関校、超難関校ほど、この能力を試す出題をしています。
女子学院2019年大問1(5)、大問5も、「場合分け」を必要とする問題でした。
ですから、立方体の展開図に限らず、「場合分け」の練習をすることが、2020年以降の女子学院入試でも、大切になってきます。
一定の規則、方針で、モレなく重複なく書き出す練習をしましょう。
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