算数の先生が、解法を説明する時、唐突に、
「ここは、○○の公式を使います」
と言うことって、ありますよね。
というモヤモヤが残ります。
公式の使い方を「教わる」のではなく、「自分で思いつけるようにする」には、どうすればよいか?
今回は、このテーマを解説します。
まず、「公式」とか「定理」って、何でしょうか?
答えは、「便利な計算方法」。
もし、公式や定理がなければ、一つ一つ計算したり、ゼロから解き方を考えたりしなければなりません。
ところが、公式や定理があれば、途中を省略できます。
条件の数字をインプットするだけで、自動的に、答えの数字がアウトプットされます。
いわば、全自動洗濯機のようなものです。
洗濯物を洗濯機に放り込んで、スイッチを押せば、あとは自動的に洗濯してくれます。
ところが、全自動洗濯機には、弱点があります。それは、
「洗濯しかできない」
ということ。
洗濯機では、
当たり前です。
という用途が限定されているときに限って、便利な道具になるのです。
しかも、洗濯機が使えるには、
そもそも、洗濯物がなければ、「洗濯機を使おう」とは思いませんし、洗濯物があっても、停電している、断水している、というのであれば、
「昔むかし、ある所に……川へ洗濯に行きました」
ということになります。
言ってみれば、
「洗濯機が使える動作環境」
のようなものがある、ということです。
アプリもそうですよね。
「このアプリはiPhone専用。Androidでは使えません。」(または、その逆)
とか、
「Windows8ではダメ。Windows10にバージョンアップして下さい。」
とか、色々あります。
算数の公式や定理も、これと同じこと。
その公式や定理が使える「動作環境」があるのです。
この「動作環境」を心得ていれば、公式や定理を自在に使いこなすことができます。
では、どうすれば「動作環境」を心得ることができるのでしょうか?
公式や定理には、発見、発明した人がいます。
証明した人もいます。
ですから、公式や定理を教わったとき、
という点に、思いをめぐらせてみると、その公式や定理の「動作環境」がわかります。
「それは、難しい。とてもそこまでは、できない。」
ということであれば、せめて、その公式や定理の「証明方法」を、じっくりと観察してみてはどうでしょうか?
証明の過程では、様々なロジックや、補助線が現れます。
それらを、よく観察するのです。
すると、応用問題を解く中で、それとよく似たロジックや、補助線があることに、気づきます。
ここで、ピンとくるわけです。
一言でいえば、公式や定理を「理解」すること。
丸暗記では、公式や定理を、必要に応じて引っぱり出してくることなど、できません。
ここでも、最後の結論は、いつもと同じになりました。
算数は、発想法が命。
暗記ではなく、理解を!
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