目次 |
「傾向」 |
1、概要 |
(1)入試結果 |
(2)出題分野 |
(3)難易度 |
2、各論(大問1~5) |
「対策」 |
(1)入試結果
早稲田実業中学2021年・算数は、例年通りでした。
受験者平均点 | |
2021年 | 52.6 |
(早稲田実業中学ホームページより引用・算数100点満点)
(2)出題分野
「平面図形」「立体図形」「場合の数」「統計」「速さ」などを中心に出題されています。
もっとも、複数の単元を融合した問題も多く、「統計」は「割合」「つるかめ算」「論理」などを含みますし、「場合の数」も、「規則性」「論理」を含みます。
それだけ、一筋縄ではいかない難問が出題されていると言えます。
(3)難易度
例年通り、難しい問題が並んでいます。
大問1の小問群こそ基本的な問題ですが、大問2以降はぎりぎりの勝負になるでしょう。
「出題分野&難易度マップ」を掲載致します。(難易度はレッツ算数教室の分析によります)
Aが最も易しく、BCDEの順に難しくなっていきます。
出題分野&難易度マップ | ||
大問1 | ||
(1) | 計算問題 | A |
(2) | 比 | B |
(3) | 平面図形 | C |
(4) | 立体図形 | B |
大問2 | ||
(1)① | 速さ・流水算 | D |
(1)② | 速さ・流水算 | D |
(2) | 場合の数 | E |
大問3 | ||
(1) | 統計・割合 | B |
(2) | 統計・つるかめ算 | C |
(3) | 統計・論理 | E |
大問4 | ||
(1)① | 場合の数・フィボナッチ | D |
(1)② | 場合の数・フィボナッチ | D |
(2) | 場合の数・論理 | D |
大問5 | ||
(1) | 立体図形・折り紙 | C |
(2) | 立体図形・折り紙 | E |
(3) | 立体図形・折り紙 | E |
それでは、順に見ていきましょう。
大問1(1)「計算問題」
ウオーミングアップ問題です。
大問1(2)「比」
ABCがどのような順番でかみ合っているかはわかりませんが、順番は関係なく、歯数だけが問題です。
あとは連比。
大問1(3)「平面図形」
角FDC=66度、角DCG=45度、角CGD=69度、角CGB=69度、よって、「あ」=42度(答)
大問1(4)「立体図形」
大きな円すいから、小さな円すいと円柱を引きます。
相似比、体積比の関係などを使うと、小さな円すいの4倍であることがわかります。
3×3×3.14×2÷3×4=75.36㎤(答)
大問2(1)「速さ・流水算」
流水算と通過算の組み合わせという、比較的珍しい問題です。
追い越しの場合、2つの船の速さは、川の流速部分が打ち消し合うので、静水での追い越しと同じことです。
すれ違いの場合、2つの船の速さは、川の流速部分が打ち消し合うので、静水でのすれ違いと同じことです。
結局、①で川の流速は無関係です。
➁は、「倍数算」でも「比例式」でも解けます。
大問2(2)「場合の数」
問題文を読み終わった直後は、途方に暮れるかもしれません。
でも、「連続する整数」って、何個連続するのだろう?と考えると、突如ひらめきます。
最大でも4個ですし、4個連続では、1234しかありません。(2345は、オーバー)
というわけで、2個連続から順に書き出していきます。
2個連続→(1,2)(2,3)(3,4)……(8,9)(9,10)(10,11)(11,12)……(19,20)
3個連続→(1,2,3)(2,3,4)……(7,8,9)
4個連続→(1,2,3,4)
以上27個。よって、2021は28番目(答)
大問3「統計」
(1)は基本問題、(2)は、つるかめ算です。
ここは、確実に得点しましょう。
(3)は難問です。平均点が5点上がっているので、全体の合計点は100円上がっています。
再試験のうちの3人で、合計100点アップということです。
ちなみに、再試験を受けて60点未満だった人の点数をどう扱うかは、問題文に直接書いてありません。
でも、この人たちの点数は「書き直さない」と解釈しなければ、問題として成り立ちません。
よって、この人たちの点数は、そのまま書き直さない、として解きます。
3人で100点アップですが、そのうちの1人は、算数40点、国語20点だった人であることが、表1と表2を見比べればわかります。
よって、残り2人で80点アップです。
これは、1人が20点アップ、もう1人が60点アップしかありません。
よって、算数40点、国語40点だった人と、算数0点、国語20点だった人が、算数60点に昇格したことがわかります。
大問4「場合の数・フィボナッチ・論理」
(1)階段を一度に1段または2段上る方法の問題と、同じです。よって、フィボナッチ数列になります。
(2)必勝法とは、Nまでに「3の倍数+1」残った状態で、相手に手番を渡す!です。
相手が1進めれば、自分は2進めます。
相手が2進めれば、自分は1進めます。
常に、和が3になるように進めていけば、最後の1は相手が進めることになり、自分の勝ちです。
10÷3=3あまり1より、全部で3のブロックが3個。
それぞれのブロック内で、A君の進め方が2通りに対し、B君の対応は1通りに決まります。(和が3になる対応の仕方は1通りです)
2×2×2=8通り(答)
(青い文字をタップ、クリック) |
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大問5「立体図形・折り紙」
(1)谷折りしてから山折りすると、谷折りの線が2cmずれます。
2か所で2cmずれるので、全体では4cmずれ(縮まり)9-4=5cm(答)
(2)谷折りにしろ、山折りにしろ、折ると、切れ目は線対称移動します。
2回折り返せば、元に戻ります。
すなわち、2cmずれた部分に同じ切れ目が現われます。
この法則で図をかきます。
➁は、①の図を横に何倍か拡大または縮小した図になりますが、合同な直角三角形が17個で10㎠となりますから、これをもとに、横(底辺)の長さを計算します。
・大問4は「場合の数・フィボナッチ」と分類しましたが、「ルール指定・規則性」とも言える問題で、早稲田実業らしい問題です。
「必勝法」がある、ということは、何らかの規則性、すなわち、ゲームのコツ、急所があるわけで、それを見抜く競争です。
相手が何をしてきても、一定の対応ができるから、必勝法なのだと考えると、見えてきます。
相手も自分も、1進めるか、2進めるかの、2択しかありません。
一定にするには、「和が一定」ではないか?という見当のつけ方をします。
・大問3では、再試験で60点未満だった人たちの点数をどうするのか、直接書いてありません。
問題文の解釈力、算数的読解力も、早稲田実業のテーマです。
算数の問題として成り立つような読み方をする練習をしておきましょう。