目次 |
「傾向」 |
1、概要 |
(1)入試結果 |
(2)出題分野 |
(3)難易度 |
2、各論(大問1~4) |
「対策」 |
(1)入試結果
本年度は、再び難化しました。
年度 | 受験者平均点 | 合格者平均点 |
2024 |
57.2 (47.7%) |
66.6 |
2023 |
80.7 (67.3%) |
90.2 |
2022 |
35.5 (29.6%) |
42.6 |
2021 |
60.6 (50.5%) |
73.0 |
2020 |
74.0 (61.7%) |
84.0 |
2019 |
78.4 (65.3%) |
89.1 |
2018 |
79.9 (66.6%) |
87.3 |
(学校ホームページより。算数120点満点)
(2)出題分野
「場合の数」「平面図形」がほとんどを占めています。
特に、「場合の数」は、「平面図形」との融合問題を含めると、50%近くを占めています。
(3)難易度
再び難化しました。
難化の原因は、「場合の数」の作業量の多さにあります。
多少の工夫をしたとしても、延々とかき出さなければならないものが、多数出題されています。
出題分野&難易度マップを掲載いたします。(難易度はレッツ算数教室の分析によります)
Aが最も易しく、BCDEの順に難しくなっていきます。
出題分野&難易度マップ | ||
大問1 | ||
(1)➀ | 場合の数 | C |
(1)➁ | 場合の数 | C |
(2) | 時計算 | D |
(3)➀ | 場合の数 | D |
(3)➁ | 場合の数 | E |
(3)③ | 場合の数 | E |
(4)➀ | 平面図形 | D |
(4)➁ | 平面図形 | D |
大問2 | ||
(1) | 平面図形 | B |
(2) | 平面図形 | D |
(3) | 平面図形 | D |
大問3 | ||
(1) | 規則性 | B |
(2) | 場合の数 | D |
(3)➀ | 場合の数 | D |
(3)➁ | 場合の数 | D |
大問4 | ||
(1) | 規則性 | D |
(2) | 規則性 | E |
(3) | 規則性 | E |
それでは順に見ていきましょう。
大問1(1)「場合の数」
11、23、8のいずれも2024の約数であることは、2024年度の受験生にとっては常識ですから、本問は比較的解きやすかったでしょう。
表を作って、最小公倍数ずつ変換します。
大問1(2)「時計算」
20分間で変わる長針と短針の位置関係は5.5×20=110度です。
の2通りあります。
大問1(3)「場合の数」
➀は最大2×2×2×2=16通りから、回転して同じ模様になるものを除きます。
1/4回転ずつチェックしていくことになります。
➁、③は180度回転してチェックします。
はじめは、端の模様から場合分けしていくとよいでしょう。
いずれにしても、大変な作業量です。
大問1(4)「平面図形」
GD=➀とすると、
AG=➁
GC=GE=3-➀
よって、AC=➁+3-➀=4
➀+3=4より、➀=1cmとわかります。
後半の問題は、FD、BAを延長して、1辺の長さが5cmの正三角形を作ります。
大問2「平面図形」
正十一角形の頂点と、円と円が交わる点を結び、正三角形を作っていくと、60度が次々と現れ、必要な角度が求められます。
途中、分母が11の分数3240/11などが現れ、心配になってきますが、最後に11倍するので、きれいに約分できます。
途中で帯分数化しないで、仮分数のまま計算しましょう。
大問3「規則性・場合の数」
本問も、場合の数・図形編です。
類似問題は難度も解いているはずですが、作業量が多いことに変わりはありません。
スピードと正確さの競争です。
大問4「規則性」
(1)
図1~3において、同じ位置にある3個の数をたすと、どの位置でも11になります。
このことが、1~5の場合だけでなく、1~□の場合にも成り立たないと、(2)(3)が解けません。
本番では、
「多分、成り立つのだろう……」
と思いながら解き、正解すればOKです。
でも、過去問演習として勉強しているときには、なぜ成り立つのか、納得しておきましょう。
1 | ||||||||
2 | 2 | |||||||
3 | 3 | 3 | ||||||
4 | 4 | 4 | 4 | |||||
5 | 5 | 5 | 5 | 5 |
(図1)
5 | ||||||||
4 | 5 | |||||||
3 | 4 | 5 | ||||||
2 | 3 | 4 | 5 | |||||
1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
(図2)
5 | ||||||||
5 | 4 | |||||||
5 | 4 | 3 | ||||||
5 | 4 | 3 | 2 | |||||
5 | 4 | 3 | 2 | 1 |
(図3)
理科の地層みたいです。
段(同じ色の部分)が変わると、数は増えたり減ったりしますが、同じ層の中で横すべりしても、数は変わりません。
まず、図1~3の一番上の数を足すと、1+5+5=11です。
この位置から、下へ進みます。
進み方は、「左下へ1つ」「右下へ1つ」のいずれかです。
これで、すべての位置へ進むことができます。
「左下へ1つ」進んだ場合、
という規則性が成り立ちます。
「右下へ1つ」進んだ場合
という規則性が成り立ちます。
従って、どこにどう進んでも、和は変わりません。11です。
では、11が何個あるかというと、1+2+3+4+5=15個あります。
よって、
11×15÷3=55……イの答え
となります。
最後の÷3というのは、図1~3の合計を3で割って、1枚分に戻す意味です。
では、1~□の場合、どうすればよいでしょうか?
まず、一番上の数を3つ足すと、
(□×2+1)
これが何個あるかというと、等差数列の和の公式
(1+□)×□÷2
最後は1枚分に戻すため、÷3をします。
まとめると、公式
□×(□+1)×(□×2+1)÷6
となります。(高校数学で勉強します)
□=11ならば、
11×(11+1)×(11×2+1)÷6=506……ウの答え
(2)
2×2+4×4+6×6……を4で割ると1×1+2×2+3×3……なので、公式が使えます。(最後に4倍すればよい)
(3)
3×3+6×6+9×9……を9で割ると1×1+2×2+3×3……なので、公式が使えます。(最後に9倍すればよい)
「場合の数」からの出題が多くなっています。
そこで、「場合の数」対策が重要、ともいえますが、工夫しても作業量が非常に多く、時間内に解き切るのが難しくなっています。
合格者平均点を見ていると、合格者も、かなりの問題を捨て問にしたのではないかと思われます。
大問4は、高校数学の公式を知っていると、圧倒的に有利な問題です。
中学受験・算数が、高校数学の「数列」分野を、大きく取り込んでいることの表れです。
(青い文字をタップ、クリック) |
駒東の算数・トップ |
駒東 算数 対策 2023年 |
駒東 算数 対策 2022年 |
駒東 算数 対策 2021年 |
駒東 算数 対策 2020年 |
駒東 算数 対策 2019年 |