2018年本郷中(第1回)算数は、かなり易しくなりました。
2017年第1回が、非常に難しかったので、その揺り戻しです。
順に見ていきましょう。
(なお、正答率の高低や、正解者数は、本郷中学ホームページで公開されている資料に基づいています。)
大問1 計算問題
標準的な問題です。
(1)は、カッコが多いのと、引き算の引く側がカッコになっていること、わり算の割る側が□になっていることなどから、ミスしやすくなっています。
(2)は、19×5のタイプのかけ算が、暗算ですぐできるようになっていると、よいです。
大問2 小問群
(1)弁償算
(2)倍数算
いずれも、基本問題です。正答率も高くなっています。
(3)速さと比
(4)3段つるかめ
いずれも定番問題ですが、(3)の正答率が低く、(4)の方が高くなっています。
(3)は、距離が等しいとき、速さと時間が逆比になることを利用します。これが、小学生にとっては難しく、理由をきちんと説明できる子は、少数です。
逆比になるのか、ならないのか、暗記に頼っていると、思わぬミスにつながるということでしょうか。
(5)場合の数
やや難しい問題です。
7個のアメを1列に並べ、4本の仕切り線で、5人の取り分を決めます。
仕切り線をおける場所は、6か所。この中から、4本の仕切り線をおく場所を選ぶ・・・すなわち、おかない場所を2か所選ぶ。
6×5÷2=15通り。
(6)平面図形・転がる問題
やや難しい問題ですが、定番問題です。
大問3 注水グラフ
(1)水面の高さが40~50cmの部分を利用して、求めます。正答率は高いです。
(2)水面の高さが10~20cmの部分を利用して、求めます。これも、正答率は高いです。
(3)水面の高さが0~10cmの部分を利用して、求めます。
仮に、鉄の円柱がなかったとしたら、水面の高さが10~20cmのときと同じく、50秒かかっていたはずです。
それが48秒で高さ10cmに達した。2秒短くなっています。
2秒間で入れられる水の体積が、円柱の体積です。
500×2÷10=100(答え)
大問4 立体切断・展開図
いずれも、標準的な問題ですが、(3)の正答率が低くなっています。
(2)の展開図ができた人は196人に対し、(3)の体積ができた人は168人。見取り図は正確に描けたのに、間違えた人が28人いたわけです。
もし、点Iと点Jが、それぞれ辺のまん中の点ならば、よくある問題です。チョンパされた首部分と胴部分の体積比が1:7。
でも、本問はまん中ではないので、体積比は8:19になります。
相似比と体積比の関係を正確に理解していないと、間違えるのかもしれません。あるいは、時間不足でしょうか。
大問5 場合の数
(1)問題文は長いのですが、易しい問題。みなさん、抜け目なく、できています。
(2)(3)「積」や「差」だけで、大小のさいころの目が決まるということは、両方の目が同じということです。(異なっていると、たとえば、(1,4)なのか(4,1)なのか、決まりません。
ということは、(2)(3)とも、答えは、ぞろ目。(1,1)(2,2)(3,3)・・・(6,6)を試していけばよい、ということです。
(2)を解く過程で(3)も解いてしまっているはずなのに、(3)の正答率が極端に低いのは、差が「0」の場合を「差」とは考えなかった人が多かったということでしょうか。
国語的には、差が「0」というのは、変かもしれません。このような場合、「差はありません」ということになり、ないはずの「差」を教えることはありえない、という理屈も立ちます。
でも、算数では、「0」も立派な「差」です。
算数と国語の論理はちがいます。注意しましょう。
です。(学校公表)
小問単位で、全17問。単純計算で、12~13問解ければ、合格者平均点に届きます。(逆に言うと、4~5問落としても、合格者平均点に届きます。)
ここで、興味深いデータをご紹介しましょう。
正解者数が少なかった順に、問題番号と正解者数を並べてみます。
以下、省略。
仮に、すべての問題で、受験者390人中、196番に入っていれば、合格者143人の中に入れるどころか、合格者平均点に届くかもしれません。
すべての問題で213番に入っていれば、ぎりぎり合格できるかもしれません。
これは、本郷中に限らず、入学試験一般にも、いえることです。
本郷中学様が、貴重なデータを公開して下さっているおかげで、受験勉強に必要なことが、明らかになっています。
対策はズバリ。
「自分の能力の範囲内にある問題を、すみからすみまで、マスターし尽すこと。そして、ミスしないこと。」
これに尽きます。
これが、ちょっとムリ目の学校に合格するコツです。
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