目次 |
「傾向」 |
1、概要 |
(1)入試結果 |
(2)出題分野 |
(3)難易度 |
2、各論(大問1~5) |
「対策」 |
(1)入試結果
中大附属中学2021年第1回・算数は、例年通りでした。
合格者平均点 | |
2021年・男子 | 76.8 |
2021年・女子 | 78.8 |
2020年・男子 | 74.8 |
2020年・女子 | 77.9 |
(中央大学附属中学ホームページより引用・算数100点満点)
(2)出題分野
「平均算」「ニュートン算」「回転体の体積」「進行グラフ」を中心に、「平面図形」「場合の数」なども出題されています。
(3)難易度
本年度、超難問は出題されていませんが、極端に易しい問題もなく、標準~やや難しい問題が多くなっています。
「出題分野&難易度マップ」を掲載致します。(難易度はレッツ算数教室の分析によります)
Aが最も易しく、BCDEの順に難しくなっていきます。
出題分野&難易度マップ | ||
大問1 | ||
(1) | 計算問題 | B |
(2) | 計算問題 | B |
(3) | 場合の数 | C |
(4) | 平面図形 | C |
(5) | 平面図形 | C |
(6) | 割合・食塩水 | C |
(7) | 速さ・流水算 | B |
大問2 | ||
(1) | 和と差・平均算 | B |
(2) | 和と差・平均算 | E |
(3) | 和と差・平均算 | E |
大問3 | ||
(1) | 割合と比・ニュートン算 | C |
(2) | 割合と比・ニュートン算 | C |
(3) | 割合と比・ニュートン算 | C |
大問4 | ||
(1) | 立体図形・回転体 | C |
(2) | 立体図形・回転体 | D |
大問5 | ||
(1) | 比・進行グラフ | B |
(2) | 比・進行グラフ | C |
(3) | 比・進行グラフ | D |
それでは、順に見ていきましょう。
大問1(1)(2)「計算問題」
(1)一般的な計算の順序からすると、
「まず、カッコの中を計算しましょう。初めは、6/5×97.21……」
ということになります。
でも、この計算、大変そうです。
そこで、計算の工夫。
カッコの外を見ると、×5/3です。先に分数どうしをかけると、約分されて「2」になります。
「97.21×2」なら簡単です。
本来は計算を効率的にするためにカッコでくくるわけですが、本問は逆にカッコをはずすことで、計算が効率的になります。
(2)こちらも、まともに計算すると、大変そうです。
そこで、計算の工夫。
(1)とは逆に、-30030×81-7007×81の部分を81でくくります。
-(30030+7007)×81=-37037×81
これで、37037にそろったので、また、くくれます。結局
37037×(84-81)×9=37037×27となり999999(答)
大問1(3)「場合の数」
大1→小123456、大2→135、大3→小1245、大4→小135、大5→小12346、大6→小15 合計23通り(答)
大問1(4)「平面図形」
四すみの白い直角三角形を2倍すると、中央に2×3の空白地帯ができます。
斜線部分の面積は、この空白地帯を除けば、正方形全体の半分です。
(10×10-2×3)÷2+2×3=53㎠(答)
大問1(5)「平面図形」
AB=AEの二等辺三角形を利用します。
角ABE=角AEB=70度、よって角ADC=70度、角DCE=110度、角CED=37度、よって、角CDE=33度、よって、X=70-30-33=7度(答)
大問1(6)「割合・食塩水」
容器AとB合計の食塩の重さは一定です。
食塩水交換後、容器Aの食塩水は500gで変わらず、容器Bの食塩水も200gで変わりません。
よって、食塩の全体量から、交換後の容器Bの食塩の重さを引けば、交換後の容器Aの食塩の重さがわかり、濃さもわかります。
大問1(7)「速さ・流水算」
川の上流と下流から向き合って出会う場合、川の流速は打ち消し合って、無視できます。
基本問題です。
大問2「和と差・平均算」
(1)A+C=80×2=160、B+D=82×2=164、より、160+164=324点(答)
(2)組をつくり変えたあとの、「もう一方の組」は、和324-172=152点、差26点の和差算で、89点と63点。
さて、この63点は、ABCDのうち誰でしょうか?
仮にBかDだとすると、164-63=101で、もう一人が満点の100をこえてしまいます。
そこで、AかC。
160-63=97より、AとCは63点、97点(逆も可)。
よって、BとDは、どちらかが89点なので、他方は164-89=75点
(2)最高点は97点(答)
(3)最低点は63点(答)
大問3「割合と比・ニュートン算」
本問は、典型的なニュートン算です。
特に応用の要素はつけ加わっていません。
塾のテキストの基本問題で確認しましょう。
大問4「立体図形・回転体」
(1)mより上の部分は円すいになり、これを、mより下の部分のへっこみにはめると、ちょうど円柱になります。
(2)合同な円すい台が、反対向きに2個組み合わさった形です。
円すい台は、大きい円すいから小さい円すいを切り取った形なので、相似比と体積比の関係を利用すると、効率的に体積を求めることができます。
大問5「比・進行グラフ」
(1)15時間で25%減っています。36時間では、60%減ります。25+60=85%(答)
(2)追いつき算と考えます。
Aは1時間で5/2%、Bは1時間で5/3%減ります。
5÷(5/2-5/3)=6時間後(答)
(3)倍数算です。
90-③=「1」、85-➁=「2」より、28時間30分後(答)
本年度は、大問3~5が、定番問題そのままで、得点しやすい問題でした。
そのような中、最も難しかったのは、大問2です。
「もう一方の組」の2人が89点と63点まではすぐわかりますが、この2人が、ABCDの誰なのかが、よくわかりません。
このような、その場で応用力を働かせる問題では、算数の発想法をマスターしているかどうかが、決定的に重要です。
本問では、「仮にBかDだとすると…」という発想法、すなわち「仮定して考える」という発想法により、ピンチを切り抜けています。
レッツ算数教室では、当ホームページ内
の中で、算数の発想法について、さらにくわしくご説明しています。