浅野中学の算数入試問題では、例年、冒頭で計算問題が出題され、様々な分野の小問群が続き、中盤以降は骨のある応用問題が出題されます。
分野的には、「場合の数」「規則性」「平面図形」「立体図形(立体切断)」がよく出ます。また、「速さ」や「注水問題」をグラフとからめた問題もよく出ます。
図形では、3辺の長さの比が3:4:5の直角三角形がよく出題されています。これは何を意味しているのでしょうか?
中学受験算数では、ルートの計算が使えないことになっているため、三平方の定理(ピタゴラスの定理)も使えません。つまり、3:4:5の三角形は原則として出題されず、受験生が解き慣れていません。浅野中学では、問題文中にこの条件を明示することによって出題しているわけです。これは、本番での対応力を重視しているものです。
もっとも、西日本では3:4:5の直角三角形も普通に出題されます。近年、関東の受験生が灘中学、ラサール中学、愛光中学、久留米大附設中学などを受験するようになってきたので、併願をお考えの方には好都合です。
難易度は年度により異なります。2016年、2017年はかなりの難問が出題されています。その揺り戻しでしょうか、2018年は多少易しくなりました。
ただ、2017年には、計算問題がそれまでの2問から1問になり、2018年には計算問題と小問群が大問1にまとめられ、小問群の出題数が減りました。
つまり、今後は、知識で簡単に点が取れる問題が減り、高度な思考力が求められる問題が増えると予想されます。特に、本番で初めて見る問題に対応する能力が重要です。
本番での対応力を身につけるには、算数の発想法をマスターする必要があります。1問ごとの解き方を理解することも重要ですが、さらに多くの問題に共通する発想法、背後の作戦のようなものを理解することが大切です。
さらに、「図形」「場合の数」では、中学数学、高校数学と関連の深い問題が出題されています。高校受験用、大学受験用の参考書で、中学入試問題としても出題可能な問題に目を通しておくのも有効です。
たとえば、
図形
2017年大問4
2013年大問3
などは、典型的な中学幾何です。
場合の数
2018年大問1(5)
2017年大問5
2016年大問5
などは、高校数学レベルです。かなりの注意力が必要です。
他にも、
などが出題されています。
無理のない程度に、中学高校数学の一部を予習するのも良いでしょう。