パターン暗記のジレンマ


算数の勉強では、「数字替え問題」で練習する機会が多いと思います。

 

同じ問題文の数字だけを替えて、解き方のすじ道(パターン)をおぼえようということですね。

 

この「パターン暗記」。点が取れます。

 

特に、低学年のうちは。

  1. 塾の授業で、解き方を教わる
  2. 家で、数字替え問題の宿題をやる
  3. 次の週に、数字替え問題の小テスト(サピックスのデイリーチェックなど)を受けると、とても良い点数が取れる
  4. 次の週も、同じ要領で、成果を上げ、「勉強とはこのようにするものだ」というイメージを作っていく

このようなサイクルをたどる人が、大勢います。

 

4年生ぐらいまでは、月に一度のテスト(マンスリーなど)でも、この勉強法で点が取れます。

 

ところが、5年生になると、週に一度の小テスト(デイリーチェック)では良い点が取れるのに、月に一度のテスト(マンスリー)では、思うように点が取れなくなります。

 

それでも、成績が急降下、というほどではないし、もう少し様子を見るか、というスタンスで、勉強します。

 

4年生のときより、もっと丹念に、数字替え問題のパターン暗記に取り組みます。

 

すると、デイリーチェックの点数は、どんどん良くなるのに、マンスリーの点数は、どんどん悪くなります。

 

そして、「範囲無制限」のテスト、たとえば、サピックス組み分けテストや、志望校診断テストなどの点数は、さらに悪くなります。

  • 「決して、勉強をサボっているわけではないのに、なぜ?」
  • 「デイリーチェックの点数は良くなっているのに、なぜ?」
  • 「何が足りないのでしょうか?」

というご相談を、受けることがあります。

 

これが、「パターン暗記のジレンマ」です。

 

原因は?

2つのタイプがあります。

 

1つ目は、そもそもわかっていないタイプ。

 

解き方のすじ道を、よく理解しないまま、暗記しているだけの人。

 

やるべきことは明白です。理解に励みましょう。

 

2つ目は、解き方のすじ道は理解しているのに、変化をつけた問題(応用問題)になると、解けなくなるタイプ。

 

たとえば、ある問題を解くのに、

  1. まず、Aという面積図をかく。
  2. 次に、Bという式を立てる。
  3. 最後にCという式を立てる。

とします。

 

AだからBという論理の流れはわかる。BだからC、という論理の流れもわかる。だから、この問題の解き方は、理解できる。

 

このように考えているでしょう。

 

確かに、全くわかっていないわけではありません。

 

でも、

 

「なぜ、初めにAという面積図をかくのか?」

 

という問いに、答えられるでしょうか?

 

おそらく、十分説明できないはずです。

 

この部分の理解が浅い、といえます。

 

対策は?

数字替え問題のパターンをはずされたとき、「パターン暗記の達人」は、対応できなくなってしまいます。

 

では、パターンをはずした問題(応用問題)で、練習すればよいのでしょうか?

 

そもそも、応用問題にも対応できる、算数の得意な子たちは、どのような勉強をしているのでしょうか?

 

応用問題を解きまくっているのでしょうか?

 

実は、そうでもありません。

 

勉強している問題は、他の受験生たちと同じような問題です。

 

ですが、問題を解き終わったあとの、「ふり返り」が違います。

 

解き方のすじ道を、一応理解したあとの、「もうひと手間」が違います。

 

たとえば、先ほどの、「Aという面積図」をかく問題。

 

算数の得意な子は、

 

「なぜ、面積図なんだ?」

 

と考えています。

 

「この前勉強した問題で、先生は線分図をかいていた。それとほとんど同じ問題なのに、今度は面積図をかいている。どうして?」

 

と、考えています。

 

そして、2つの問題を見比べて、どこが共通なのか、どこが異なるのか、じっと観察します。

 

そのわずかな違いが、線分図と面積図の違いになっているのだろう、と考えます。

 

そこから、

 

「どのような場合には、線分図が適していて、どのような場合には面積図が適しているのか」

 

という傾向を、つかんでいきます。

 

だから、普段は面積図を使って点数を取っていても、条件が変わると、そこに気がつき、必要に応じて、線分図を繰り出す、といった対応ができるわけです。

 

 

4年生のときに感じた、「こういう勉強をすれば点が取れる」という感覚(すなわち、パターン暗記は点が取れる、という感覚)は、場合によっては、有害です。

 

でも、点が取れているうちは、気がつきません。

 

しかも、パターン暗記をすればするほど、成績がよくなるのですから、勉強法に問題があることを指摘されても、ピンときません。

 

そして、手遅れとなります。

 

そうなる前に、もう一度、自分がどのような勉強方法で、点を取っているのか、ふり返ってみましょう。

 




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