目次 |
「傾向」 |
1、概要 |
(1)出題分野 |
(2)難易度 |
2、各論(大問1~14) |
「対策」 |
1、概要
青山学院2021年度・算数は、例年通りの出題傾向でした。
(1)出題分野
「平面図形」「速さ」「規則性」「比」「平均算」「水そうおもり」「場合の数」など、幅広く出題されています。
2021年度は、統計学の「中央値」が出題されました。
小学校の算数に統計学が導入されたので、それを受けての出題だと思われますが、入試での出題は珍しいです。
(2)難易度
やや難しかったようです。
青山学院中の算数は、中盤に難問が配置される傾向にありますが、本年度も、大問6「比」、大問7「統計」、大問8「平均算」、大問11「平面図形」などは、かなり難しい問題でした。
その一方で、大問13「規則性」、大問14(1)「水そうおもり」などは、図がかさばり、長文で、難しそうな印象を受けますが、実は、それほど難しくありません。
時間配分や、気持ちのコントロールで、差がつく構成になっています。
「出題分野&難易度マップ」を掲載致します。(難易度はレッツ算数教室の分析によります)
Aが最も易しく、BCDEの順に難しくなっていきます。
出題分野&難易度マップ | ||
大問1 | 計算問題 | A |
大問2 | 計算問題 | A |
大問3 | 計算問題 | A |
大問4 | マルイチ算 | C |
大問5 | 速さ | C |
大問6 | 比(加比の理) | E |
大問7 | 統計 | D |
大問8 | 平均算 | E |
大問9 | 場合の数 | D |
大問10 | 平面図形・長さ | C |
大問11 | 平面図形・角度 | D |
大問12 | 平面図形・面積 | D |
大問13 | ||
(1) | 規則性 | C |
(2) | 規則性 | C |
大問14 | ||
(1) | 水そうおもり | B |
(2) | 水そうおもり | D |
それでは、順に見ていきましょう。
2、各論(大問1~14)
大問1~3「計算問題」
ウオーミングアップ問題です。
大問4「マルイチ算」
プリン1個⑦円、ケーキ1個⑩円として、計算します。
事実上、1次方程式なのですが、①算(マルイチ算)と呼ばれています。
大問5「速さ」
通常は、出会いと追い抜きの時間がわかっていて、速さを求める問題ですが、隠す数字を変え、追い抜きの時間を問う問題です。
論理構造は全く同じで、図の書き方も同じです。
大問6「比(加比の理)」
であるならば、
になります。これを「加比の理」といます。
簡単に言うと、「お味噌汁を一口飲んでも、残りのお味噌汁の濃さは変わらない」という意味です。
食塩とお味噌汁の重さの比は、一口飲んでも変わりません。
これを使うと、B君とC君の残った所持金の比は、8:5
金額の差は1800円
よって、B君、C君の残った金額がわかります。
ここを突破口に、すべてがわかります。
大問7「統計」
中央値の意味がわかれば、アが4はすぐわかり、残りもいもづる式にわかります。
大問8「平均算」
統計問題が続きます。こちらは、従来からの平均算です。
最高点と最低点の差がわかっていて、比も求められるので、差相当で求められます。
大問9「場合の数」
組み合わせは全部で3×2×4=24通り。
すべて調べるのは、ものすごく時間がかかりそうです。
でも、金額が高い同士、時間がかかる同士は、すぐ除外できますから、思ったほど大変ではありません。
ミスに気をつけて、得点しましょう。
大問10「平面図形・長さ」
イの部分は、線対称な図形です。
半分に切って、長方形になるように並べ替えると、正方形の辺との「長さの比」がわかります。
大問11「平面図形・角度」
正五角形の左下の頂点をE、右下の頂点をFとすると、三角形CEFは正三角形になります。
三角形BCEは二等辺三角形になります。
これで、すべてがわかります。
本問も、ADが線対称の軸になっていることを利用する問題です。
大問12「平面図形・面積」
長方形2枚とおうぎ形2枚を足しておいて、白いおうぎ形2枚を引くと、うまく打ち消し合います。
ただし、中央の平行四辺形は、初めに2回数えてしまったので、最後にこれを引いて、調整します。
本問は、点対称な図形であることから、きれいな結果が出ました。
大問13「規則性」
周期を求めれば、すべて解決しますが、この周期が引っかかりやすくなっています。
10の2倍で20、とはいきません。
①から⑩の間は9(植木算)ですから、周期は9×2で18です。
外側の噴水が故障すると、周期は8×2で16です。
ここさえ乗り切れば、あとは易しい問題です。
大問14「水そうおもり」
(1)は基本問題。
(2)は、仕切りがなくても、水面の高さは同じ結果になる、ということに気づけば、水面の高さがわかります。
右側がその高さになるには、底面積がどうなればよいか、と考えると、仕切りを右へ何cm動かせばよいかも、わかります。
・本年度も、中盤に難問が配置されていますので、ここをいかに切り抜けるかが、対策として重要です。
・また、大問7で「中央値」が出題されたのは、かなり珍しく、要注意です。
中学入試の算数は、一般的に「長文化」「グラフ、図表重視」の傾向にあります。
「進行グラフ」「水そうグラフ」の出題が増加していますが、今後は「統計グラフ」についても、よく準備しておきましょう。
・大問10~12の「平面図形」は、「長さ」「角度」「面積」「多角形」「円・おうぎ形」とすべてそろっており、さらに「対称図形」というテーマで貫かれています。
特に、大問10と11は、どちらも「線対称」を利用して解きます。
いずれか一方の問題で、この点に気づけば、他の問題でも糸口が見つかるかもしれません。
さらに、大問8「平均算」は、最高点と最低点が完全に「対称性」を備えた条件設定になっています。
大問6は、B君、C君の条件が「対称性」を備えています。
大問7「統計」は、平均点を中心に、左側合計(マイナス分)と右側合計(プラス文)が等しいという意味で、「対称的」ともいえます。
中盤の難問の多くが、「対称性」という「算数の発想法」で貫かれているのは、興味深いですね。
大問相互間のヒントについても、考えてみる価値があります。
当ホームページ内
では、「算数の発想法」について、ご紹介しています。
「対称性」以外にも、多くの発想をご紹介しています。
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