国学院大学久我山中学の算数は、例年、大問4問で構成されています。
第1回は、大問1が計算問題。大問2が、様々な分野からの小問群。大問3、4が、それぞれテーマをもった応用問題です。
これに対し、STは、計算問題はなく、大問1は、様々な分野からの小問群。大問2は、様々な分野からの中問群。大問3、4は、それぞれテーマをもった応用問題です。
1、小問、中問について
各回とも、小問、中問については、はば広い分野から、出題されています。
「平面図形」、「立体図形」、「速さ」、「割合、比」、「数の性質」、つるかめ算、差集め算などの「特殊算」、「約束記号」など、様々です。
これらのうち、「割合、比」は、特によく出題され、「食塩水の濃さ」「売買損益算」「相当算」などが、くり返し出題されています。
「食塩水の濃さ」について、どれほど出題されているか、見てみましょう。
です。
小問、中問の難易度は、標準的。ほぼ、易しい順に並んでいて、STの大問2終盤では、多少難しい問題も出題されています。
2、大問(応用問題)について
小問、中問が、はば広い分野から出題されるのに比べると、応用問題は、ややしぼられます。
「速さ」「規則性」「数の性質」「ルール指定問題」、これらの「融合問題」が、よく出題されています。
「速さ」は、小学校の算数の最も重要分野の一つ。
「規則性(数列)」「数の性質(数論)」は、高校数学とのつながりが深い。
「ルール指定」「融合問題」は、問題文の意味を読み取る力、自分の頭で考える力があるかどうか試すのに、適切。
そのあたりに配慮した出題です。
かなりの難問も出題されています。
論理的、発想的に難しい問題としては、
手間がかかる、時間がかかるという意味の難問としては、
などです。
学校公表の合格者平均点は、8割前後。かなり高いといえます。
小問、中問については、満点近く取らないと、合格が厳しくなるでしょう。
そのためには、塾のテキストの基本問題について、まんべんなくマスターしておきましょう。
特に「食塩水の濃さ」など、くり返し出題されている問題は、過去問も使い、まとめて解くと、力がつきます。
応用問題については、手間のかかる問題を、どう手際よく処理するか?が、合否を分けます。
たとえば、2018年ST第2回大問3(ルール指定・サイコロころがし)について、見てみましょう。
ルールの説明が長文で、頭に入れるのが大変ということもありますが、最も問題なのは、頭の中で、サイコロを前後左右にころがした時の、目の位置関係を想像するのが難しい、ということでしょう。
でも、ルールこそ違え、サイコロ(立方体)や正四面体をころがす問題は、中学入試問題として、時々見かけます。
それらの問題を勉強する際、サイコロの図をかくにはどうするか、自分なりの要領のよい方法を研究していたかどうかで、差がつきます。
同様に、「速さ」の問題でも、「進行グラフ」をかくのが適切な問題もあれば、それではかえって手間どる問題もあります。
「どのような時に進行グラフをかくべきか」というテーマについて、日ごろから、自分なりの基準を準備しておくことが、大切です。