慶応湘南藤沢の算数は、例年、大問6問で構成されています。
大問1は、計算問題を含む1行題。大問2は、様々な分野からの小問群。大問3以降は、それぞれテーマをもった応用問題が並んでいます。
大問2の小問は、3~5年生で勉強することが、そのまま出題される感じです。ここ数年は、相当算がよく出ています。
大問3以降の応用問題は、「平面図形」「立体図形」「速さ」「規則性」から、よく出題されています。
難易度について。
大問1は、計算問題もふくめ、易し目です。緊張をほぐして、実力を発揮できるように、という配慮でしょうか。
大問2も易しい問題が並んでいます。ただし、最後の小問だけは、かなり難しいこともあります。
大問3以降の応用問題は、かなり手ごたえがあります。大問2までは、パッパッと順調に解き進めてきても、ここから先は、腰を据えてじっくり解く感じになります。
各大問が小問3問に分かれ、小問1が導入部のヒントになっています。小問2が勝負。小問3は、捨て問にせざるを得ないものも、かなりあります。
分野別の難易度を見てみましょう。
「平面図形」は、オリジナルの独特な問題が出ていて、難問ぞろいです。
通常、中学入試の平面図形の問題は、平行四辺形、長方形、正方形、正三角形などの「多角形の問題」と、円、おうぎ形などの「円の問題」に分かれます。
「多角形の問題」では、「三角形の相似」を使うことが多く、一目見ただけで「ああ、あれか」という問題が多いです。
ところが、湘南藤沢の問題は、多角形と円、おうぎ形が組み合わされており、中学入試問題としては、やや異質です。(2018年大問4、2017年大問3など)
ここが難しさのポイントでしょう。
次に「規則性」の問題。こちらも、一筋縄ではいきません。
通常、規則性の問題は、
に分類されます。(最後のパターンは、規則性の問題というより、「調べる問題」と言った方が適切です)
そして、学校によって、好みのパターンがある程度決まっています。たとえば、筑駒は、2のパターンをよく出題します。ですから、そのつもりで解いて、だいたいうまくいきます。
ところが、湘南藤沢は、これらを混ぜて出題するので、手ごわいです。たとえば、
といった具合です。2016年大問5は、規則性を見つけようとしながら、どんどん書き出し、結局見つからないまま、答えが求まるという問題でした。
以上まとめると、大問2までは、ウオーミングアップの易しい問題ですが、大問3以降は、かなり個性的で難しい、オリジナル問題が並んでいます。
大問1の計算問題では、
0.125=8分の1
0.25 =8分の2=4分の1
0.375=8分の3
0.5 =8分の4=2分の1
0.625=8分の5
0.75 =8分の6=4分の3
0.875=8分の7
の知識が、必須です。
鬼暗記の必要はありません。25の倍数が50、75ということを利用すれば、その場で、暗算で計算できます。
大問2は、易しいので、塾のテキストの問題を勉強していれば、普通に解けるでしょう。
最後の1問が難しいかもしれないので、心の準備をしておきましょう。
大問3以降の応用問題については、湘南藤沢独自の準備が必要です。
「平面図形」は、「傾向」のところで述べたように、多角形と円が組み合わされた独特の問題が出ます。
このような問題に対処するには、「鉄則」とか「パターン暗記」といった勉強は、あまりおすすめできません。頭が硬くなります。
もちろん、最低限の知識は必要ですから、塾のテキストで勉強する必要はあります。でも、わからないとき、すぐ解説をみるのではなく、自分でじっくり考える時間を十分とるべきです。
人間の頭の良さには、いくつもの種類があります。
「頭の回転が速い」のも頭の良さですが、「ゆっくりでも深くじっくり掘り下げられる」というのも、頭の良さです。
慶應中等部や慶應普通部の算数が、どちらかというと「回転の速さ」「切り替えの速さ」を求めているのに対し、慶應湘南藤沢の算数は、「深くじっくり」を求めています。
同じことは、「規則性」の問題でも、言えます。
性急に答えを求めようとすると、あせるでしょう。規則性があるのかないのか、よくわからない状態に耐えながら、じっくり書き出して、答えをさぐっていくことが大切です。
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