目次 |
「傾向」 |
1、概要 |
(1)出題分野 |
(2)難易度 |
2、各論(大問1~6) |
「対策」 |
1、概要
女子学院2021年算数は、例年通りの出題傾向、難易度でした。
(1)出題分野
「平面図形」「立体図形」「速さ」「割合」「数の性質」「場合の数」など、一通り、全分野から出題されています。
大問1(6)「平面図形」は、女子学院らしい個性的な問題です。
大問6「速さ」では、進行グラフが出題されました。
「どの進行グラフが、正しいか」という問題で、近年、大学入試で重視される、資料読み取り問題の一環です。
(2)難易度
出題分野以上にユニークなのが、難易度。
「女子学院中学の算数」のページでも総括していますが、大問1の小問群が、必ずしも易しいわけではありません。
2021年度は、大問1(5)(6)が最も難しく、大問1(3)も、それほど楽勝ではありません。
また、大問2は、「数の性質」の基本問題ですが、どうみても、これは大問1の(2)あたりに配置されるはずの問題です。
このような、細かくて易しい問題が、大問1問扱いになっていることからもわかる通り、大問ことの区切りには、ほとんど意味がありません。
大問4(1)(2)も、一見難しそうな図がかいてありますが、実は、最も易しい問題です。
大手塾の一般的な公開模試とは、構成が全く異なる試験である、ということを、肝に銘じておきましょう。
「出題分野&難易度マップ」を掲載致します。(難易度は、レッツ算数教室の分析によります)
Aが最も易しく、BCDEの順に難しくなっていきます。
出題分野&難易度マップ | ||
大問1 | ||
(1) | 計算 | A |
(2) | 比 | C |
(3) | 平面図形(角度) | D |
(4) | 売買算 | D |
(5) | 倍数算 | E |
(6) | 平面図形(面積) | E |
大問2 | 数の性質 | B |
大問3 | ニュートン算・つるかめ | D |
大問4 | ||
(1) | 立体図形(側面積) | B |
(2)① | 平面図形 | B |
(2)② | 立体図形 | B |
大問5 | 場合の数 | C |
大問6 |
||
(1) | 速さ(進行グラフ) | C |
(2) | 速さ(進行グラフ) | D |
(3) | 速さ(進行グラフ) | D |
(4) | 速さ(進行グラフ) | E |
それでは、順に見ていきましょう。
2、各論
大問1
(1)「計算問題」
(2)「比」
(1)と並んでいるので、計算問題のように見えますが、これは「比」の問題です。
分子と分母の「比」と「差」がわかっていますから、「差相当」の問題です。
(3)「平面図形(角度)」
正方形ABCDの外側の頂点をEとします。CB=CE(半径)なので、三角形CBEは二等辺三角形になります。
三角形CDEと三角形CBDも二等辺三角形です。
各CBD=45度より、後はいもづる式に解けます。
(4)「売買算」
原価を①と表します。
(5)「倍数算」
白と黒の関係を表す倍数算の式が、2本ずつ、2組できます。
2組できてしまうため、見慣れない倍数算ですが、最終的な答えも2通りあるので、2問分と思って解けば大丈夫です。
(6)「平面図形(面積)」
ACEを含む長方形の、残りの頂点をFとします。
三角形ADFは、それぞれの長方形の面積の、2分の1になっています。
ここに気づけば、解けます。
きわめて女子学院らしい問題です。
大問2「数の性質」
基本問題です。
大問3「ニュートン算・つるかめ算」
はじめにあったケーキの数を100、1分あたり追加されるケーキの数を5として、計算していけば、大丈夫です。
分母が3の分数になるので、整数で計算したければ、はじめを300にするのもいいですね。
大問4「立体図形・平面図形」
最も易しい問題です。難しい問題はどんどん後回しにして、このような問題を確実に取りましょう。
大問5「場合の数」
一見難しそうですが、「い」に書くことができる可能性がある数は、12345の5個しかありません。
一つ一つ、すべて試しても、たいして時間はかかりません。
「迷うより、やれよ」
です。
大問6「速さ(進行グラフ)」
「妹が16m泳いだときに初めて兄とすれちがい」の部分から、兄速:妹速=3:2がわかり、兄時間:妹時間=2:3がわかり、これで、すべてわかります。
あとは、慎重に進行グラフへ書き込み、(4)は、自分で進行グラフを延長して書き込めば、解けます。
本問のように、グラフや資料を読み取る問題は、増加傾向が予想されます。
算数的には、難しくないので、慣れておけば大丈夫です。
いっそのこと、大問2から解いてはどうか!
と言いたくなるような構成でした。
大問2~大問6(3)までは、易しい基本問題が並んでいます。ここだけで、6割弱くらいの得点が取れます。
ただ、やはり多くの人は、大問1から解き始めるのではないかと思われます。
そうであるなら、やはり、大問1から解き始めるのが良いと思います。
なぜならば、万が一、大問1が易しい年度だった場合、多くの人が解ける問題を、自分だけ解く時間がなくなる、という、最悪の事態に陥るかもしれないからです。
入試では、受かる方法よりも、落ちない方法が、優先します。
自分と同じレベルの受験生を「出し抜く」というのは、ほとんど無理で、「負けずについていく。引き分けに持ち込む。そして、自分の得意な部分で、鼻の差で勝つ」というのが、手堅い戦略になります。
あとは、定番問題を確実にマスターしておくことと、女子学院ならではの平面図形問題を準備しておくことで、合格点に届きます。
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