慶應中等部 算数 対策 2019年


傾向

2019年の慶応中等部・算数は、例年通りの出題傾向、難易度でした。

 

大問1~5までは、易し目~標準的な問題が並び、最後の大問6と7の、特に(2)が難問、という構成になっています。

 

順に見ていきましょう。

 

大問1

 

(1)計算問題

 

パッと見、手間そうですが、1.125を8分の9に一発変換できれば、それほどでもありません。

 

計算の知識が重要です。

 

(2)計算問題

 

ここでも、1.375を8分の11と、一発変換できるかで、差がつきます。

 

(3)場合の数

 

「奇数」ゆえ、1の位が1、3、5。「3けた」ゆえ、百の位に0は使えない。この2点がポイントです。

 

(4)年齢算

 

線分図を書く場合、端をそろえます。

 

 

大問1は、中等部の受験生であれば、速攻で満点です。

 

大問2

 

(1)数の性質(約数)

 

「90との最大公約数が15」ですから、求める整数は、15の倍数である必要があります。

 

そこで、15、30、45と、約数の個数を調べると、45の約数の個数が6個で、題意を満たします。

 

ところが・・・

 

45と90の最大公約数は45で、条件を満たしません。

 

ここで引っかかった人は、結構いたかもしれません。このようなミスは、命取りです。(答えは75。もう少しの辛抱でした。)

 

(2)速さ

 

分速を時速に換算するだけの問題。

 

秒速mを時速kmに換算する機会は多く、数字を3.6倍すればよいと、暗記している人が多いでしょう。

 

そのような中、突然、分速を時速に換算しなさいと言われると、ド忘れする人が出てくるから、このような出題があるのでしょう。

 

でも、忘れるようなことではありません。意味を「理解」しておきましょう。

 

(3)時計算

 

原則として、1時間の間に、長針が後ろで60度、長針が前で60度と2回あります。

 

でも1時台のように、長針が後ろから追いついて60度になった瞬間に、2時になってしまうときもあります(つまり、1時台は1回になります。)

 

このようなポイントをおさえているかどうかで、差がつきます。

 

(4)濃さ(食塩水問題)

 

2017年、18年に引き続いての出題。完全な数字替え問題ではありませんが、ほぼ同じです。

 

大問2も、満点をめざしましょう。十分可能です。

 

大問3

 

(1)平面図形と比

 

三角形の相似(通称・砂時計の相似)を含む、定番問題です。

 

大問2までの小問より、多少難しくなっていますが、正答率は高いでしょう。

 

EH:HF=3:2を、AH:HCに移し、さらにAB:GCに移します。

 

(2)平面図形(角度)

 

外角の定理(通称・スリッパ)を、連続して使います。

 

初めに、角Bの大きさを①とおくと、うまくいきます。

 

(3)回転移動・等積移動

 

よくある定番問題です。2013年の数字替え問題。

 

(4)回転体・表面積

 

これも、2015年から、5年連続して出題されています。記録更新中。

 

大問3は、やや難度が上がりましたが、中等部の受験生であれば、満点を取りましょう。

 

大問4 速さ

 

これも、中学受験では有名な、定番問題です。(そのまま出題されています)

 

初めて出題されたときは、超難問(捨て問)だったと思われますが、現在、高偏差値の受験生にとっては、計算問題と化しています。

 

このように、「かつての難問➡今は計算問題」という問題が、中等部ではよく出題され、合否を分けます。

 

大問5 体積

 

一応、体積の問題に分類しましたが、三角柱の体積ですから、底面積の比だけ考えればよく、実質的には、「三角形の相似比、面積比」の問題です。

 

上手に解けば、時間を短縮できます。

 

そのような意味で、合否を分けたかもしれません。

 

大問6 点の移動・グラフ読み取り

 

(1)グラフから、48cm進むのに、Pは8秒、Qは12秒かかることが、読み取れます。

 

1回目は、PがDに着く前。ゆえに、2回目は、PがAに戻る途中をさぐります。

 

(2)ABQPが正方形ということは、まず、ABの長さを求めるのが先。

 

グラフより、PがDにいるときの面積が768。ここから、台形ABQPの高さ、すなわち、ABの長さ19.2を求めます。

 

あとは、P、Q双方が、左から19.2の地点にくるときをさがします。

 

グラフが24秒を中心に、対称形になっていますが、ここに気づけば、1回目がわかると同時に、2回目もわかります。

 

一見、すごく手間ですが、効率化する方法があるわけです。

 

(1)はゲットしましょう。(2)は難問(手間)ゆえ、正答率は低目でしょう。

 

大問7 場合分け

 

(1)は、「くじ引き」による2位もアリです。そう考えないと、「くじ引き」の出番がありません。

 

(2)は、超難問。捨て問でかまいません。

対策

合格者平均点、受験者平均点は非公表ですが、2019年は、相当に高いと推測されます。

 

特に女子は、85点を超えたかもしれません。

 

中等部の合格を(本当の意味で)争っている受験生にとって、大問7(2)以外の問題は、時間さえあれば、満点がとれます。

 

ただし、本番ならではの極限的な緊張状態の中で、しかも時間内に、ということになると、ミスやトラブルで点数が下がっていきます。

 

ですから、対策は、いかにミスなく、素早く解くか?ということが、ポイントです。

  • ミスしやすいところを、自覚し、ミスを防ぐ工夫をすること。
  • 手間がかかるところを、効率的に処理する工夫をすること

が、合否を分けます。

 

具体的なポイントは、「概要」で指摘しています。

 

 

また、かつての難問で、現在、計算問題と化している問題についても、十分マスターしておきましょう。

 

過去問については、これらの対策を実施する材料として、参考にすべきものであり、過去問の数字替え問題を期待して解くものではありません。

 

類似問題が繰り返し出題されていますが、過去問で勉強していなくても、このくらいの問題が解けなければ、合格は無理でしょう。



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