目次 |
「傾向」 |
1、概要 |
(1)入試結果 |
(2)出題分野 |
(3)難易度 |
2、各論(大問1~5) |
「対策」 |
(1)入試結果
合格者平均点 | ||
男子 | 女子 | |
2020年 | 74.8点 | 77.9点 |
(中大附属中学ホームページより引用・算数100点満点)
(2)出題分野
本年度は、「平面図形」「立体図形」「速さ・進行グラフ」「規則性」「割合と比」などを中心に、出題されています。
オーソドックスな出題傾向です。
「速さ・進行グラフ」では、縦軸が相対距離を表す特殊な進行グラフが出題されています。
最近、各学校で頻出のグラフであり、流行もしっかり取り入れています。
(3)難易度
前半(大問3まで)は基本的な問題で、後半(大問4、5)は、かなり難しい応用問題です。
問題数自体は、基本的な問題の方が多いため、合格者平均点はかなり高くなっていますが、後半の応用問題は、決してあなどれません。
特に、最後の問題(大問5(3))は、最高難度の難問となっています。
「出題分野&難易度マップ」を掲載致します。(難易度は、レッツ算数教室の分析によります)
Aが最も易しく、BCDEの順に難しくなっていきます。
出題分野&難易度マップ | ||
大問1 | ||
(1) | 計算問題 | A |
(2) | 計算問題 | A |
(3) | 和と差・平均算 | B |
(4) | 比 | B |
(5) | 割合・濃さ | B |
(6) | 平面図形・角度 | B |
(7) | 平面図形・面積 | C |
大問2 | ||
(1) | 割合・仕事算 | C |
(2) | 割合・仕事算 | C |
(3) | 割合・仕事算 | C |
大問3 | ||
(1) | 規則性 | B |
(2) | 規則性 | C |
大問4 | ||
(1) | 速さ・進行グラフ | B |
(2) | 速さ・進行グラフ | C |
(3) | 速さ・進行グラフ | D |
大問5 | ||
(1) | 立体図形・切断 | C |
(2) | 立体図形・切断 | D |
(3) | 立体図形・切断 | E |
それでは、順に見ていきましょう。
大問1(1)(2)「計算問題」
0.375=3/8は、必須知識です。
大問1(3)「和と差・平均算」
30×5-49.5×2=51……子3人の和
兄と弟の年令を桜さんに合わせて、3等分します。
(51-2+5)÷3=18歳(答)
大問1(4)「比」
A:B:C=8:12:9
8と9の差の1が200円にあたるので、B=200×12=2400円(答)
大問1(5)「割合・濃さ」
もともとの水の重さと、最終的な水の重さを比べます。
1000×0.84-500×0.85=465g(答)
大問1(6)「平面図形・角度」
「正方形の1辺の長さ」を等しい2辺とする「二等辺三角形」を利用します。
90-16=74
180-74×2=32
(90-32)÷2=29
90-29=61度(答)
大問1(7)「平面図形・面積」
60度の角をはさむ2辺の長さが、9cm、18cmの直角三角形を利用します。
2つの直角三角形の重なっていない部分の面積が等しいので、等積移動すると、斜線部分の面積は1辺18cm、中心角30度のおうぎ形の面積と、等しいことがわかります。
18×18×3.14×30/360=84.78㎠(答)
大問2「割合・仕事算」
(1)全仕事量を240とすると、1日の仕事量は、A=1、D=5となります。
240÷5=48日(答)
(2)B=2、B+C=5より、C=3
240÷(3+5)=30日(答)
(3)(2+3+5)×15=150
(240-150)÷1=90日(答)
大問3「規則性」
(1)
1回目……2×3=6
2回目……4×3=12追加
3回目……6×3=18追加
4回目……8×3=24追加
5回目……10×3=30追加
6+12+18+24+30=(1+2+3+4+5)×6=90個(答)
(2)
(1+2+3+……+□)×6=630
□=14回目(答)
大問4「速さ・進行グラフ」
(1)177.6÷3=59.2m/分……太郎君
(177.6-59.2)÷(11-3)=14.8m/分……差
59.2+14.8=74m/分(答)
(2)次郎君が8分かかっています。
74×8=592m(答)
(3)グラフの右上がりの傾きと、右下がりの傾きは、等しいので、三角形の相似比より、それぞれの時間を求めることができます。
次郎君がコンビニに寄っていたのは7分間、その後は32分間。
結局、次郎君は8+32=40分かかりました。
74×40=2960m(答)
大問5「立体図形・切断」
X、Yそれぞれを水平に切ったときの切り口は、三角形BCD、三角形ABDと相似になることを利用します。
相似比は点Pの高さによって決まります。
Zがどのような図形かをイメージすることは、本問を解くために、必ずしも必要ではなく、X、Yそれぞれの切り口の「重なり部分」を考えれば十分です。
・大問3までは、基本的な問題です。
合格者平均点の高さから考えると、取りこぼしは許されません。
十分に準備しましょう。
・大問1(5)は、水の量に注目しました。
濃さの問題では、砂糖(通常は食塩)の重さに注意がいきがちですが、本問は、逆に水の重さに注目することで、速く解けます。
「裏から考える」という算数の発想法です。
・大問1(7)では、合同な三角形の重なりを利用して、等積移動しました。
「等しいものに注目する」という、算数の発想法です。
通常とは図の向きが異なるので、戸惑った受験生もいたかと思いますが、「合同な三角形を見つける」という意識があれば、乗り切れたことでしょう。
・大問2では、240と40の最小公倍数から、全仕事量を240に設定すると、効率的に解けます。
合格者平均点から推定すると、合格者は、このようなコツを十分にマスターしているものと思われます。
・大問3では、本来、正方形に並べる方陣算の公式を、三角形に転用しています。
転用できなかった人は、方陣算の理解が浅いので、復習が必要です。
また、1+2+3+……+15=120は、頻出なので、覚えてしまっているでしょう。
この知識があると、□=14を見つけやすいです。
もし、覚えていなくても、このくらいなら、根性であてはめていけば、いずれ見つかります。
・大問4の進行グラフは、図形としてとらえる練習をしておくことを、おすすめします。
相似を利用できると、爆速で解けます。
・大問5立体切断は、3次元の立体図形を、いかに2次元に落として解くか、という点に、ポイントがあります。
以上、対策上のポイントについて、若干のコメントを致しました。