目次 |
「傾向」 |
1、概要 |
(1)入試結果 |
(2)出題分野 |
(3)難易度 |
2、各論(大問1~4) |
「対策」 |
(1)入試結果
立教女学院中学2020年・算数は、前年度に引き続き、高得点の結果となりました。
合格者平均点 | |
2020年 | 71.5/90(79.4%) |
2019年 | 71.14/90(79.04%) |
2018年 | 50.6/90(56.2%) |
2017年 | 61.8/90(68.7%) |
(立教女学院ホームページより引用。算数90点満点)
(2)出題分野
本年度は、「平面図形」「数の性質」「速さ」「割合」を中心に出題されています。
とりわけ、「速さ」は、特殊な進行グラフの問題が「小問群」の中で出題された上、大問4では、オーソドックスな「速さと比」が本格的に出題され、かなり力を入れている様子がうかがえます。
(3)難易度
大問1、2は基本的な問題。大問3、4は難しい応用問題となっています。
特に、大問3の「約数の和」は、公式をあてはめるだけでは解けない出題の工夫が見られ、手ごわい問題です。
「出題分野&難易度マップ」を掲載致します。(難易度は、レッツ算数教室の分析によります)
Aが最も易しく、BCDEの順に難しくなっていきます。
出題分野&難易度マップ | ||
大問1 | ||
(1) | 計算問題 | A |
(2) | 計算問題 | A |
(3) | 計算の工夫 | B |
(4) | 速さ・時計算 | B |
(5) | 集合・割合 | B |
(6) | 速さ・進行グラフ | D |
(7) | 平面図形 | B |
(8) | 3段つるかめ | C |
(9) | 割合・濃さ | C |
大問2 | ||
(1) | 平面図形 | B |
(2) | 平面図形 | B |
(3) | 立体図形 | C |
大問3 | ||
(1) | 約束記号・数の性質 | B |
(2) | 約束記号・数の性質 | C |
(3) | 約束記号・数の性質 | D |
(4) | 約束記号・数の性質 | E |
大問4 | ||
(1) | 速さと比 | B |
(2) | 速さと比 | C |
(3) | 速さと比 | C |
(4) | 速さと比 | D |
(5) | 速さと比 | D |
それでは、順に見ていきましょう。
大問1(1)(2)「計算問題」
0.125=1/8は必須知識です。
大問1(3)「計算の工夫」
( )内の4つの整数を見比べます。
千の位、百の位、十の位、一の位、それぞれに、1、2、3、4が1回ずつ登場します。
1+2+3+4=10、よって、
10×1000+10×100+10×10+10×1=10×1111=11110
11110÷101=110(答)
大問1(4)「速さ・時計算」
30×7=210度(答)
60÷5.5=10と10/11(答)
大問1(5)「集合・割合」
3/4×1/3=1/4、9/20-1/4=1/5=20%(答)
1-0.75-0.2=0.05
5%→10人より25%=50人(答)
大問1(6)「速さ・進行グラフ」
300÷6=50m/分……姉
姉は16-2=14分で700m進む。これを妹は10分間で進むから700÷10=70m/分(答)
大問1(7)「平面図形」
1つ1つの影の出っ張りをへっこみにはめ込むと、中心角60度のおうぎ形が3つになり、半円の面積と等しくなります。
10×10×3.14÷2=157(答)
大問1(8)「3段つるかめ」
ABの平均は370/8g。これと60gのつるかめ算。
3段つるかめは、普通の2段つるかめに持ち込みます。
大問1(9)「割合・濃さ」
濃度が等しくなったということは、10%:5%を300g:100g=3:1に混ぜれば良いということ。
よって、300÷4=75(答)
濃さは、すべてを1つの容器に混ぜた場合と同じなので、
(10×300+5×100)÷400=8.75%(答)
大問2「平面図形」
(1)半径3mの半円
3×3×3.14÷2=14.13㎡(答)
(2)半径10mの半円、半径8、6、2mの四分円。
(50+9+16+1)×3.14=238.64㎡(答)
(3)半径4cm、中心角90度、90度270度のおうぎ形3個。
(8+12)×3.14=62.8㎠(答)
大問3「約束記号・数の性質」
(1)28=2×2×7より、
(1+2+4)×(1+7)=56(答)
(2)約数が1とその数自身(N)しかないので、Nは素数です。よって、47(答)
(3)12の約数の和は12をこえます。
よって、11以下について、試していくと、最小6、最大11(答)
(4)まず、1とNは確実に約数となりますから、これを約数の和から引きます。
N+8-1-N=7……残りの約数の和
2+5、3+4、7が考えられます。
2×5=10、3×4=12、7×7=49が考えられますが、Nが12のときは、2、6も約数に加わってしまうので不適。
よって、最小10、最大49(答)
大問4「速さと比」
(1)60×126=7560m(答)
(2)60×5:48×4=25:16(答)
(3)90:126=5:7
5:(7-5)=5:2(答)
(4)姉:弟:歩道=25:16:10……速さの比
よって、姉+歩道:弟+歩道=35:26
9秒÷(35-26)×26=26秒(答)
(5)60×90÷26=2700/13(姉の秒速)
2700/13÷5×2=1080/13=83と1/13m/秒(答)
・大問1(6)の進行グラフは、縦軸が「姉妹の進んだ距離の差」となっています。
通常、このタイプの問題では、「姉妹の間の距離」といった表現になっていることが多いので、「進んだ」という言い回しに一瞬考え込みます。(結局は、2人の間の距離と同じことですが)
さらに、通常、進行グラフの問題では、グラフを「図形」ととらえて解くことが多いのですが、本問では、そのような、通常の進行グラフのワザが使えません。
意図的に異なるパターンにしています。
結局、グラフの意味をくみ取って、別の表現に翻訳する必要があります。(具体的には、「各論」の解説参照)
・大問3「約数の和」も、公式をあてはめるだけで解けるのは(1)だけで、結局、やっていることの意味が理解できていなければ、解けません。
・立教女学院の問題は、偏差値の高さに比べ、易し目の問題が多いといえますが、その中に、これら「真の理解」を問う問題が、さりげなく織り込まれています。
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