目次 |
「傾向」 |
1、概要 |
(1)入試結果 |
(2)出題分野 |
(3)難易度 |
2、各論(大問1~7) |
「対策」 |
(1)入試結果
桐朋2020年度第1回・算数は、例年通りでした。
学校公表の受験者平均点は、100点満点中、54.8点。合格者平均点は、67.8点でした。
(2)出題分野
「割合」「論理パズル」「速さ」「平面図形」「数の性質」などから出題されています。
特に、本年度は、論理パズル系の問題が、大きな部分を占めています。
大問4、大問5は、そのまま論理パズルと言える問題ですし、大問7も、平面図形の形式をとりつつ、実質的には場合分けが多く、論理パズル系の問題とも言えます。
(3)難易度
受験者平均点、合格者平均点は例年通りですが、本年度は、易しい問題と難しい問題の両極端に分かれ、中間レベルの問題が少なかった印象です。
合格者も、難問はできなかった人が多かったようですが、逆に、易しい問題は、ほぼ満点近く取れているようです。
「出題分野&難易度マップ」を掲載致します。(難易度はレッツ算数教室の分析によります)
Aが最も易しく、BCDEの順に難しくなっていきます。
出題分野&難易度マップ | ||
大問1 | ||
(1) | 計算問題 | A |
(2) | 計算問題 | A |
(3) | 計算問題 | A |
大問2 | ||
(1) | 割合・相当算 | B |
(2) | 仕事算・つるかめ算 | C |
(3) | 平面図形 | C |
大問3 | 割合・売買算 | D |
大問4 | 論理パズル・比 | E |
大問5 | ||
(1) | 論理パズル | B |
(2) | 論理パズル | C |
(3) | 論理パズル | C |
(4) | 論理パズル | E |
大問6 | ||
(1) | 速さ・点の移動 | B |
(2) | 速さ・点の移動 | C |
(3) | 速さ・点の移動 | E |
大問7 | ||
(1) | 平面図形・数の性質 | D |
(2) | 平面図形・数の性質 | E |
(3) | 平面図形・数の性質 | E |
E問題が5問と多い一方で、D問題が2問しかありません。
それでは、順に見ていきましょう。
大問1「計算問題」
ここは、ウオーミングアップ問題です。
大問2
(1)「割合・相当算」
(2)「仕事算・つるかめ算」
(3)「平面図形」
この3問も、基本問題です。
満点で乗り切りましょう。
大問3「割合・売買算」
差の180本と、5/3倍から、2日目は450本売れたことが、わかります。
仮に18円値下げしなければ、18×450=8100円売り上げが増えます。
5940円と合わせて14040円増えます。
これが、本数の増加180本の売り上げです。
よって、14040÷180=78円が、1日目の売値。
78-18=60円(答)
大問4「論理パズル・比」
Bの赤、青は、やりとりの結果、90と105になり、比は6:7です。
Aの赤と青は、比が6:7となることがわかったので、あとは、和がわかれば求められます。
やりとりの結果、Aの黄は52、合計は221になりますから、赤と青の和は169。
これを6:7に比例配分すると、78と91。
91:52=105:60より、Bの黄は60。合計は255
これをやりとり前に戻すと、ア73、イ100、ウ62、エ253(答)
大問5「論理パズル」
(1)(2)は、指示通りに操作するだけです。
(3)は、入れかえの影響が30なので、頂点以外の数字と4を入れかえることを考えます。
1と4の差が3なので、これがちょうど良いとわかります。
(4)は、難問です。(3)までで、入れかえる数は、となり合わせの数字同士と考えてしまうと、答えがありません。
でも、問題文には、「となり合う」という条件はないので、離れた数字同士の入れかえも考えます。
頂点の数字を2減らせば、だいたい200ほど減る、という線で考えます。
大問6「速さ・点の移動」
PRを結ぶ線がCDと交わる点をS(シャドー・影)とします。
(1)三角形PQRの面積は、SQ×6÷2です。
(2)SとQが出会ったとき、P、Q、Rが一直線に並びます。
(3)1回目は、SとQが10/3cmまで接近したとき。
2回目は、PがBから戻る途中で、Qとの距離が10/3cmまで開くとき。
シャドーを上手に使いこなしましょう。
大問7「平面図形・数の性質」
たて、横の分割の長さが、「互いに素」になるところがポイントです。
もし、1以外の公約数があると、aとd、bとcが、その公約数で割り切れてしまうからです。
(1)(2)は、そのような観点で解けます。
(3)は、かなりの難問です。255を素因数分解すると、3×5×17となり、dの長い方の辺を17cm、51cm……と場合分けして調べていきます。
あまり長くすると、dのとなりの長方形の方が大きくなってしまうので、dが17cm×15cmの場合が唯一つじつまが合います。
このとき、正方形の一辺の長さは28cmです(答)
本年度は、論理パズルの出題が多くなっています。
知識的に中学、高校数学の先取りは求めない、という出題方針は維持しつつ、「場合分け能力」に関しては、かなり高度なものを求めています。
その結果が、パズル問題の増加であると思われます。
そして、パズル問題の難度は高く、難度Eレベルの問題5問のうち、4問が、パズル問題に含まれています。
「合格する」という観点からは、D問題以下をすべて得点できれば、合格者平均点に達すると推定されます。
ただ、ミスしても挽回できるように、さらには、出題者の期待に応えるためにも、「場合分け能力」を鍛えて、パズル問題にも強くなることが、望ましいと思われます。
(青い文字をタップ、クリック) |
桐朋の算数・トップ |
桐朋 算数 対策 2023年 |
桐朋 算数 対策 2022年 |
桐朋 算数 対策 2021年 |
桐朋 算数 対策 2019年 |
桐朋 算数 対策 2018年 |