市川中学2019年第1回算数は、例年通りの出題傾向、難易度でした。
易しい問題から、難しい問題、手間のかかる問題まで混在していて、捨て問、取り問の選択を間違えると、時間的に厳しくなったかと思います。
順に見ていきましょう。
大問1
(1)「計算問題」
いきなり、2019÷673の計算に面食らった人もいたかもしれませんが、2019(自分の受験年度)の素因数分解は、事前におさえておきましょう。
仮におさえていなくても、2019が3の倍数であることは、すぐわかります。
試しに3で割ってみると、673になり、大したことはありません。
(2)「速さと比」
基本的な問題です。
2800÷20=140(速さの和)
2800:2100=4:3(速さの比)
140÷(4+3)×4=80m/分(答え)
(3)「場合の数」
大問1の(1)(2)が楽勝だった人には、やや手ごわい問題と感じられたかもしれません。
4人をA,B,C,Dとします。
AがBの用意したプレゼントを受け取った場合について、徹底的に調べ、それを3倍すればよい。
BがAの用意したプレゼントを受け取ると、CはDの用意したプレゼントを受け取り、DはCの用意したプレゼントを受け取ることに、決まります。
これを、A-D-Cと表すことにします。
他には、C-D-A、D-A-C、しかありません。
よって、3通り×3=9通り(答え)
(4)「割合」「場合分け」
「おつりは150円違っていました」とあります。
おつりは、多すぎたのでしょうか?それとも、足りなかったのでしょうか?
どちらの可能性もあるので、「場合分け」となります。
おつりが多すぎた場合。正しいおつりは、100円。代金は1400円。
さて。代金1400円は、割引なしの代金でしょうか?割引後の代金でしょうか?
割引なしとすると、1400÷50=28本買ったことになりますが、24本以上買うと割引になるので、矛盾。
割引後とすると、1400÷0.8÷50=35本(一つ目の答え)。
次に、おつりが足りなかった場合。正しいおつりは400円。代金は1100円。
割引なしとすると、1100÷50=22本(二つ目の答え)。
割引後とすると、1100÷0.8=1375円で、割引前の代金が50の倍数にならないので、ナシ。
答えは、22、35
(5)「回転体の体積」
上の立方体が回転したのは、何度でしょうか?
答えは3。
立方体の対角線の長さが、回転体(円柱を半分に切った形)の半径になりますが、対角線の長さが求められません。(ルートになります)
でも、対角線の長さ×対角線の長さは、1辺2cmの正方形の面積の2倍。(すなわち、8)
これで、計算できます。
大問2「調べる問題」
(1)分母が4以下の分数は、すでに、問題文に紹介されています。それを数えるだけです。答え5個。
(2)すべてを通分すると、分母は2、3、4、5、6の最小公倍数60となりますが、大変です。
分母が共通のものどうしを、先に足してしまうと、和が整数になるものが多く、簡単です。
(3)(1)をヒントにするとよいでしょう。
分母10以下の分数と、分母12以下の分数を比べたとき、分母10以下の分数に、違いはありません。(このことを理解するために、(1)が出題されたものと思われます)
よって、分母が11の分数と、分母が12の分数だけ調べればよいわけです。
11は素数なので、分子は1~10まで10個。
12は約数がたくさんあります。12と互いに素になるのは、1、5、7、11の4個。
合計14個(答え)
大問3「平面図形」
(1)「角度」
五角形ABCDEの5つの内角のうち、4つについては、角度がわかっています。
よって、残りの角AED=150度とわかります。
角ア=①とすると、角イ=⑤、角CED=90-①、と表せます。
よって、
⑤+90-①=150
④+90=150
④=60
①=15
より、15度(答え)
(2)「長さ」
BEに補助線を引くと、三角形ABEは直角二等辺三角形。
よって、角ABE=角AEB=45度。
よって、角EBC=角ECB=75度がわかり、三角形EBCは、EB=EC=8cmの二等辺三角形であることもわかります。
(角BEC=30度)
よって、三角形EBFは正三角形の半分。
よって、BF=4cm(答え)
(3)「面積」
三角形ABEは、底辺8cm、高さ4cm。三角形EBCは、底辺8cm、高さ4cm。
三角形ECDは、三角形EBCの半分。
よって、16+16+8=40㎠(答え)
おそらく、この回の問題の中では、大問3(1)~(3)が最も難しかったでしょう。
大問4
(1)「論理」
「AならばBである」が正しい(真)とします。
このとき、
「Aでなければ、Bでない」と言い切るのは、誤り(偽)
「BならばAである」と言い切るのも誤り(偽)
「BでなければAでない」と言い切るのは正しい(真)
となります。
たとえば、
「日本人ならば人間である」は真。
「日本人でなければ、人間でない」は偽。
「人間ならば日本人である」は、偽。
「人間でなければ、日本人でない」は真。
となります。
これらを使って、本問を解いてみましょう。
「高さが50m以下であるものはすべてビルです」が真なので、
ア、「ビルでなければ(すなわちタワーならば)、50m以下でない(すなわち50mより高い)」は真。
イ、「50m以下でなければ(すなわち50mより高ければ)、ビルでない」は、偽。
「白いタワーは1つもありません」が真なので、
エ、「タワーは必ず黒い」は真。
という要領で解きます。
(2)「平面図形と比」
スカイツリーの高さは634mですが、写真を撮った地点の高さが22mなので、見えている高さは634-22=612mです。
これが⑧にあたるので、⑤は612÷8×5=382.5m
これが富士山の見える高さです。
実際の富士山は、スカイツリーよりも遠くにあるので、三角形の相似を使って、
382.5÷12×118=3761.25m
これらは、写真を撮った地点より上のできごとなので、本当の高さは
3761.25+22=3783.25m(答え)
大問5「立体図形(切断)」
(1)全部で4段ありますが、1段ずつ水平にスライスして、4枚の図面をかきます。
(2)(3)定番問題です。
小問単位で、全17問。受験者平均点、合格最低点は、6割強。
よって、大まかに言うと、11問できれば、ぎりぎり合格か、といったところです。(6問落とせます)
大問3(1)~(3)は、かなりの難問なので、できなくてもやむを得ないでしょう。
あとは、人それぞれの、得意不得意もあるかと思います。
大問1(3)(4)、大問5(2)(3)あたりが、やや難しかった。
大問4(1)で、頭がこんがらがった、あわててミスした。
大問4(2)は、問題文の意味がつかめなかった、最後に22足すのを忘れた。
などが考えられます。
易しい問題と難しい問題が、交互に配置される学校なので、対策としては、自分にとっての捨て問、取り問を、適格に判断することが重要です。
その際の注意点。
大問1の小問は、見かけは易しそうですが、結構、手こずる問題が含まれています。
他方、大問4は、見慣れない図面が大量に並んでいますが、見かけほど難しくありません。
あわてず、落ち着いて処理すれば、得点できるでしょう。
大問5が易しいので、時間配分を間違えず、最後まで解ききることが大切です。
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