明大八王子中学の国語は、例年、物語文1問、論説文1問で制限時間50分です。
本文の長さ、設問数ともに、標準的です。
本文の内容は、小学生にも比較的わかりやすいものが中心です。
特に、論説文は「学校vs会社」「集合知vs集合愚」といった典型的な二元論の文章で、大人の世界を小学生にわかりやすく紹介するタイプの文章です。
知識問題は漢字の書き取りが中心で、本文の中から出題されるので、特殊な読みの漢字はほとんどありません。
このように見てくると、八王子の国語はとても簡単そうに見えますが、実はそうとも言えません。
設問の多くを占める「抜き出し問題」が、なかなか手ごわいのです。
通常、抜き出し問題は、文脈をたどっていけば、だいたいどのあたりに答えがあるか、見当がつくものです。
そして、答えにあたるものが複数か所あるときは、制限字数によって、1か所にしぼられるようになっています。
ところが、八王子の抜き出し問題は、文脈だけでは答えのありかがしぼれません。
多くの場合、本文全体をくまなく探す必要があります。
設問1つを解くたびに、本文全体を通読…などということもあります。
さらに、制限字数は「3字ちょうど」などの場合、正解と思われるワードが2つ、3つ出てきたりします。
そのいずれが正解なのか?それとも、どれでも正解なのか?
なかなか厳しい判断を迫られます。
をのようなわけで、八王子の抜き出し問題は、普通の記述式や選択式よりも、かなり時間がかかり、要領の良い処理能力が必要であると思われます。