渋谷教育学園渋谷中学校の算数は、例年、大問4問で構成されています。
大問1は、計算問題を含む、様々な分野からの小問群。大問2以降は、それぞれテーマをもった応用問題が並んでいます。
1、頻出分野について
大問1で、小問が6問出題されるので、様々な分野から出題されます。「平面図形」「立体図形」「場合の数」「濃さ」「速さ」「数の性質」「規則性」「論理パズル」など、まんべんなく出ます。
ただし、影響の大きい応用問題(大問2~4)に限ると、若干しぼられ、「立体図形」「場合の数」「速さ」がよく出ます。「立体図形」は、中学受験で流行中の「立体切断」が、ほぼ毎年毎回、出題されています。
「平面図形」も数多く出題されていますが、大問1の小問の1つとして出ることが多いです。「平面図形」が大問として出題されるときは、平面図形を回転させたときにできる立体(回転体)が合わせて出題されています。「平面図形」よりも「立体図形」を重視しているようです。
2、難易度について
極めつけの難問が出ます。首都圏屈指の難問出題校です。
難問の配置位置も特に決まっていません。大問1の小問群は、易しい問題を出題する学校が多いのですが、渋渋は、いきなり難しい年もあります。
たとえば、2018年第2回。冒頭、大問1(1)の計算問題は、299の素因数分解を必要とするものでした。試験開始直後の計算問題で、299を13×23に素因数分解するのは、少々厳しいでしょう。それも、素因数分解できるとわかっていて、素因数分解するならまだしも、本問は、素因数分解できるかどうかもわからない状態で、手探りで素因数分解を試みる、という問題です。正答率は低かったでしょう。
大問1(3)(4)も、小問ながら難問で、この年の受験生は精神的に大変だったと思います。合格者平均点、受験者平均点ともに、大きく下がりました。
3、姉妹校の渋谷教育学園幕張中学校との比較について
両校に共通しているのは、「場合の数」重視の姿勢です。
などが、両校に共通の出題パターンで、難問の一角を占めています。
これらの問題は、典型的な中学入試問題から離れて、高校数学の「場合分け能力」があるかどうかを試すものです。中学受験算数の定番問題をパターン暗記するような勉強では、太刀打ちできません。
逆に、両校の違いはどこかというと、渋幕が少数の個性的な大問をドンと出すのに比べ、渋渋は、大問1の小問群で、中学受験算数のよくある問題を、少しは出題している点でしょう。
この違いは、教育方針や出題方針の違いというよりは、地域的な違いではないかと推察しています。
渋幕は、千葉の幕張で孤高の存在。渋渋は、強豪、競合がひしめく中で、優秀な生徒を獲得している学校。
○○中学との併願をしやすくするには、どうするか?××中学と差別化を図るには、どうするか?といった問題に、絶えず直面し、対応しています。
そのためには、「出題傾向の微調整が自在にできる小問群を、ある程度活用していこう」ということだと思います。
基本的には、両校の出題方針に違いはありません。伸びしろのある、真の思考力をもつ子を求めています。
合格者平均点でも6割前後ですから、試験の残り時間を考えながら、難問をうまくスルーすることが大切です。
問題文を読んだら、
「これは、自分の手には負えない」
「手には負えるが、かなり時間がかかりそう」
といったことを、素早く見抜く能力を身につけることです。
ただし、解答は記述式のものもあります。記述式の問題は、「図形問題」と「手間のかかる問題」であることが多いようです。部分点がいただけますから、わかるところまででも、説明できるように、練習しておきましょう。
その際、
といったことを、式だけではなく、言葉で、明確に説明できると良いです。
その過程では、当然、「段取り」「場合分け」をする必要もあるでしょう。
「場合の数」の問題を例に、考えてみましょう。
たとえば、「1の位が0の場合、1の位がその他の偶数の場合」で場合分けする場面などが、よくあります。
ふだん、答えだけ書けばよいテストの時は、問題用紙の余白にコチャコチャと数字を書き並べて、正解できていても、記述式となると、そうはいきません。
などと、場合分けして記述する必要があります。
どのような問題のときには、どのようなパターンで記述すればよいか?点が取れる書式を確立しておきましょう。
(青い文字をタップ、クリック) |
渋渋(帰国)算数 対策 |
渋渋 算数 対策 2023年 |
渋渋 算数 対策 2022年 |
渋渋 算数 対策 2021年 |
渋渋 算数 対策 2020年 |
渋渋 算数 対策 2019年 |