田園調布学園中等部の算数は、例年、大問5問で構成されています。
第1問は、計算問題を含む、様々な分野からの小問群。大問2以降は、それぞれテーマをもった応用問題が並んでいます。
大問2以降は、理由の説明を求める問題もあり、また、大問5は、長文読解問題になっています。
大問1の計算問題は、それほど手間ではありません。緊張をほぐす意味合いのものでしょう。
大問1の他の小問群は、様々な分野から出題されます。「平面図形」「立体図形」「倍数算」「相当算」「食塩水問題」「速さ」「場合の数」「数列」など、ほぼすべての分野から、ちょっとした一行問題が出ています。
難易度は、それほど高くなく、易し目の問題です。ただし、学校公表の合格者平均点などから推定すると、このあたりで大きく失点すると、合格は遠のくでしょう。しっかり得点したいところです。
大問2は、比較的骨のある応用問題。算数的には、最も難しい問題が配置されることが多いようにも思えます。近年は、「三角形の相似」をテーマにした問題が出ています。
大問3以降は、「進行グラフ」「注水グラフ」の読み取り問題が多く出題されます。
算数的には、それほど難しくありません。
ただし、「なぜそうなるのかを図や式などを使って説明しなさい」という問題が、くり返し出題されています。書き慣れていないと、難しいでしょう。
大問5は、「長文読解問題」。ここも、算数的には、それほど難しいことがきかれているわけではありませんが、初めてみる問題を、自分で読み取り、意味を考えて解くことになります。
以上をまとめると、田園調布学園の算数は、「説明」を求められる点、「グラフ読み取り」を求められる点、「長文読解力」を求められる点に、特徴があります。
入学後は、「協同探求型授業」などで、自分の考えを「表現」する機会が多いようです。算数の入試問題にも、そのような教育理念が、反映しています。
難易度的には、標準的な問題が多いので、塾のテキストで、標準的な問題をまんべんなくマスターすれば、一気に合格へ近づけます。
特に、大問1の小問群は、過去問との関連も強いようです。
たとえば、
平均速度
倍数算
食塩水
などです。
あとは、「記述」「グラフ読み取り」「長文読解」に慣れることが必要です。
記述については、日ごろから、自分の考えを書く練習を積むのが、最も近道です。
もっとも、「ない袖はふれぬ」ということもあります。書くための材料、すなわち、算数的な理解を深めておくことが、大切です、
「パターン暗記」で、わけもわからず解法パターンの暗記に走る勉強は、田園調布学園では通用しません。
「グラフ読み取り」では、横の変化量と、縦の変化量に注目する練習をしましょう。「横に何分進んだら、縦に何メートル進んだ」というような読み取りができれば解ける問題が、ほとんどです。
「長文読解」も慣れでしょう。2020年大学入試改革に備えて、長文問題を出題する学校が増加しています。
田園調布学園の過去問はもちろんですが、他校の過去問も使って、練習を積むとよいでしょう。
品川女子の過去問なども、記述、長文読解の両面で、似ています。