明治大学付属中野八王子中学の算数は、例年、大問5問で構成されています。
大問1は、計算問題が4問。多めです。大問2、3は、様々な分野からの小問群。大問4、5は、それぞれテーマをもった応用問題が並んでいます。
1、頻出分野について
大問1の計算問題には、「計算の知識」を知っていると有利なもの、「計算の工夫」を求めるものなどが、出題されています。
大問2,3の小問群は、「平面図形」「立体図形」「速さ」「割合」「つるかめ算、植木算などの特殊算」「規則性」「場合の数」など、広い分野から出題されています。
問題数が多いので、毎年、多くの分野から出ます。
大問4、5の応用問題は、「平面図形」と、「進行フラフ」がよく出題される傾向にあります。
2、難易度について
全体的には、標準的な問題が出されています。
大問1の計算問題は、それほど手間ではありません。
ただし、「計算の知識」「計算の工夫」ができないと、非常に手間がかかります。2018年第1回の計算問題などが、その例です。
いかにも八王子らしい出題です。
大問2、3の小問群は、2がやや易しく、3が少しレベルアップする傾向にあります。
大問4、5の応用問題は、骨のある問題が出題されています。
たとえば、2018年第1回大問4の「進行グラフ」。縦軸は、「2人の間の距離」です。通常の進行グラフしか勉強していないと、意味をとるのが、難しいでしょう。
同じく、2018年第1回大問5の「立体切断」。「断頭三角柱の体積」です。公式を知らないと、難しいでしょう。
2016年第1回大問4の「平面図形」。「直角三角形ができるように補助線を引けるか?」がポイントです。これも、中学受験算数に特有の知識です。
中学受験算数は、中学受験を経験していない大人でも、中学以上の数学を勉強していれば、知識的に解けない問題は、ありません。「微積分」や「線形代数」など、全く使いません。その点は、やはり「算数」にすぎません。
でも、何も準備しないで解くと、非常に手こずる問題が、数多く存在します。
方程式は、原則禁止。ルート(平方根)の計算も使えない。当然、「三平方の定理」すら使えない。といった、曲芸のようなことをしているわけです。
ですから、これらの問題を解くには、いかにも「算数」らしい、「ユニークで柔らかいアイデア」を求められます。
先ほどから挙げている具体例は、その、代表的な問題です。
このような問題をよく出題する点に、八王子の特徴があります。
「傾向」で述べたことを踏まえれば、対策は自ずと明らかです。
中学受験算数に特有の知識を、はば広くおさえることです。そして、どのような知識から、優先的に勉強すればよいかを知るには、過去問の検討が、きわめて有効です。
たとえば。
は、同じ「計算の知識」。両者は数字替え問題です。
2016年では、大問2の小問の一つとして出題されました。特殊な計算方法は、問題文で具体例を示しながら、ある種、応用問題として出題されています。
これが、2018年になると、大問1(3)の計算問題扱いとなります。ヒントなしです。
2016年の過去問を検討していたかどうかで、天地の差でしょう。
も、数字替え問題です。ただし、2016年は、比較的よく見る「12進法」の問題。2017年は、「約束記号」の形式をとった「2進法」の問題。2進法であることに気づくかどうか、難しくなっています。2016年の問題を検討していた受験生は、ピンときたでしょう。
八王子の算数は、決して手も足も出ない難問ではありません。
大切なのは、中学受験算数に特有な知識も含め、基本的な典型問題を、コツコツ勉強すること。そして、正確な計算力を身につけることです。
努力が報われる試験です。
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